動物を知ることは、世界をよく見て考えることにつながります。
たとえば、小さな生きものに目を向けること。
自分の目で見て、形や動きを確かめ、なぜそうなるのかを考えること。
その体験は、子どもたちにとって、科学を身近に感じる大切な入口になります。
日本動物学会は、動物学の研究と普及に取り組んできた学会です。
これまでにも、高校生による学会発表や、一般の方へ向けた研究展示などを通じて、幅広い方々に動物学の魅力を届けてきました。
一方で、子どもたちや若者が実際に研究を体験する機会は、環境によって差が生まれやすいのが現状です。
動物学に興味を持っていても、近くに相談できる先生や研究者がいるとは限りません。
実験や観察に必要な設備が、どの学校にも同じように整っているわけでもありません。
だからこそ私たちは、動物学に興味を持つ子どもたちが、自分の目で見て、考え、確かめる機会を提供したいと考えています。
そして、その機会を一度きりで終わらせず、学会として継続的に育てていきたいと考えています。
今回、私たちは、ミジンコを題材にした研究体験プログラムの実施に向けて、クラウドファンディングに挑戦します。
いただいたご寄付は、実験用試薬、学生アシスタントの謝金など、プログラム実施に必要な費用として活用します。
この一歩を、来年以降も続く取り組みに育てていくために、皆さまのご支援をお願いいたします。
ストーリー
研究に触れることで、「学ぶこと」の見え方が変わる
理科の授業で学ぶ言葉や知識は、子どもたちにとって、少し遠いものに感じられることがあります。
けれど、実際に生きものを観察し、自分の目の前で起きていることを確かめたとき、その知識が意味を持ち始めます。

「なぜ、こんな形をしているのだろう」
「なぜ、このように動くのだろう」
「体の中では、何が起きているのだろう」
そうした問いは、誰かに与えられるものではありません。
自分で見て、不思議に思った瞬間に、自分の中から生まれてくるものです。
研究を体験することの大切さは、そこにあると考えています。
正解を覚えるだけではなく、自分で問いを持ち、確かめてみること。
教科書の知識を、目の前の生命を理解するために使ってみること。
その経験は、研究者を目指す子どもだけのものではありません。
研究者にはならなくても、物事をよく見て、考え、確かめる姿勢は、これからを生きていくうえで大切な力になります。
動物学の研究に触れる時間が、子どもたちにとって、学ぶことの意味を少し変えるきっかけになるかもしれません。
研究を体験できる機会は、まだ限られています
日本動物学会の年次大会では、高校生が自分たちの研究成果を発表する機会を設けています。
自分たちで観察し、考え、調べたことを、研究者の前で発表する。
その姿からは、若い世代の探究心や、動物学への関心の広がりを感じます。

一方で、こうした研究を行える環境は、誰にでも同じようにあるわけではありません。
身近に相談できる先生がいるか。
実験や観察に取り組める設備があるか。
大学や研究者とのつながりがあるか。
そうした環境によって、子どもたちが研究に出会う機会には差が生まれます。

動物が好き。
もっと知りたい。
自分でも調べてみたい。
そんな気持ちを持っていても、どこに行けば研究の世界に触れられるのか分からない子どもたちもいるかもしれません。
だからこそ私たちは、動物学に興味を持つ児童・生徒が、研究に触れる入口を用意したいと考えています。
学会として、継続できる場をつくりたい
これまでも、大学や研究者が、児童・生徒向けの研究体験プログラムを実施してきた例はあります。
ただ、こうした取り組みの多くは、科研費などの研究費や、大学の予算に支えられています。

意義のある取り組みであっても、毎年同じように予算を確保できるとは限りません。
一度は開催できても、次の年も続けられるかは分からない。
そこに、研究体験プログラムを継続していく難しさがあります。
だからこそ、日本動物学会として取り組む意味があると考えています。
学会には、さまざまな動物やテーマを研究する研究者が集まっています。
例えば、今年はミジンコを題材に。
来年以降は、また別の動物やテーマへ。

一人の研究者や一つの研究室だけに頼るのではなく、学会に集う様々な研究者の専門性を生かしながら、児童・生徒が動物学に触れられる機会を少しずつ育てていく。日本動物学会の私たちだからこそ、そんな場を作ることができます。
今回のプログラムは、そのための第一歩です。
今回は、ミジンコを題材にした研究体験を行います
今回のプログラムでは、宇都宮⼤学の宮川⼀志先生にミジンコを使った実験を企画してもらいました。

⽣物の形はどのようにして決まるのでしょうか?
たとえ全く同じ遺伝⼦(DNA)を持っていても、⽣物の形は育った環境の影響を受けて、⼤きく変化します。
このプログラムでは、環境の違いで⼤きく形が変わる⽣物であるミジンコを題材とします。
そして、顕微鏡観察やDNA鑑定実験をすることで、⽣物の形づくりにおける遺伝⼦の働きを学びます。
また、環境に応じた変化が起こるときには、体の中で働く仕組み(遺伝⼦発現のスイッチ)があります。
この仕組みを、光る⼤腸菌をつくる遺伝⼦組換え実験で学びます。

これらの実験を通して、ゲノム編集や遺伝⼦組換えなど、現在の社会で使われている技術に対する理解を深める機会が生まれます。
そして、それらを駆使して⽣物のしくみを紐解く楽しさについても、伝えていきます。
ただし、私たちが目指しているのは、ミジンコだけを学ぶ場づくりではありません。
今回のプログラムを第一歩として、今後もさまざまな動物や研究テーマに触れられる機会へと広げていきたいと考えています。
ご寄付の使い道
今回の目標金額は、20万円です。
いただいたご寄付は、児童・生徒が動物学の研究を体験するためのプログラム運営費として、大切に活用します。
具体的には、以下のような費用に充てる予定です。
- 実験用試薬の購入
- 実験を支える大学生・大学院生アシスタントの謝金
- その他、プログラム実施に必要な準備費用
研究体験の場をつくるには、教材や試薬だけでなく、参加者一人ひとりを支える人手も必要です。
子どもたちが安心して実験に取り組み、自分の目で見て、考え、確かめる時間を持てるように。
そして、動物学の研究に触れる入口を、今年だけでなく来年以降にもつなげていけるように。
皆さまからのご支援を、プログラム実施のために活用させていただきます。
動物学を、社会に広めていくために
動物を知ることは、動物だけを知ることではありません。
人間との共通点を知ること。
違いを知ること。
生命の多様さに目を向けること。
それは、私たち自身や、私たちが生きる世界を見つめ直すことにもつながります。
日本動物学会は、研究者同士が学び合い、研究を深める場であると同時に、動物学の面白さや意義を、より広く社会に届けていく役割も担っています。
今回のクラウドファンディングは、そのための小さな、けれど大切な一歩です。
児童・生徒が、動物学の研究に触れる入口をつくる。
その入口を、一度きりで終わらせず、学会として継続的に育てていく。
この取り組みの先に、研究者を目指す子どもがいるかもしれません。
研究者にはならなくても、科学を身近に感じ、自分の目で見て考える力を育てていく子どもがいるかもしれません。
動物学の研究に触れる時間が、子どもたちにとって、世界を見る目を少し変えるきっかけになることを願っています。
日本動物学会の新しい挑戦を、どうか応援してください。


