もし、あなたや大切な人が、ある日「がんです」と告げられたら。
治療のこと。お金のこと。仕事や家族のこと。
これから自分の体がどうなっていくのかという不安。
本当は誰かに話したい。でも、誰に話せばいいのかわからない。
家族に心配をかけたくない。友人に話しても、どう受け止められるかわからない。
「大丈夫」「頑張って」と励まされるほど、かえって苦しくなることもある。
がんサロン・ロゴスは、そんな患者さんやご家族が、ひとりで抱え込まなくていいように、福井県内でがん看護の専門家とぴあサポーターが活動している特定非営利活動法人のがんサロンです。
他者の苦しみを、同じようにわかることはできなません。
それでも、がん看護の専門家や同じ体験をした人に話を聞いてもらうだけで、悩みが軽くなるかもしれません。
今後ますます入院期間が短くなる現代、入院中や外来通院中のがん患者は、悩みを医療者に伝える時間が少なくなる。
がん患者さんやご家族の不安や孤独に、地域の中で伴走する場所を続けていきたい。
そのために今回、がんサロン・ロゴスを毎月支えてくださるマンスリーサポーターを募集します。
月々コーヒー一杯分の支援で、命に向き合う時間を支えていただけませんか。
ストーリー
1人1人に耳を傾ける場所を
こんにちは。特定非営利活動法人がんサロン・ロゴス代表の牧野智恵です。
私は約40年間、看護教育やがん看護教育等に関わりながら、患者さんやご家族の悩みに寄り添うにはどうすればいいのかについて常に考えてきました。
また、V.E.フランクルのロゴセラピーという考え方を学ぶ中で、どのような苦悩も、その事実に対する態度によって、その苦悩が業績にもなることがあると知りました。
私は、定年退職後、これまでの看護経験やロゴセラピストの経験を生かし、がん患者さんやそのご家族に関わりたいと思うようになりました。

定年退職後、がんサロン・ロゴスを運営していく中で、私が学んだことがあります。
それは、がん患者さんの悩みを軽くできるのは、同じようながんの経験したことのある人の何気ない言葉だということです。
がんの痛み。治療への不安。再発への恐怖。
家族にも言えない気持ち。眠れない夜のつらさ。
それは、その人だけが抱えている経験です。
たとえ同じ病名であっても、同じ治療を受けていても、感じ方も、生活の状況も、大切にしているものも、一人ひとり違います。

だから、「わかるよ」と簡単には言えません。
でも、同じような経験をしたがん患者さんの同じ経験談は、スーッと入っていきます。
また、同じ経験をしたことのない人は、わからないからこそ、聴くことはできます。
「そう思っているんですね」「つらかったね」と耳を傾けながらそばに寄り添うことはできます。
その人が、自分の言葉で話せる時間をつくることはできます。
がんサロン・ロゴスは、そんな場所でありたいと思っています。
コロナ禍で失われた、がん患者さん同士で話す「場所」
がんサロン・ロゴスを始めるきっかけのひとつは、コロナ禍でした。
それまで病院の中には、がん患者さんやご家族が集まり、話をしたり、情報を得たりできる「がんサロン」がありました。

けれど、感染症対策のため、病院内のサロンは中止や縮小を余儀なくされました。面会も制限され、家族に会うことさえ難しい時期がありました。
病院は、命を守るために必要な制限をしなければなりません。それはとても大切なことです。
一方で、がん患者さんやご家族の不安や孤独は、その間も続いていました。
「話す場所がない」
「悩みを聞いてもらえる場所がない」
「病院の外で、安心して話せるところがほしい」
そんな声を聞きながら、私は、病院の中だけでなく、地域の中にもがん患者さんとご家族を支える場所が必要だと感じました。

感染症が広がれば、病院はどうしても慎重になります。
けれど、患者さんの生活は病院の外でも続いています。
だからこそ、地域の中に、安心して話せる場所を開き続けたい。
それが、がんサロン・ロゴスの出発点です。
「なんだか、勇気が出てきました」
ロゴスには、がんと診断されたばかりの方も来られます。
ある日、がんの告知を受けて3日目の40代の女性が、初めてサロンに参加されました。

「手術が怖い」「化学療法で髪が抜けるのが心配」
「治療費が不安」
その方は、涙を流しながら、今抱えている気持ちを話してくださいました。
そのとき、同じ病気を経験し、治療を終えたサバイバーの方々が声をかけました。
「私も、治療前は同じことを心配していたよ」
「髪は抜けたけれど、今はここまで生えてきたよ」
「お金のことも、本当に不安になるよね。私も…」
同じような経験をした人だからこそ、届けられる言葉があります。
その女性は、帰る頃には少し表情がやわらぎ、
「なんだか、勇気が出てきました」
と話してくださいました。
その後、その方は手術前にフルマラソンにも出場されました。

さらに、美容師としての経験を活かし、訪問美容師の資格も取得されました。今は、がんになったお客さんにご自身の体験を話し、安心してもらうこともあるそうです。
ロゴスは、誰かを無理に前向きにする場所ではありません。
泣いてもいい。
不安を話してもいい。
怖いと言ってもいい。
その気持ちを受け止めてもらう中で、その人自身が、もう一度自分の人生を歩き出す力を取り戻していく。
そんな時間が、ここにはあります。
「やっと、わかってくれる人に出会えた」
こんな方もいらっしゃいました。
ステージ4のがんを抱え、痛みと眠れなさに苦しんでいた70代の男性。奥さまと娘さんと一緒に、ロゴスに来てくださいました。

その方は、こう話されました。
「こんなに痛いのに、こんなに眠れないのに、家族は誰もわかってくれない」
家族が、ご本人のことを大切に思っていないわけではありません。
それでも、痛みや不安のすべてを、家族にわかってもらうことは難しいことがあります。
その場にいた別の参加者が、静かに言いました。
「本当にそうですよね。私もそうでした」
同じ痛みではないかもしれません。
同じ人生ではないかもしれません。
それでも、同じように「家族にもわかってもらえない」と感じたことのある人の言葉でした。
その男性は、
「やっと僕の痛みやつらさをわかってくれる人に出会えた」
と話し、表情がパッと明るくなりました。
その後、その方にはひとつの願いがあることがわかりました。
好きなミュージシャンの歌を、もう一度聴きたい。
そして、奥さまへの感謝を込めた歌を届けたい。
けれど、病状は進んでいました。外出してコンサートに行くことは、もう難しい状態でした。
私たちは、どうにかその願いを形にできないかと考えました。ミュージシャンに連絡し、病棟にも相談し、たくさんの方々にご無理を聞いていただいて、病室とスタジオをリモートでつなぎました。
病室には、ご家族や親戚が集まりました。
画面越しに歌が届き、奥さまへの想いが込められた歌を、皆さんで聴きました。

その時間が、ご本人やご家族にとってどんな意味を持ったのかを、私たちが決めることはできません。
ただ、最期まで「伝えたい」と願った言葉を届ける時間に、私たちは立ち会いました。
それは、病院の治療だけでは生まれにくい時間でした。
サロンで出会い、話を聴き、願いを受け止めたからこそ、つながった時間でした。
がんになっても、孤独にならないまちへ
がんになると、人は身体の痛みや治療の不安だけでなく、言葉にしづらい孤独を抱えることがあります。
近所の人には言えない。
友人に話しても、相手を困らせてしまうかもしれない。
家族にも、これ以上心配をかけたくない。相手が大事だからこそ、話せないのです。

勇気を出して話しても、
「大丈夫」「頑張って」「きっと治るよ」
という励ましが、かえってつらく感じられることもあります。
誰にも話せないまま孤独になると、心が追い込まれてしまうことがあります。
治療をやめたくなったり、不確かな情報にすがってしまったりすることもあります。
だから、話せる場所が必要です。
正解をすぐに出す場所ではなく、わかったふりをする場所でもなく、その人の言葉を、その人のペースで聴く場所。
そして、同じように悩んだ人と出会える場所。
病院の中だけではなく、地域の中にそうした場所があることは、がんと向き合う人にとって大きな支えになります。
ロゴスは、がん患者さんやご家族が、病気になっても孤独にならず、その人らしく生きる時間を取り戻していけるように、地域の中で伴走していきたいと考えています。
続けるために、毎月支えてくださる仲間が必要です
ロゴスでは、現在、毎月2回のがんサロンを開催しています。
そのほかにも、ヨガ、リンパケア、医師による講演、絵本の読み聞かせセラピー、そば打ち体験、コンサート、温泉貸し切りでのがんサロンなど、参加者の心と身体が少しでもゆるむ時間をつくってきました。




場所をお借りして、小さく続けている活動。でも、こうした活動には、どうしても費用がかかります。
会場費。
講師謝金。講師やスタッフの交通費。
資料や案内の作成費。特別企画を行うための費用。
これまでは、助成金や限られた収入に支えられながら、なんとか活動を続けてきました。
けれど、助成金はいつまでも続くものではありません。また、その時々の資金状況によって、開催できる企画や回数が左右されてしまう不安もあります。
「来月も、あそこに行けば誰かがいる」
そう思える場所を続けるためには、一部の財源に頼っていては限界があると痛感しています。少しずつでも、毎月支えてくださる方々の存在が必要なのです。
そこで今回、がんサロン・ロゴスを継続的に支えてくださるマンスリーサポーターを募集します。
まずは10人の仲間を募りたいと願っています
まずは10人。
そして、最終的には20〜25人の方に仲間になっていただくことを目指しています。
毎月25,000円ほどの継続的な支えがあれば、会場費や講師謝金の一部を安定してまかないながら、必要な場を開き続ける力になります。
月額300円からのご支援が、がん患者さんやご家族が安心して集まれる場を続ける力になります。
たとえば、皆さまからのご支援は、以下のような活動に活用します。
・毎月2回のがんサロンの会場費
・ヨガ、リンパケア、医師による勉強会などの講師謝金
・温泉でのがんサロンなど、患者さんが日常を離れてほっとできる企画費
・スタッフや講師の交通費
・参加者に活動を届けるための案内や資料づくり




金額の大小ではありません。
毎月、少しずつでも支えてくださる方がいることが、私たちにとって大きな安心になります。
そして何より、ロゴスに集まる方々にとって、
「この場所を一緒に守ろうとしてくれている人がいる」
という心強いメッセージになります。
苦しみを、ひとりで抱えたままにしないために
ロゴスという名前は、ロゴセラピーに由来しています。
ロゴセラピーでは、避けることのできない苦悩の中にいても、その苦悩に対してどういう態度をとるかによって、その苦悩が業績にもなり、人生の意味を見出すことができると考えます。
がんになったこと。
大切な人ががんになったこと。
痛みや不安を抱えながら生きること。
そのような状況の時に、同じ体験者と出会い、話を聴いてもらい、また、誰かの言葉に触れるたり、自分もまた誰かの話しに応答していく中で、
結果的に「がんと共に生きる中で、ささやかな日常にこそ意味がある」と感じられることがあります。
告知を受けて不安でいっぱいだった方が、同じ経験をした人の言葉に支えられ、今度は同じ悩みを抱えている人を支えるようになる。
痛みの中にいた方が、最期に大切な人へ感謝の想いを届けられるようになる。
がんになった人が、支えられるだけではなく、誰かを支える存在にもなっていく。
がんサロン・ロゴスの中で生まれているのは、そうした小さな変化の連なりです。
私たちは、その連なりを、これからも地域の中で続けていきたいと思っています。
* * *
がんになった人が、ひとりで不安を抱え込まなくていいように。
家族が、誰にも相談できずに孤立しなくていいように。
病院の外にも、安心して話せる場所があるまちをつくるために。
がんサロン・ロゴスのマンスリーサポーターとして、毎月のご支援でこの場所を一緒に支えていただけませんか。
まずは10人の仲間を募集しています。
月額300円から、応援いただけます。ぜひ、仲間になっていただけたら嬉しいです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
あなたのご参加を、心よりお待ちしています。
特定非営利活動法人がんサロン・ロゴス
代表 牧野智恵





