夜、仕事や学校から家に帰って、鍵を開ける。
布団で眠り、朝を迎え、また一日を始める。
そんな私たちの日常は、住まいがあるから成り立っています。
けれど、この「暮らしの土台」は、思っているよりも簡単に揺らぐことがあります。
年齢を重ねること。病気になること。
家族との関係が変わること。仕事を失うこと。収入が不安定になること。
それだけで、今まで当たり前だった住まいを借りること、暮らしを続けることが、急に難しくなる場合があります。
高齢、身寄りがない、保証人や緊急連絡先がない、過去に困難な経験をしている…。
そうした理由から、住まいを借りたくても借りられない。
家を失うと、生活を立て直すことも、医療や福祉につながることも、仕事を探すことも難しくなっていきます。
これは、特別な誰かだけの話ではありません。
私たちの暮らしのすぐそばにある課題です。
私たちNPO法人みらいあんは、福岡を拠点に、住まいの確保に困難を抱える方々の相談に向き合ってきました。
行っているのは、ただ物件を探すことではありません。
家主さんや管理会社さんとの調整、入居後の見守り、生活相談、病院や役所への同行、清掃や衛生面の支援、社会参加につながる機会づくり。
その人が地域の中で安心して暮らし続けられるように、必要な支援を一つひとつつないでいます。
困った時に「助けて」と言える。
その声に、誰かが応えてくれる。
支えられた人が、いつか誰かを支える側にもなる。
支え合いの循環がある地域を、福岡から少しずつ育てていきたい。
その一歩に、ぜひお力をお貸しください。
ストーリー
「住まいがない」ということは、次の一歩を踏み出せないということ
「家がない」と聞くと、眠る場所がないことを思い浮かべる方が多いかもしれません。
もちろん、それはとても大きな問題です。
けれど、住まいがないことの影響は、それだけではありません。
住所がないと、生活保護などの公的支援につながることが難しくなります。
仕事を探す時にも、生活を立て直す時にも、安心して帰れる場所があることは大切な前提になります。

住まいは、暮らしの土台です。
けれど現実には、住まいを必要としている方が、民間賃貸住宅への入居を断られてしまうことがあります。
「高齢だから、もしものことが心配」「保証人がいない」
「緊急連絡先がない」「収入が安定していない」
「入居後にトラブルが起きたらどうしよう」
家主さんや管理会社さんが不安を抱くことにも、理由があります。
孤独死、家賃滞納、部屋の衛生悪化、近隣トラブル。そうした心配がある中で、受け入れに慎重になるのは自然なことでもあります。

だからこそ、私たちは、その不安の間に立ちたいと考えています。
入居を希望する方が安心して暮らせるように。
家主さんや管理会社さんも、安心して受け入れられるように。
地域の中で孤立やトラブルが深まる前に、必要な支援につながれるように。
みらいあんは、住まいを必要とする方と、住まいを提供する側の間に入り、少しずつ安心をつくっていく活動を続けています。
相続・終活の相談から見えてきた、住まいの壁
みらいあんの活動は、相続や終活の相談から始まりました。
代表が不動産業に携わる中で、相続の手続きが整理されておらず、いざ不動産を扱おうとしても、相続人が十数人に分かれていたり、遠方や海外に住んでいたりして、問題がなかなか解決しないケースに出会ってきました。

「こうしたことで困る人を少しでも減らしたい」
そんな思いから、司法書士の先生たちと一緒に、啓発活動を行うNPOとしてみらいあんは立ち上がりました。
最初は、相続や終活に関するセミナーなどを中心に活動していました。
けれど、暮らしの相談に向き合う中で、高齢者が住まいを借りにくい現実が見えてきました。
そして、住まいに困っているのは高齢者だけではないことも、少しずつわかってきました。
生活に困窮している方。
障がいのある方。
DV被害を受け、安心できる場所を必要としている方。
出所後に暮らしを立て直そうとしている方。
家族や地域とのつながりが薄く、頼れる人がいない方。
みらいあんの支援は、特定の属性で区切るものではありません。
「属性はいろいろあっても、それは関係なしに、困っている人の手助けができたら」。
これが、みらいあんの根本にあります。
目の前に、困っている人がいる。
その人が安心して暮らせる場所を必要としている。
その現実に向き合う中で、みらいあんの活動は、相続・終活から居住支援、生活支援へと自然に広がっていきました。
家を確保して終わり、ではない
居住支援は、物件を探して契約できれば終わり、というものではありません。
むしろ、入居した後にこそ支援が必要になることがあります。
家賃の支払いが不安定になる。
人とのつながりがなく、孤立してしまう。
部屋の片付けが難しくなり、生活環境が悪化していく。
病院に行く必要があるのに、一人では手続きや同行が難しい。
行政や福祉の制度につながりたくても、どこに相談すればよいかわからない。
こうした困りごとは、一つひとつを見ると小さなことのように見えるかもしれません。
けれど、その小さな困りごとが積み重なると、せっかく確保した住まいを失ってしまうことがあります。
住まいを失えば、生活はさらに不安定になり、孤立も深まっていきます。
だから、みらいあんは入居前だけでなく、入居後の見守りや生活相談も大切にしています。

必要に応じて、病院や役所への同行をする。
生活の様子を確認する。
部屋の衛生状態が悪化する前に声をかける。
福祉や医療、行政の支援につなぐ。
その人が、地域の中で暮らし続けるために必要な支援を、できる範囲で一つひとつ行っています。
私たちは、「できること」しかできません。でも、「できるのであれば、やりたい」と思っています。
そうやって、みらいあんは目の前の方に向き合ってきました。
寒い時期に外で過ごしていた若い方のこと
これまでの支援の中で、忘れられない出会いがあります。
ある若い方は、幼い頃から家庭に頼ることが難しく、いくつもの地域を移りながら、福岡にたどり着きました。

寒い時期に、外で寝ていたこともあったそうです。
住まいも、仕事も、頼れる人もない中で、それでも彼は「ちゃんと働いて、ちゃんと生きていきたい」と話してくれました。
みらいあんは、住まい探しを支援しました。
住まいが整ったことで、彼は仕事にもつながり、少しずつ自分の暮らしを歩み始めています。
もちろん、住まいが見つかったからといって、すべてがすぐに解決するわけではありません。
仕事で落ち込む日もあります。生活の中でつまずくこともあります。
それでも、帰る場所があること。
相談できる相手がいること。
自分のこれからを考えられるだけの安心があること。
それが、人が次の一歩を踏み出すための土台になるのだと、私たちは現場で感じています。
生活が崩れる前に、支えられる関係をつくる
入居後の暮らしを支える中では、部屋の片付けや衛生面の支援が必要になることもあります。
「片付ければいい」と言うのは簡単です。
けれど、実際にはそれだけで解決できない背景があります。

障がいによって片付けが難しい方もいます。
気力がなくなり、生活を整える余裕を失っている方もいます。
人から見れば不要に見えるものでも、本人にとっては大切なものとして手放せない場合もあります。
ペットの飼育がうまくいかず、住環境が悪化してしまうこともあります。
そうした状態になるまでには、多くの場合、孤立や不安、生活上の困難が積み重なっています。
だからこそ、問題が大きくなる前に関わることが大切です。
部屋をきれいに保つことは、本人が快適に暮らすためでもあり、家主さんや近隣の方にとっての安心にもつながります。
住環境を整えることは、退去を防ぎ、その人が地域で暮らし続けるための支援でもあります。
みらいあんは、こうした目に見えにくい支援を、必要に応じて続けています。
支援される人が、いつか支える側にもなる
みらいあんの活動は、居住支援だけではありません。
こどもみらい食堂や地域のイベント、農業体験など、人が地域や社会とつながるための場づくりにも取り組んでいます。
それは、住まいを整えた後の「その先」に必要な支援でもあります。

一人で暮らし続けるだけでは、孤立が深まってしまうことがあります。
生活リズムが整わず、就労や社会参加に向かうことが難しい方もいます。
だからこそ、いきなり仕事を探すのではなく、まずは人と関わること。
誰かに「ありがとう」と言われること。
自分にも役割があると感じられること。
そうした小さな経験が、次の一歩につながっていきます。

こどもみらい食堂では、地域の子どもたちに食事を届けるだけでなく、さまざまな世代の人が出会い、関わり合う場が生まれています。
居住支援でつながった方に、イベントや食堂のボランティアをお願いすることもあります。
支援されるだけではなく、自分も誰かの役に立てる。
子どもたちから「ありがとう」「おいしかった」と言われる。
その経験が、その方の励みになることがあります。
「支援されるばかりではなく、誰でも人の力になれる、ありがとうと言われることがある」。このことに、たくさんの方々に気づいていただきたいと願っています。
みらいあんが目指しているのは、「支援する人」と「支援される人」を分けることではありません。
困った時には支えてもらう。
元気な時には、誰かを支える。
そうした関係が循環していく地域です。
善意だけでは、必要な支援を続けられない
みらいあんの支援には、時間と人手がかかります。
身寄りのない方の病院同行。
役所での手続きの付き添い。
入居後の見守り。
生活相談。
清掃や衛生面の支援。
社会参加や就労準備につながる場の運営。
どれも、その人が地域で暮らし続けるために必要な支援です。

けれど、こうした支援の多くは、制度の枠の中だけでは十分に賄えません。
これまでは、スタッフや関係者の善意、持ち出し、ボランティア的な関わりで支えてきた部分も少なくありませんでした。
もちろん、活動の根っこにあるのは「困っている人の手助けができたら」という思いです。
けれど、必要な支援をこれからも続けていくためには、善意だけに頼るのではなく、継続できる仕組みが必要です。
支援が必要な人は、これからも地域の中にいます。
だからこそ、みらいあんもまた、続けられる形をつくらなければいけない。
今回のクラウドファンディングは、そのための第一歩だと考えています。
寄付の使い道
今回のクラウドファンディングでは、ファーストゴールとして30万円を目指します。
いただいたご寄付は、住まいの確保に困難を抱える方々が、地域の中で暮らし続けるための支援に活用します。
主な使い道は以下を想定しています。
1. 入居前後の相談対応・同行支援
家主さんや管理会社さんとの調整、役所や病院への同行、生活相談など、住まいを確保し、その後の暮らしを整えるための支援に活用します。
2. 入居後の見守り・生活支援
孤立や生活環境の悪化を防ぐための定期的な声かけ、訪問、相談対応などに活用します。
3. 住環境の衛生改善・清掃支援
部屋の片付けが難しい方への清掃支援、衛生面の改善、退去を防ぐためのサポートに活用します。
4. 社会参加・就労準備につながる場づくり
こどもみらい食堂、地域交流イベント、農業体験など、支援を受けた方が地域や社会とつながり、自分の役割を見つけるための活動に活用します。
5. 支援を継続するための人件費・交通費・通信費
相談対応や同行、連絡調整、関係機関との連携など、支援を続けるために必要な基盤的な費用に活用します。
30万円で目指したいこと
30万円は、みらいあんの活動全体から見れば、決して大きな金額ではありません。
それでも、この資金があることで、これまで善意や持ち出しに頼ってきた支援の一部を、継続できる形に近づけることができます。
たとえば、病院や役所への同行。
入居後の生活相談。
部屋の片付けや衛生改善の支援。
社会参加につながる場の運営。
そうした一つひとつの支援が、誰かの「住み続ける」を支えます。

そして、今回のクラウドファンディングを通じて、みらいあんの居住支援・生活支援の必要性を、より多くの方に知っていただきたいと考えています。
子ども食堂は大切。
けれど、子どもたちを支える地域には、安心して暮らせる大人の存在も必要です。
高齢の方も、生活に困っている方も、障がいのある方も、DV被害を受けた方も、出所後に暮らしを立て直そうとしている方も。
誰もが地域の中で孤立せず、困った時にSOSを出せること。
それが、子どもたちにとっても、私たち自身にとっても、安心できる地域につながっていくと信じています。
誰もが「助けて」と言える地域へ
みらいあんのミッションには、「安心・安全・安定」という言葉があります。
安心できる場所があること。
安全に暮らせること。
生活の土台が安定していること。
その基盤があってはじめて、人は次の一歩を踏み出せます。

不安があると、一歩を踏み出すことは難しくなります。
住まいが不安定であれば、仕事や人間関係、健康のことを考える余裕も失われていきます。
だから、私たちは住まいと暮らしの土台に寄り添いたいのです。
私たちが目指しているのは、特別な支援施設をつくることではありません。
近所に、少し気にかけてくれる人がいる。
困った時に、「ここに相談してみよう」と思える場所がある。
一人では抱えきれないことを、誰かと一緒に考えられる。
そんな関係が地域の中にあるだけで、人は少し安心して暮らせるのではないでしょうか。
それは、今まさに住まいに困っている方だけのためではありません。
年齢を重ねた時。
家族や仕事を失った時。
病気になった時。
子育てや介護で、ひとりでは抱えきれなくなった時。
「助けて」と言える地域があることは、私たち自身にとっても、これからの安心になります。
そんな地域を、福岡から少しずつ育てていきたい。
寄付という形で、みらいあんの伴走支援を支えていただけませんか。

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。
皆さまからの温かいご支援を、心よりお願いいたします。







