「教育は、パンや水と同じように生きるために必要不可欠」
ガザから届いたこの言葉に触れたとき、私ははっとしました。
戦時下の支援と聞くと、まず思い浮かぶのは食料や水、医療の支援です。
けれど、ガザから届いたのは、極限状態だからこそ必要な「人間の尊厳」そして「希望」の話でした。
避難生活が長期化し、明日を見通すことが難しい日々の中で、学ぶことは単なる「知識の習得」ではありません。それは、自分たちが人間であることを守り、明日への希望をつなぎ止めるための、命の糧そのものでした。
2026年6月2日、NHK『国際報道2026』で、私たちが支援するガザ南部の「ワタン学校」に通う一人の少女の姿が紹介される予定です。
画面に映る破壊や悲しみの向こう側には、今日も朝を迎え、学校に行くことを楽しみにし、友だちと笑い合う子どもたちの「今日」があります。
私たちは、瓦礫の中でも懸命に1日1日を生きる子どもたちの希望を絶やさないために、改めて今回の支援キャンペーンを立ち上げました。
ガザのワタン学校で1人の子どもが1日、学校で学び、食事をとるために必要な金額は、約600円です。
大きな世界は変えられなくても、あの子の「明日、学校へ行く」という願いなら、私たちは一緒に守れるかもしれない。
そんな、確かな「仲間」になっていただけませんか。
ストーリー
こんにちは。Education 4 Gaza Japan代表の二口愛莉(ふたくち・あいり)です。
普段はフランス語の通訳や写真作家として活動しながら、ガザ・パレスチナの人々の声を日本に届ける活動をしています。
今、このページを開いてくださっている皆さまの中には、ニュースで流れるガザの惨状に心を痛め、「自分に何ができるだろう」と立ち止まっている方もいらっしゃるかもしれません。
私も、その一人でした。
けれど、避難生活を送りながら精一杯の力で子どもたちの居場所を守り続けるガザ現地の友人たちと繋がり、彼らの言葉に耳を傾ける中で、一つの想いに至りました。
それは、「日本にいる私たちにも、直接できることがある」ということです。
今回のプロジェクト「Education 4 Gaza / ガザに教育を」は、ガザ南部ハーン・ユーニス、マワシ地区にある「ワタン学校」の運営を支えるためのものです。
なぜ今、ガザで教育が必要なのか。現地から届いているメッセージとともに、お話しさせてください。

教育は、暗闇の中に灯る光
2026年6月2日、『国際報道2026』(NHK)で、ある少女の物語が放送される予定です。彼女は、私たちが支援を届けているワタン学校に通う生徒の一人です。
現地からは、この放送について、こんなメッセージも届いています。
「この番組が、ガザの子どもたちの声や苦しみ、そして希望を、誠実さと人間性をもって世界に伝えてくれることを心から願っています」

2023年10月以降、ガザに関する報道は「死者数」や「破壊の規模」といった数字で語られることが多くなりました。
しかし、数字の影に隠れて見えなくなってしまっているのは、私たちと同じように、毎日を懸命に生きている一人ひとりの「顔」です。
ワタン学校から届く写真を見て、はっとさせられることがあります。
そこには、おしゃれをして、髪をきれいに結い、カメラに向かってはにかむ可愛らしい女の子たちが写っていました。

「こんなに大変な状況なのに、どうして?」と思うかもしれません。
けれど、彼女たちは、どんな状況の中でも1日1日を懸命に生きる子どもたちの本当の姿でもあります。
どんなに過酷な環境であっても、子どもたちは学びたい、笑いたい、そして未来を描きたいと願っています。ワタン学校は、そんな子どもたちが、子どもとして過ごせる時間を取り戻す場所です。
2024年5月にガザ住民の方たちが立ち上げた教育プロジェクトで、多くの人々が避難するハーン・ユーニス、マワシ地区の避難キャンプ内に学校の敷地を確保し、テント教室を設置、現在4歳から14歳の約1500人が通っています。
算数やアラビア語、英語と科学といった基礎科目の授業だけでなく、戦争で傷ついた心を癒すための心理ケアやレクリエーションを行い、食事の提供も行なっています。
「教育はガザの子どもたちにとって命綱であり、イスラエルのジェノサイド戦争と破壊のなかでの抵抗と希望の象徴」というのがガザの方たちの強い思いです。
これまでも、サマーキャンプやトラウマケアのための絵の展示、世界に向けて「ガザのために絵を描こう(Draw for Gaza)」など、様々な工夫をしてガザの子どもたちの学びの場と心を守ってきました。
「Education 4 Gazaはまさに、子どもたちの命、尊厳、そして未来を守るための道」、ガザ住民の方達たちは、強い思いでワタン学校を運営しています。

通常の学校生活には、まだ戻れていない
2025年10月10日に停戦が発表されたにもかかわらず、ガザ現地の状況は大きく改善していません。占領軍は引き続き民間人を標的とし住宅や民間インフラの破壊を続け、ハーン・ユーニスのマワシ地区では政府学校やUNRWAの学校はいまだ再開されていません。通常の教育環境を取り戻すには程遠い状況です。
多くの学校は破壊されてしまい、残った学校は避難してきた家族のシェルターとして使われています。その空白を埋めるように、破壊された学校の跡地や避難民キャンプの中で、いくつもの教育活動や学習拠点が市民の手によって立ち上げられてきました。

ワタン学校も、そうした中で子どもたちの学びを守っている場所のひとつです。
ワタン学校は週6日開かれていて、子どもたちは2つのグループに分かれ、それぞれ週3日ずつ通っています。十分な場所がないため、1日を3つの時間帯に分けるなど、工夫を重ねて授業を行っています。
攻撃や避難、資金不足の影響で登校日数を減らしたり、時間割を調整せざるを得ないこともあります。「学校に通う」という子どもたちにとって当たり前の権利が、今のガザでは守られていないのが現状です。

「教育は、パンと水と同じく必要不可欠」という切実な想い
私がEducation 4 Gazaに深く関わるようになったのは、ガザのドキュメンタリー映画『ガザ=ストロフ −パレスチナの吟−』の上映活動がきっかけでした。
ガザで何が起きてきたか知ること、それと並行して、今のガザが必要としていることに対して何かできないか。そう考えているときに、Education 4 Gaza支援の呼びかけが、ガザの友人らから届きました。
映画の出演者であり、ガザで自身も避難生活を送りながらワタン学校の運営を支えるアブデルハリム・アブサムラさんらから届いた、Education 4 Gazaのスローガンが深く胸にささりました。
「ガザの人々にとって、教育はパンと水と同じように、生きるために必要不可欠です」

戦時下において、教育は「余裕がある時にやるもの」だと思われがちです。しかし、未来が見えない状況だからこそ、教育こそが最大の生存戦略になります。「教育は抵抗する唯一の手段、平和を築き、未来を築くための唯一の手段。教育は私たちパレスチナ人の核となるものです」というメッセージを聞いた時、私自身、大きな気づきがありました。
「今まで以上に、夢を実現するために知識が必要です」「未来を築く勉強のために力をかしてください」「戦争、破壊、飢餓。すごく大変だけど、私たちは勉強し夢を叶え、生きる」。子どもたちの力強い想いが届いています。
戦争状態、長期化する避難生活の中で、集中力や学ぶ力、成長に深刻な影響が及んでしまっていますが、それでも彼らは、学校に戻りたい、勉強を続けたいという強い思いを決して失っていないといいます。
また、アブデルハリムさんは、支援を届けやり取りを重ねる中で私にこうメッセージをくれました。
「日本からの連帯は、私たちが孤立しているのではないことを思い出させてくれます。祈りも、寄付も、メッセージも、そのひとつひとつが私たちに届き、勇気を与えてくれるのです」

彼との出会いを通じて、ガザは私にとって「遠い地域の人道危機」ではなく、「大切な友人がいる場所」へと変わりました。誰か一人を介せば、世界は地続きでつながっているのだと、今、実感しています。

(アブデルハリムさんと生徒さんたち)
支援を続けることの難しさと、今、必要なこと
私たちは、2025年にEducation 4 Gaza支援キャンペーンのクラウドファンディングを2回実施しました。
おかげさまで、総額5,103,000円ものご支援をいただきました。

支援金は、教師やカウンセラーなどの人件費、テントや机・カーペットなどの資材、教材、光熱費・インターネットなどの運営費、食事提供など、現地で必要な人的・物的資源に充てられています。
クラウドファンディングを通じて、こんなにも社会はあたたかく、多くの方がガザに心を寄せていることを実感し、本当に感動したのを覚えています。改めて、皆さまのご協力に感謝を申し上げます。

しかし、正直に申し上げます。
現在は昨年と比べて、寄付が集まりづらくなっている現実があります。
「支援疲れ」という言葉を耳にすることもあります。あるいは、他にも多くの困難があり、関心が分散してしまっているのかもしれません。けれど、ガザの人々をめぐる状況は今も大きな改善が見られずにいます。今後も市民による子どもたちの学びの場の運営が必要とされています。
ワタン学校の安定した運営は、子どもたちとガザ住民の方たちの強い願いです。
現在まで、運営費の大部分を支えてきたのはEducation 4 Gazaの呼びかけによって集まった日本とフランスからの支援金が中心ですが、今後も子どもたちの学びの場を守り、心のケアの場を守るためには、安定した継続的な支援が欠かせません。

もし、今回の目標金額である120万円が集まれば、のべ2,000人分の子どもたちの「学校で過ごす1日」を支えることができます。
1日約600円。
その金額で、ガザの一人の子どもが1日学校で学び、お腹を満たす食事を食べ、安心できる時間を過ごすことができます。

大きな世界は変えられなくても、あの子の「明日」なら
「Education 4 Gaza/ガザに教育を」支援キャンペーンを通じて、私が皆さまと共有したいのは「支援」という言葉だけではありません。それは、「一人の市民として、誰かを想うこと」です。
国家間の政治では解決できないことがたくさんあります。けれど、海の向こうにいる誰かを想い、行動を起こす。その積み重ねが、冷え切った世界に確かな体温を灯すと信じています。
今回の支援は、一方的な「施し」ではありません。
Education 4 Gazaに関わり、ガザで生きる子どもたちの姿、大人たちの姿を目にし、彼らの強さや優しさに触れることで、私自身もまた「人として本当に大切なものは何か」を問い直す機会をもらっているのだと感じます。
正直に言えば、私たちがここで寄付を集めても、ガザの悲惨な状況を今すぐ止めることはできないかもしれません。
けれど、日本からの支援という想いが届くとき、ガザの子どもたちは「希望」を受け取ったと言ってくれます。「世界には、私たちのことを思い、私たちの未来を考えてくれる友人がいる、私たちはこの世界で決してひとりではないと感じられる」と言ってくれています。
Education 4 Gazaは、すべてが破壊された中で、それでもより良い未来を夢見ている子どもたちにとって、希望の光です。(アブデルハリムさんより)
ガザの子どもたちの「今と未来」を守るための希望の光を灯す、ささやかな「仲間」になっていただけませんか。

あなたの力が、子どもたちの「今日と未来」を支える希望になります
今回の目標金額は、まずはファーストゴールとして120万円を掲げました。
集まった資金のすべて(手数料を除く)は、ガザのワタン学校の運営に充てられます。
寄付という形での参加はもちろん、このページを誰かに共有してくださること、SNSで広めてくださること、あるいはNHKの放送を見てガザの子どもたちに想いを馳せてくださること。そのすべてが、彼らの学びを支える力になります。

「自分一人が何かをしたところで、何も変わらない」
もしそう思われたなら、どうか思い出してください。
あなたの1回のアクションは、たしかに、ガザで生きる子どもたちの今日を守り、明日を灯す希望になります。
報道に映る一人の少女の姿の向こう側に、毎日続くテントの学校があります。
明日も子どもたちが、学校で先生や友だちと一緒に安心して学べるように。未来を描き続けられるように。
日本から、温かい手を差し伸べていただけませんか。
ガザの子どもたちが世界中のすべての子どもたちと同じように、平和と尊厳の中で暮らせますように。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。
Education 4 Gaza Japan 代表 二口愛莉

【活動プロフィール】
ガザのドキュメンタリー映画『ガザ=ストロフ −パレスチナの吟−』の字幕を制作、2024年より配給団体Shkranとして全国で上映活動を行う。2025年には「Education 4 Gaza」支援キャンペーンのクラウドファウンディングを実施、継続的な支援のため「Education 4 Gaza Japan」を開設する。
『ガザ=ストロフ −パレスチナの吟−』: https://lime010328.studio.site/
インスタグラム : gazavisages_japon https://www.instagram.com/gazavisages_japon
X : @Gaza_strophe https://x.com/Gaza_strophe
Education 4 Gaza活動報告 : https://for-good.net/project/1002353
メディア掲載 : 朝日新聞 2025/9/29 https://digital.asahi.com/articles/AST9X3390T9XOXIE035M.html

● 国際報道2026 放送予定
BS : 6月2日(火) 午後10:00
地上波 : 6月3日(水) 午前4:15
NHK ONE (オンライン視聴) : 地上波放送後1週間
https://www.web.nhk/tv/an/kokusaihoudou/pl/series-tep-8M689W8RVX/ep/6JM6RPL1NV
※放送日は緊急報道などにより変更になる場合があります







