「私たちは、あなたたちと同じ人間です」
「ここには、人権がありません」
入管収容施設で面会した方々から、何度も聞いた言葉です。
私たちNPHR(アジア太平洋人権保護ネットワーク)は、日本で暮らす難民・移民の方々が、差別なく、命と尊厳を守られながら暮らせる社会を目指して活動している小さな団体です。
「難民支援」と聞くと、遠い国の出来事のように感じる方もいるかもしれません。
けれど、私たちが向き合っているのは、今この日本で起きていることです。
帰れない事情を抱え、日本で保護を求めている人たちがいます。けれど、その人たちは日本にたどり着いた後も、収容や不安定な在留状況の中で、住まい、食べるもの、外の世界とのつながりさえ失いかねない状況に置かれることがあります。
帰れる人は、帰るのだと思います。
それでも帰れない人には、帰れない事情があります。
その人たちが日本で生きる足場を失わないように。私たちは、シェアハウスでの居所支援、食料・日用品の支援、収容中の方との電話代や物資の差し入れを続けています。
今回のクラウドファンディングでは、まずは難民申請者の方々の住まいと暮らしを支えるための費用として、100万円を目指します。
さらにご支援が広がった場合には、年間を通じた居所支援・生活支援の継続費用として、150万円を目指したいと考えています。
制度が変わるのを待つ間にも、今日、安心して眠れる場所を必要としている人がいます。
どうか、居所支援・生活支援を続けるために、力を貸してください。
ストーリー
日本で起きている「見えにくい孤立」
こんにちは。NPHR(アジア太平洋人権保護ネットワーク)代表の杉山聖子です。
私はもともと、ソーシャルワーカーとして活動してきました。
日本の歴史の中で行われてきたハンセン病の方々への隔離政策や、精神科病院への長期入院の問題。
それらを学ぶ中で、私が考えてきたのは、「人を社会から切り離し、存在を見えにくくしてしまうこと」が、その人の尊厳をどれほど深く傷つけるのか、ということでした。

そんな中で、私は、日本で保護を求める外国人の方々が、入管施設に収容されているという現実を知りました。
実際に面会へ行くと、そこには、さまざまな事情を抱えた方々がいました。
政治的迫害や命の危険から逃れてきた人。
母国に帰れば、再び危険な状況に置かれるかもしれない人。
日本で暮らす中で事情が変わり、帰ることができなくなった人。
背景は一人ひとり違います。けれど、共通しているのは、「ここで生きたい」「生き延びたい」と願っていることです。
それにもかかわらず、難民として認められず、在留資格も不安定なまま、収容されたり、働くことが難しかったり、公的な支援につながりにくかったりする人たちがいます。
これは「外国人の問題」ではなく、私たちが暮らす日本社会の問題なのだと思いました。

国際協力とは、海外へ行くことだけではありません。
日本国内で起きていることに目をつぶらず、足元から変えていくこと。それが、NPHRの活動の原点です。
「外に出たい。でも、行く場所がない」
入管施設に収容されている方が、一時的に外に出るためには、前制度から続く「仮放免」、新制度での「監理措置」があります。どちらも申請をして許可を得る必要があります。
けれど、その申請や生活の再開には、身元保証人に関する資料が求められたり、外に出た後にどこで暮らすのかという居所の確保や、どうやって暮らすのかという生活費の工面が大きな課題になったりします。

自由がまったく無い入管施設では、多くの方が体や心の不調を抱えています。
また,外にいる人びととの接触も厳しく制限されているため、難民申請のための資料集めも、支援団体との関係をつくることも、収容中は極めて困難な状況にあります。
かれらは生きていくために、そして難民として認められるために、外に出ることを望んでいるのです。
しかし、それは簡単なことではありません。
日本に来てすぐ収容された方の場合、日本人の知り合いがいないこともあります。
頼れる家族もいない。貯金もない。住む場所もない。保証人や監理人になってくれる人もいない。
「外に出たい。けれど、行く場所がない」
その状態のままでは、収容所から出るための一歩を踏み出すことさえ難しくなってしまいます。
だから私たちは、一人ひとりの声を聞きながら、保証人及び監理人を探し、必要に応じてメンバーが保証人及び監理人となり、借り上げたシェアハウスでの居所支援を行ってきました。
保証人及び監理人になることには、簡単ではない責任があります。
住まいを提供することにも、継続的な費用と体制が必要です。


それでも、そこまで踏み込まなければ届かない人がいます。
住む場所がなければ、安心して眠ることも、体を休めることも、これからの手続きを考えることもできません。
「せめて安心して眠れる場所がなければ、何も始まらない」。
それが、私たちが居所支援を続けている理由です。
住まいは、もう一度生きるための足場になる
私たちが運営するシェアハウスは、単なる「部屋」ではありません。
そこは、収容や孤立の中で傷ついた心と体を休め、自分は一人の人間として扱われているのだという感覚を、少しずつ取り戻していくための場所です。


支援につながる方の中には、仮放免や監理措置中で就労が認められず、自力で生活費を得ることが難しい人もいます。
在留状況によっては、健康保険や公的支援につながることも難しく、病気やけがをしても安心して医療にかかれない人もいます。
住む場所がなければ、文字通り路頭に迷ってしまう。
食べるものがなければ、体を保つことができない。
Wi-Fiや電話代がなければ、支援者や弁護士、家族、必要な情報とつながることも難しくなる。
だから私たちは、家賃や光熱水費を支え、Wi-Fi環境を整え、食料や日用品を届けています。
また、今も収容施設の中にいる方々へ、電話代のチャージや物資の差し入れも続けています。


電話は、外の世界とつながるための大切な手段です。
支援者と話す。弁護士と連絡を取る。家族に声を届ける。必要な情報を得る。
それは、単なる通信費ではありません。
「あなたは一人ではない。外で見守っている人がいる」
そのメッセージを届け続けるための命綱でもあります。
今回のプロジェクトで実現したいこと
今回のクラウドファンディングでは、難民申請者の方々への「住まい」と「暮らし」の支援を続けるための費用を募ります。
これは、派手なイベントを行うための資金ではありません。
一人ひとりの「今日」を支えるための、切実な積み重ねです。

【資金の使い道(年間概算)】
◎シェアハウスの家賃:約96万円
……路頭に迷う恐れのある方が、安心して眠れる場所を維持するための費用です。
◎光熱水費:約18万円
……日々の生活に欠かせない電気・ガス・水道を支える費用です。
◎Wi-Fi代:約6万円
……支援者、弁護士、家族、必要な情報とつながるための通信環境を維持します。
◎食料支援:約12万円
……働くことが難しい状況にある方が、最低限の食事を確保するための費用です。
◎日用品代:約6万円
……洗剤、衛生用品、生活に必要な物品を届けるための費用です。
◎入管収容中の方への電話代:約7万2,000円
……外部と連絡を取り、孤立を防ぐための電話代チャージに使います。
◎入管収容中の方への物資差し入れ:約4万8,000円
……日用品など、施設内で必要とされる物資を届けるための費用です。
このほか、ミャンマー国内避難民やロヒンギャ難民への支援にも取り組んでいます。
本来であれば、命や尊厳を守るための支援は、公的な制度によって保障されるべきものです。
けれど、現実には、多くの人が制度の網の目からこぼれ落ちています。
制度が変わるのを待つ間にも、今日の夜を過ごす場所が必要な人がいます。明日を生きるための食事が必要な人がいます。孤立しないための電話代が必要な人がいます。
私たちは、その一つひとつを、市民の力で支え続けたいと考えています。
一人の大きな力ではなく、少しずつ持ち寄る支援を
今回の目標は、私たちのような小さな団体にとって、大きな挑戦です。
けれど、この活動は、少人数のメンバーの思いだけでは続けていくことができません。
家賃も、光熱水費も、食料も、電話代も、毎月必要になります。
これまで私たちは、目の前の人を放っておけないという思いで、できる限りの支援を続けてきました。しかし、支援を必要とする人がいる限り、活動を続けるための土台も必要です。
たとえば、5,000円のご寄付が積み重なることで、シェアハウスの家賃や光熱費、食料、日用品、収容中の方との電話代を支えることができます。
一人の大きな力ではなく、一人ひとりの無理のない支援を持ち寄ることで、この居場所を守り続けたい。
そして、「この問題に心を寄せている人がいる」ということ自体が、社会への大切なメッセージになると信じています。
「日本にこんな状況があるなんて知らなかった」
「誰もが命と尊厳を守られる社会であってほしい」
そんな思いを、寄付という形で託していただけないでしょうか。
誰もが命と尊厳を守られる社会へ
私たちの活動が目指しているのは、いつか、こうした支援が必要なくなる社会です。
帰れない事情がある人が、制度の狭間で孤立しない社会。
保護を求める人が、命と尊厳を守られながら暮らせる社会。
国籍や在留資格にかかわらず、一人の人間として扱われる社会。
その道のりは、まだ遠いかもしれません。
けれど、今日、安心して眠れる場所があること。外の世界とつながる手段があること。食べるものがあること。
その一つひとつが、誰かにとって「明日も生きていていい」と思える支えになります。
「ここには、人権がありません」
そう言わせてしまう社会を、このままにしたくありません。
帰れない事情がある人が、日本で生きる足場を失わないように。
NPHRの居所支援・生活支援を続けるために、どうか力を貸してください。
皆さまの温かいご支援を、心よりお願い申し上げます。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。
NPHR(アジア太平洋人権保護ネットワーク)
代表 杉山聖子、メンバー一同







