「大学に行って、何を学ぼうかな。」
そんな風に将来を自分で選べることは、実はとても贅沢で、幸せなことなのかもしれません。
生まれた場所や背景によって、その当たり前の一歩がどうしても踏み出せない若者たちが、いま、この日本にもいます。
戦争や迫害によって故郷を離れて日本で生きる、難民の若者たち。
彼らの前には、言葉の壁や経済的な困窮、そして「自分はここにいていいのだろうか」という、言葉にできない孤独が立ちはだかっています。
けれど、そんな困難の中でも、彼らは「誰かの役に立ちたい」という静かな情熱を燃やしています。言語、経営、建築、法律、技術…それぞれの学びの先にある未来を見つめ、一歩ずつ進もうとしています。
私たちRHEP難民教育推進協会は、彼らが日本の大学で学び続けられるよう、日々の生活の相談や社会との接点づくりなど、一人ひとりに寄り添う「伴走」を続けてきました。
世界難民の日をきっかけに、彼らを「助けられる人」としてではなく、共にこの社会をつくる「仲間」として生きる一歩を、私たちと一緒に踏み出していただけませんか。
ストーリー
「日本で義肢装具の技術を学びたいんです。安価で質の高い義足を、いつか傷ついた母国の仲間の元へ届けたい。それが私の夢です」
ある学生が真っ直ぐな目で語ってくれた言葉が、今も私の心に残っています。
こんにちは。一般社団法人RHEP難民教育推進協会 事務局長の天沼耕平です。
私たちは、日本に逃れてきた難民の背景を持つ若者たちが、日本の大学や大学院で学び、社会の一員として羽ばたいていくための支援プログラム「UNHCR難民高等教育プログラム(RHEP)」を運営しています。

2006年に始まったこのプログラムは、現在15のパートナー大学の大きな協力を得ています。これまでに約130名の難民の若者が大学へ進学し、約80名が卒業して社会へと出ていきました。
今回のクラウドファンディングは、この教育支援の灯を絶やさず、さらに多くの若者へ機会を広げていくための、新しい挑戦です。
「難民」という言葉の向こう側にある、等身大の姿
「難民」という言葉を聞くと、どこか遠い国の、厳しい状況に置かれた人々をイメージされるかもしれません。

(イメージ)
もちろん、彼らが過酷な経験をしてきたことは事実です。しかし、実際に彼らと向き合って感じるのは、その言葉だけではこぼれ落ちてしまうほどの、ひたむきな「学ぶ意欲」です。
冒頭の、義肢装具を学ぶ彼は、日本語の難しい専門用語に頭を抱えながらも、それでも毎日机に向かっています。
彼だけではありません。
「日本の建築技術を学び、いつか地震に負けない国造りをしたい」
「法律を学んで、自分と同じように苦しむ人たちの力になりたい」
そう願う彼らにとって、大学での学びは単なる知識の習得ではありません。奪われた人生を取り戻して自分らしく生きるため、そして自分を支えてくれた社会や、今も苦しんでいる誰かの力になるため、「自分に何ができるか」を問い続けるプロセスなのです。
彼らは決して、一方的に「助けられるだけの存在」ではありません。
多様な文化背景を持ち、困難を乗り越えてきた強さを持つ彼らは、日本社会、そして世界を共に豊かにしてくれる、かけがえのないパートナーだと私は確信しています。
お金だけでは解決できない「孤独」に寄り添う
よく「学費さえ免除されれば、大学に行けるのではないか」という声をいただきます。
確かに、パートナー大学のご協力による学費免除は、彼らにとって大きな支えです。
しかし、学生たちの前には、お金だけでは解決できないハードルがいくつも立ちはだかっています。

複雑な入試制度、レポートの書き方、ゼミでのコミュニケーション、そして独特な就職活動。慣れない文化の中で、自分の境遇を周囲に話せず、「自分は独りぼっちだ」と感じてしまうことも少なくありません。
だからこそ、私たちRHEPは「伴走」を大切にしています。
定期的な会合で学生同士が繋がれる場を作り、専門家による心理的なサポートを行い、キャリア相談の機会を提供しています。

「ここに自分の居場所がある、応援してくれる人がいる」。
その実感が、彼らがペンを握り続ける、何よりの力になるのです。
私はなぜ、この活動を続けているのか
少しだけ、私自身の話をさせてください。
私はもともと、中高の社会科教師でした。教育こそが人の可能性を広げると信じて、毎日生徒たちと向き合っていました。
その後、国連UNHCR協会を経て、2019年からこのRHEPの担当になりました。そこで目の当たりにしたのは、「学びたい」という純粋な願いが、生まれた場所や境遇によって阻まれてしまう現実でした。
今の日本社会の中で、彼らが抱く希望が、無関心や偏見によって静かに摘み取られてしまう様子を見るたび、胸が締め付けられるような思いがします。
彼らが困難を乗り越えて立ち上がろうとしているなら、その一歩を阻むものを取り去りたい。彼らが「良き隣人」として当たり前に受け入れられる社会にしたい。
それが、教師として、そして一人の人間として、私がこの活動を続ける原動力です。
100万円で実現したい「100人以上の隣人」との出会い
今回のクラウドファンディングで目標とする100万円は、RHEP難民教育推進協会が、今後も安定して支援を続けていくための「運営基盤」を整えるために使わせていただきます。
具体的には、以下の活動を支えるための資金となります。
- 学生への伴走支援(定例会合・個別相談・心理ケアなど)の運営費
- 支援を必要とする若者へ情報を届けるための広報活動費
- 大学との連携強化、およびパートナー大学拡大のための調整費
2025年、私たちは新団体として新たな一歩を踏み出しています。これまで以上にきめ細やかに学生を支えていくためには、大きな寄付だけでなく、多くの市民の皆様に「少しずつ、長く」支えていただく仕組みが必要です。
100万円という数字は、単なる運営費ではありません。それは、彼らにとって「自分を応援してくれる人が、この日本にこんなにいるんだ」という、何よりの心の支えになります。

「世界難民の日」に、新しい物語を始めませんか
6月20日は「世界難民の日」です。
私たちは、この日を「かわいそうな人を助ける日」にはしたくありません。
難民の若者たちが持つ可能性を知り、彼らと共にどんな未来を作れるかを、温かく語り合う日にしたいのです。
彼らが大学で学び、エンジニアとして、建築家として、あるいは良き同僚としてあなたの隣に座る未来。
それは、私たちの社会がより多様で、しなやかで、平和な場所になる未来でもあります。

彼らの夢を支えることは、私たちの社会の明日を耕すこと。
ご支援も、彼らにとっては「一人じゃない」という心強いメッセージになります。どうか、彼らの「良き隣人」として、この挑戦の仲間になってください。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。
皆様と一緒に、新しい一歩を踏み出せることを心から願っています。
2026年の「世界難民の日」に寄せて
一般社団法人RHEP難民教育推進協会
事務局長 天沼耕平
応援メッセージをいただきました!





