ストーリー
soarは、2025年12月22日にメディアオープンから10周年を迎えました!
2015年12月、「人の可能性が広がる瞬間を捉えるメディアをつくりたい」という思いから始まったsoarは、これまで多様な人々のストーリーや人がウェルビーイングに生きるためのサポートをする活動、その中に息づく生きる知恵をお届けしてきました。
10年という時間を歩んでこられたのは、記事を読んでくださる方、取材を受けてくださった方、イベント等に登壇してくださった方、共にプロジェクトをつくってくださったパートナーの皆さん、寄付で支えてくださるサポーターのみなさん、そして活動に関わってくださったメンバーや関係者のみなさんのおかげです。
一つひとつの出会いがsoarの歩みをつくり、その積み重ねが今日につながっています。本当にありがとうございます!
※soarの10歳の誕生日の節目に、「バースデードネーション」を実施します!
これからも、soarを通して多くの方の力になる知恵や学びを届け続けていけるよう、ぜひご寄付で応援いただけると嬉しいです。金額はお好きな額を選んで、気軽にご参加いただけます。
10年間の感謝とともに、これからの10年もどうぞよろしくお願いいたします。
生きる知恵の循環を

soarが生まれた2015年。 私たちが最初に見つめていたのは、「人は本来、誰もが内側に高いエネルギーと可能性をもっている」という確かな実感でした。
けれど現実には、障害や病気、貧困、孤立、偏見など、さまざまな理由によって、その可能性にふたをされてしまうことがあります。
だからこそ、そのふたを開けようとする人たち、つまりデザイン、ビジネス、アート、テクノロジーなど、多様な手法で新しい関係性をつくり出す人たちに光を当てたいと思いました。
soarは、困難とともに生きる人々のストーリーや、それを支える活動に耳を澄ませ、丁寧に届けるメディアとして歩み始めました。
そして、「情報のセーフティネット」として、その人が自分らしく生きていくための支えになりたい。同じ願いをもつ人が安心して集い、ともに学び合える場をつくりたい。それを目指して活動してきました。
10周年を迎え、私たちは改めてsoarの歩みを振り返り、これまで出会ってきた約500人の語りの中に、「“生きる知恵”が確かに存在している」ということを感じています。
困難のなかで見つけた工夫、人が前に進もうとするときの選択や決断、誰かの言葉や行動に支えられた経験、そこから見出した自分の生き方。そうした知恵は、特別な誰かだけのものではなく、誰かの人生に寄り添う力をもっています。
「知恵はひとりの中に閉じておくのではなく、誰かへ手渡され、また次の誰かへ広がっていくことで、生きる力として循環していくのではないか。
この気づきから、活動の軸を「生きる知恵の循環」 へと再整理しました。
ウェブメディア「soar」の歩んできた10年
soarでは10年の活動を通して、これまで約550記事を公開。約1380万人の読者の方に記事を読んでいただきました。
これまでのメディア活動を通して、病気や障害、ジェンダー・LGBTQ、女性、高齢者、子ども・若者、社会的養育・家族、子育て、社会的孤立・貧困、メンタルヘルス、ケアワーカー、グリーフケア、当事者の家族のケア、居場所・コミュニティ、自己理解・ウェルビーイング、対話、セルフファシリテーションなど、さまざまなテーマを取材し発信してきました。
特に反響や感想が多かった記事を紹介いたします。

肌や髪が白いのも個性として楽しみたい。生まれつき色素が少ないアルビノ当事者の会を主宰する薮本舞さん
まずはじめに紹介するのは、2017年に公開した、生まれつき色素がとても少ない『アルビノ(白皮症)』という症状がある薮本舞さんの記事。
公開当時は今よりも一層アルビノに関する情報が少ない中で、薮本さんのご経験や、アルビノ当事者とご家族の交流の場を作る活動について伺ったこちらの記事には、Googleなどの検索エンジンを通して多くのアクセスが集まりました。
「アルビノ」「アルビノ 日本人」「アルビノとは」「色素が薄い人」といったキーワードで検索をして、記事を見つけてくださった方が多くいます。記事を読んだ方からは「アルビノのことを初めて知った」「個性を大切に生きれる社会になってほしい」といった感想が寄せられました。

「変わってほしい」相手への期待を手放すことが、関係性をよくする第一歩。家族やパートナーとのコミュニケーションを考える
次に紹介するのは、ファミリー心理カウンセラー・プリマリタル(結婚準備)カウンセラーのよしおかゆうみさんに、家族やパートナーとのコミュニケーションについて伺った2020年公開の記事。近しい存在である家族と、どうコミュニケーションや対話を重ねていけばいいのか?そもそも家族の関係性はどういうものか?そんな問いを携えて取材を行いました。
こちらの記事は公開後数ヶ月経ってからもアクセスが増加しており、Googleなどの検索エンジンに「期待を手放す」「相手に変わってほしい 恋愛」「家族に期待しない方法」といった、悩んでいる内容や願いを直接打ち込んで、記事に辿り着いた方が多くいらっしゃいました。
読者からは「家族間の話し合いの仕方の参考にした」「これから何度も読み返したい」といった、記事の内容を実生活に生かしていただけたのだろうと思えるような感想もいただきました。

「誰かとご飯を食べるの苦手だな」と思ったことありませんか?会食恐怖症を克服した山口健太さんが伝えたいこと
次に紹介するのは、2018年に公開した「会食恐怖症」の当事者経験があり、一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会 代表を務める山口健太さんの記事。会食恐怖症という症状が広く知られていない中、記事を読んでたくさんの方が「初めて知った」と声を挙げてくださったほか、「自分も会食恐怖症の症状があると気づいて病院に行くことができた」といったメッセージも寄せられました。

自分や他者を「信じる」とはなにか。“当てにならない自分”を受け入れ、他者とともに生きる方法を考える/松本紹圭さん・モリジュンヤ対談
最後に紹介するのは、2022年に公開した、光明寺の僧侶である松本紹圭さんと、soar副理事のモリジュンヤの対談記事。自分や他者を「信じる」ことについてをテーマにしたこちらの記事は、公開当初は自分なりの「信じる」のとらえ方や、自身の日常生活に当てはめて「信じる」ことについて考えたというエピソードなど、さまざまな感想をいただきました。
その後、1年程経過してからGoogleなどを通して「信じるとは」「人を信じる」といったキーワードで検索して記事を読んでくださる方が増加。多くの人が日常的に使用する「信じる」ということばを改めて考えるにあたって、soarの記事を役立ててくださっていればと願っています。

soarの記事は公開当初はSNSやニュースレターなどを通して記事を届けていますが、その後は先述したようにGoogleなどの検索エンジンからも多くのアクセスをしていただいています。
「アルビノ」「境界知能とは」「赤面症 治し方」といった特定の病名や症状にまつわるキーワードや、「手を洗いすぎる」「感情が高ぶると涙が出る 病気」「人前でご飯食べれない」といった悩みや困難を入力して、多くの方が検索してくださっているようです。

2019年にはクラウドファンディングをし、困ったときに誰もがサポートにつながることができる「情報のセーフティネット」に生まれ変わるための、サイトリニューアルを実施。障害のある方にもない方にも使いやすいウェブサイトを目指し、サイトのデザイン構築をしたり、ウェブアクセシビリティへの配慮をしたりしました。
https://camp-fire.jp/projects/132015/view
「人の持つ可能性が広がる瞬間を捉え、伝えていくメディア」というコンセプトを掲げて運営をしてきたsoar。現在私たちは、人は誰もがよりよく生きるための「知恵」を持っていて、それは誰かの学びとなり、個人をエンパワーメントするものだと考えています。
こうした「生きる知恵」を人々が共有しあい深め、実践していく循環をつくっていくために、これからもsoarでは知恵を「知る」ためのメディアでの発信を続けていきます。
知恵を共有し、対話する学びの場づくり

soarは、設立当初よりメディア運営だけでなく、読者の皆さんと、さまざまな領域で活動するゲストのお話を聞き、共に学びを深めていくためのイベントやカンファレンスの場を大切に運営してきました。
これまでに開催してきたイベントには、累計で約1,600名 の方々にご参加いただいています。

また、2023年よりsoarが活動全体を通して「生きる知恵の共有」を目指す中で、一人ひとりの学びや語りを共有し、考えを深めていく機会を「soar campus」と位置づけ、企画運営を行っています。
この3年間で連続講座を16回開催し、累計で約620名の方々にご参加いただいています。
これまで、セルフファシリテーション、セルフリフレクション、ライフストーリーのインタビュー、社会課題の構造理解、対話とケア、ウェルビーイングなど、多様なテーマで講座を開催してきました。

参加者からは、「途方に暮れる感覚が減り、自分にもできることがあると思えた」「多様なコミュニケーションの手法を学べて豊かな時間だった」などの声が寄せられています。
グループワークで場が広がっていく心地よさや、自分と静かに向き合う時間、丁寧な場づくり、ゲストの語りの魅力にも多くの反響がありました。
講座には、ここで得た学びを自身の仕事や活動にも活かし、周囲の人のウェルビーイングにも貢献したいと考える方々が多く参加してくださいました。対話を重ねるなかで、参加者同士が経験や考えを交換し、同じ思いや関心を持つ仲間との出会いも生まれていたように思います。
これからもsoar Campusは、一人ひとりの願いを出発点に、その人がその人らしく生きることに寄り添い、“生きる知恵”を分かち合いながら、社会がより良い方向へと変わっていく学びの場を育てていきたいと考えています。

講座では、参加者が安心して学べるよう、2つの取り組みを行っています。
① 学びの場のグランドルールの設定
安心して「話す・聴く」ためのルールをつくり、毎回の講座冒頭で共有しています。参加者のみなさんからは「安心して話せた」「相手の話を落ち着いて聴けた」という声をいただいています。
② アクセシビリティへの配慮
字幕機能、スライドの読み上げ、資料の事前共有、チャットでの参加など、視覚・聴覚・コミュニケーション面でサポートが必要な方に応じた対応を行っています。
今後も、参加者の声を聞きながら、誰もが安心して学べる場づくりを続けていきます。
soarでは、誰もが現在の環境や収入に関わらず学びにアクセスできるようにしたいと思っています。そのため、参加費をなるべく抑えたり、講座によっては奨学枠を設けるなど、多様な人が参加しやすい仕組みを整えてきました。
本来であれば、運営体制の充実にも力を注ぎたいところですが、それ以上に「学びを開かれたものにしたい」という思いを優先しています。経済的な理由で学ぶ機会を諦めてほしくないのが、soarの願いです。
こうした取り組みを続けるためには、一定の資金が必要であり、ご寄付を通したみなさんからの応援によって、あらゆる人が安心して学べる場をさらに広げていきたいと思っております。
安全に関わることができる組織づくりを
2021年12月からは、組織として大切にしたい考えを共有するために、行動指針(Code of Conduct、以下CoC)や、事業運営に関わる各種ポリシーを整えてきました。誰もが安心して関われる環境づくりに取り組みながら、私たちのビジョンの実現に向けて、記事制作をはじめとした日々の活動に向き合ってきました。
CoCや各種ポリシーについては、スタッフだけでなく、取材対象者やイベント登壇者など、soarの活動に関わる方々にも必要に応じて説明の機会を設け、内容に同意いただき、安心して参加していただけるよう努めています。
また、スタッフ以外にもさまざまな形でsoarに関わる方々を対象に、毎年ポリシー運用に関するアンケートを実施しています。
「判断に迷うときにポリシーを確認することで助けられている」
「相談窓口や相談時のフローがウェブで公開されている点に安心感がある」
といった声もいただき、改善の参考にしてきました。
これからも、自分と他者の人権を大切にしながら、自分たちの行動が環境や社会へどのような影響を与えるかを意識していきたいと思います。そして、関わる人たちから寄せられる意見を運営に生かし、よりよい組織づくりに努めてまいります。
soarが考える“生きる知恵”の輪郭
これまでの活動のなかで、「生きる知恵」には、どう在るか(Being) を土台に、 どう行動するか(Doing) のかが積み重なるものだと捉えるようになりました。
自分自身や環境の変化、行動から得られるフィードバックなどを通じて、Beingは変化し、Beingが変われば自ずとDoingも変化します。生きる知恵は、絶えずよい状態を目指して、進化(変化・更新)していくものであり、そのために学び続けることが重要だと私たちは考えています。
よりよく生きるための試行錯誤は、まず自分から始まりますが、自分に影響する周囲への向き合い方へとつながっています。その範囲は 自分 → 他者 → 集団 → 社会 へと広がっていき、根底でつながっている大切な事柄はありながらも、それぞれの段階で必要な知恵は異なります。
私たちは、メディア活動や学びの場をつくり続けながら、その違いや特徴を丁寧に見つめることで、ようやく 「どんな知恵を、どんな形で届ければ、力になるのか」が見えてくるようになりました。
NPO法人soarは、10年目となる今年も、ライブラリーとしてのメディア運営や、キャンパスとしての学びの場づくりを続けながら、これからもさまざまな挑戦をしていきたいと考えています。
その一つが、人のライフストーリーや生き方を「語ること・聴くこと・記録すること」という豊かなプロセスを、私たちだけのものにせず、関心を寄せてくださる方々とともに “みんなで記録する” 取り組みへと開いていくことです。
こうした思いと重なるようにして出会ったのが、市民一人ひとりが自身の暮らしや経験、そこで生まれた感情や出来事を記録し、未来へつなぐ「コミュニティアーカイブ」という考え方でした。soarがこれまでライフストーリーを紡いできたのは、自分たちなりのコミュニティアーカイブの実践を進めるためだったのだと考えるようになりました。
この社会には様々な生きる知恵が溢れています。ですが、私たちが主体となって活動するだけでは、残していける知恵にどうしても限りがあります。
2026年からは、 “語りをともにつくり、ともに残す” プロジェクトとして、soarらしく “ひとりの生き方に光を当てる” コミュニティアーカイブを育てていきたい。人の話を「聴き」、その言葉を「書き」、未来へ「記録する」プロセスを、みなさんと一緒に紡いでいけたらと思っています。
また、文章や写真だけでなく、音声などのさまざまなアプローチによって、その人の語りや生き方をより立体的に感じてもらえる形も探求していきます。その第一歩として、ポッドキャストを始めたいと考えています。
これまで届けてきたライフストーリーや生きる知恵、さまざまなコミュニケーションの手法などを、より “体感” とともに届けられたら嬉しいです。そしてこれらもまた、未来に残していく大切な記録として育てていければと思っています。
誰もが自分の可能性を活かして生きる未来をつくる
日頃からsoarを読んでくださり、活動を支えてくださっている皆さんに、心から深く感謝いたします。記事を読んで感じたことや、講座に参加してくださった際の言葉、日々寄せられる応援のメッセージが、私たちが活動を続ける大きな力になっています。本当にありがとうございます。
そして、これからのsoarを、ぜひご一緒に育てていただけたら嬉しく思います。メディアの運営や講座の継続には、どうしても皆さんのサポートが必要です。寄付や講座への参加という形で、soarに関わっていただけたら、とても心強いです。
私たちが願っているのは、知恵を分かち合いながら、誰もがより自分らしく、よりよく生きられる社会です。
誰もが自分の可能性を活かして生きる未来をつくる——それがsoarの変わらないビジョンです。
soarは設立当初からこの思いを掲げ、時代の変化や人々のあり方に寄り添いながら、“生きる知恵”をより多くの方へ届ける取り組みを続けてきました。これからも工夫を重ね、届け方を進化させながら歩んでいきたいと考えています。
一人ひとりの経験や思いが、誰かの支えとなり、社会を少しずつ変えていく。そんな未来を、これからもみなさんとともに育てていけたら嬉しく思います。
バースデードネーションとしてご寄付をお願いします
私たちはこれまで、応援してくださる皆さんからのご寄付に支えられながら、ウェブメディアを運営してきました。soarが10歳の誕生日を迎えるこの節目に、「バースデードネーション」を実施します。10年間の歩みや成果は、特設ページにまとめていますので、ぜひご覧いただけたら嬉しいです。
現在、soarは月々のご寄付と講座の参加費によって活動を続けていますが、決して財政的に余裕がある状態とは言えません。それでも私たちは、丁寧な取材と可読性の高い記事づくりを大切にし、誰でも無料で読める場をこれからも守り続けたいと考えています。
また、soar campusの講座も、本来の運営コストを考えれば全4〜5回で3〜4万円ほど必要になりますが、できるだけ多くの方が参加できるよう、受講料を1〜2万円に抑えて提供してきました。
こうした取り組みを続けられているのは、寄付で応援してくださる皆さんのおかげです。本当にありがとうございます。
今後も活動を続け、より多くの方に記事や学びの場を届けていくために、ぜひご寄付をお願いしたいです。
いただいたご寄付は
- ウェブメディアにおいて丁寧に取材し、今後も豊かな記事を届けていくこと
- 多くの方が参加しやすいかたちで学びの場をつくっていくこと
に大切に使わせていただきます。
soarが次の10年も、多くの方の力になる知恵や学びを届けていけるよう、ぜひバースデードネーションで応援していただけたら嬉しいです。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
寄付で応援!
期間中の12月3日(火)から12月25日(水)までの間、こちらのキャンペーンページから、ご希望額のご寄付をお願いいたします。
銀行振り込みをご希望の方は、以下の口座にお願いいたします。その際、団体より御礼をお伝えしたいため、こちらのフォームにお名前や連絡先等のご記入にご協力をお願いいたします。
銀行:楽天銀行 第一営業支店(251)口座:(普通)7628398
名義:特定非営利活動法人 soar
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