「どうせ自分なんか……」
学校の現場で、私たちはこの小さな、けれど重いつぶやきに何度も出会ってきました。自己肯定感が低く、人の失敗を責めたり、自分を他人と比べて卑下したり、無気力になってしまう──そんな子どもたちの姿に、私たちはずっと危機感を抱いてきました。
喫煙、飲酒、薬物乱用、危険な性行動、不規則な食生活……子どもたちの危険な行動は、それぞれが密接につながっています。一つがきっかけになって、別の行動を呼び込んでしまう。学校では防止教育が行われていますが、その多くは「ダメなものはダメ」と一方的に知識を伝えるだけで終わっているのが現状です。
危険な行動に走る子は、決して「悪い子」だからではありません。自分を大切にする方法をまだ知らず、人とうまく関わるすべを持たないまま、目の前の苦しさから逃れる「精一杯の手段」として、それを選んでしまうことがあるのです。
だからこそ私たちは、正しい知識と「生きる力(ライフスキル)」をあわせて伝え、子どもたちが自分の力で正しい行動を選べるよう支える指導者を、全国に増やす活動を続けています。
ところが今、この活動を3年間支えてくださった大きな資金源が転換点を迎え、講座の継続が危ぶまれています。参加費を大きく上げれば、全国から志を持って集まる先生や支援者、学生たちが学べなくなってしまう。
そこでお願いがあります。子どもたちが一生使える「生きる力(ライフスキル)」を身につけ、社会全体で支える仕組みを作っていきませんか。大人も子どもも「生まれてきてよかった」と思える社会を、私たちと一緒に育ててください。
ストーリー
「伝える」だけでは届かない、というもどかしさ

こんにちは。特定非営利活動法人 青少年健康力サポートラボ(JYHL)です。
私たちは、元文部科学省行政経験者をはじめ、大学研究者、公立小中学校管理職、教諭、養護教諭等、長く関連する教育現場で「健康教育」や「心の教育」を専門的立場で実践してきた仲間の集まりです。その仲間が「正しい知識」と「ライフスキル」のハイブリッド的思考で立ち上げたのが、このNPOです。
学校現場で私たちがずっと感じてきたのは、ひとつの「もどかしさ」でした。
お酒やタバコの怖さを、どれだけ授業で教えても、なぜ子どもたちの危うい行動はなくならないのだろうか。
厳しく「ダメだ」と伝えるほど、生きづらさを抱えた子どもたちは「どうせ自分なんか……」と、かえって自分を追い詰めてしまう。私たちは、そんな光景を何度も目にしてきました。
問題が起きてから対処する(二次予防・三次予防)だけでなく、そもそも子どもたちが自分を傷つける選択をしなくて済むよう、しなやかな心と「自分で選ぶ力」を育てる。この「一次予防」の視点こそが、私たちが大切にしているものです。
ライフスキル──毎日をたくましく生きるための力

私たちが伝えている「ライフスキル」とは、ひとことで言えば「自分を大切にし、人と上手に関わりながら、毎日をたくましく生きる力」です。具体的には、次のような力を指します。
- 自分の良さに気づく 自尊感情(セルフエスティーム)
- 自分の気持ちを適切に伝える コミュニケーション能力
- 自分で考えて選ぶ 意思決定能力
- ストレスや感情の波とつき合う ストレス対処能力
- 情報を批判的に読み解く メディアリテラシー
これらは特別な才能ではなく、練習すれば誰でも身につけられる力です。
たとえば、友だちから「お酒を飲もうよ」と誘われたとき。「怖いからダメ」と逃げるのではなく、「私は今は飲みたくない。でも、あなたと一緒にいるのは楽しいよ」と、相手を尊重しながら自分の意志を伝える。こうした小さな成功体験の積み重ねが、子どもたちの自信(自尊感情)を形づくっていきます。
ライフスキルを学んだ子どもたちは、少しずつ自分の足で歩き始めます。人の失敗を責めたり、他人と自分を比べて卑下したりすることが減り、お互いを尊重し合えるようになる。それは大人になって社会に出たとき、どんな困難にぶつかっても折れずに生きていくための、一生の財産になると私たちは信じています。
「ここでしか学べない」と言っていただける2日間

私たちは現在、「青少年アルコール関連問題」認定アドバイザー養成講座を年に2回(例年10月・11月)開催し、ライフスキルを実践できる指導者を全国に増やしています。お酒は、より危険な薬物乱用への「入り口(ゲートウェイ)」になりうるからこそ、最新の知見にもとづく学びが欠かせません。
この講座には、ふたつの大きな特徴があります。
ひとつは、贅沢な講師陣です。久里浜医療センター名誉院長をはじめ、薬学・教育の各分野で第一線に立つ大学教授など、普段なら単独で講演会を担うような専門家が、深く丁寧に話します。後援には文部科学省、厚生労働省をはじめ、久里浜医療センターやアルコール健康医学協会が名を連ね、日本薬剤師研修センターの認定(2日間で6単位)も受けています。
もうひとつは、現場の実践に根ざしたワークショップです。元教員・養護教諭などのメンバーが、実際に学校で子どもたちと行ってきた学びを体験していただきます。「セルフエスティーム」「ストレス対処」「メディアリテラシー」「意思決定」「コミュニケーション」といったテーマを、参加型の学習を通して"自分ごと"として持ち帰っていただく構成です。
「ダメ・危ない・禁止」を伝えるこれまでの防止教室とは、まったく違う。子どもたちが自分で行動を変え、自分を良い方向へ向けていける力を育てる──その視点が伝わるからこそ、受講者の満足度は毎回とても高く、昨年度はアンケートで満足度100%をいただきました。
参加してくださるのは、薬剤師、学校の先生や養護教諭、大学の教員、保健師、そして酒類メーカーをはじめとする企業の方など、実にさまざまです。立場を超えた異業種交流が生まれることも、この講座の魅力になっています。
なぜ今、あなたの力が必要なのか

これまで3年間、この養成講座の運営費は、とある企業さまの大きなご支援によって支えられてきました。けれど今、その支援の形が大きな転換点を迎え、来年度以降も同じように続けられるかどうかが、見通せない状況になっています。
それでも、講座を止めるわけにはいきません。「今年も開催してほしい」という全国の先生方や支援者の声があるからです。今年については、これまで蓄えてきた予備費などを充てて、なんとか開催する準備を進めています。けれど、このままでは活動の継続そのものが難しくなってしまう。だからこそ、皆さまにお力をお借りしたいのです。
「それなら参加費を上げれば」と思われるかもしれません。けれど、私たちはそれをしたくないのです。
なぜなら、沖縄から、東北から、旅費や宿泊費を工面して学びに来てくださる方がいるからです。そして、この講座の対象は、学んだことを子どもたちや学生に実際に届けてくれる人たちだからです(学生の参加費は無料にしています)。彼らの負担を増やすことは、未来への種まきを止めてしまうことと同じだと、私たちは考えています。
受講した方々からの声

養成講座を受けてくださった方からは、毎回たくさんの感想が届きます。
- 「2日間、実践的に学べて、やってみたからこそ授業に活かせることばかりでした」(養護教諭)
- 「ライフスキル、自尊心を意識して子どもたちと接していきたいと思います」(中学校教諭)
- 「保健師をしていると、自己肯定感が低く自己決定ができない親子が多いと感じます。今回のワークが、その方たちに役立つと感じました」(保健師)
- 「資格は取得して初めてスタート。ライフスキルによる一次予防が大切だと実感しました」(保健センター職員)
・ 「今後の地域での活動の進め方が大きく変わりそうな予感がします。がんばります。」(薬剤師)
受講した大人が変われば、その先にいる子どもたちが変わります。大人が子どもを信頼し、一人の人間として尊重する。そんな関わりを受けた子どもたちは、大人を信頼し、自分自身を大切にするようになります。私たちの講座は、その「幸せの連鎖」が始まる場所でありたいと願っています。
資金の使い道について

養成講座(2日間 × 2回)の運営には、おおよそ次の費用がかかります。
- 会場費:約25万円
- 講師謝金:約68万円
- 交通費・宿泊費(講師・スタッフ):約32万円
- テキスト・資料印刷費:約40万円
- 広報(チラシ印刷)・郵送費:約100万円
今回は、これらの内、50万円を目標に掲げます。
特定の誰かに頼るのではなく、「この活動を応援したい」と思ってくださる多くの仲間に、少しずつ支えていただきたい。一人の力は小さくても、多くの方が手を差し伸べてくださること自体が、私たちの勇気になります。
あなたと描きたい、これからの景色
「寄付をしても、直接子どもたちの顔が見えるわけではないから……」
そう思われるかもしれません。正直に言えば、私たち自身も、子どもの変化は長い目で見なければ見えにくいものだと感じています。
それでも私たちは、「社会の土台」を作っているのだと考えています。
ライフスキルを身につけた指導者が一人増えれば、その人が関わる子どもたちの未来が、少しずつ変わります。お酒や薬物の誘惑に迷ったとき、ふと立ち止まれる。苦しいとき、「助けて」と声を上げられる。そんな子どもたちが大人になり、また次の世代を育てていく。
この活動を支えてくださるあなたは、単なる寄付者ではなく、子どもたちが「生まれてきてよかった」と思える社会を一緒に耕すパートナーです。
最後に──私たちの決意

今回のクラウドファンディングへの挑戦は、不確かな将来を前にして踏み出した一歩です。子どもたちに「勇気を持って一歩踏み出そう」と伝えている私たち自身が、変化を恐れていてはいけない。仲間を信じて行動するこの挑戦そのものが、私たちにとっての「ライフスキルの実践」でもあります。
どうか、この一歩を、あなたの手で支えていただけないでしょうか。子どもたちが一生使える「生きる力」を、全国へ届けるために。そして、この社会が、すべての子どもにとって「生まれてきてよかった」と思える場所になるために。
あなたの温かいご支援を、心よりお願い申し上げます。
特定非営利活動法人 青少年健康力サポートラボ(JYHL) スタッフ一同

