【志】挑戦できる町を、自分達の手でつくる

私はずっと、「高校生が挑戦できる町をつくりたい」と考えてきました。

理由は単純です。尾道商業高校には、実践の場が足りない。

起業を学ぶために入学しても、学びの多くは座学にとどまり、

地域と関わる機会は限られている。

「挑戦したいのに、挑戦できない」

そんな高校生活を過ごしてきました。

だから決めました。

環境がないなら、自分が最初の一人として”実践できる場”をつくる。

この決意が、すべての始まりでした。

【師】 教室の外へ連れ出してくれた存在

起業を目指していた私は、学びの限界に直面していました。

正直、高校生のうちに実践型のビジネスはできないと思ってました。

しかし、高校２年生の時、私は奇跡的な出会いをしました。

地域と高校生をつなぐ先生の存在です。

その先生は私を教室の外へ連れ出し、

地域の大人、現場、社会との”つながり”を作ってくれました。

高校生でも挑戦できる世界がある

そう実感した最初の瞬間でした。

これが、尾道商業で起きた最初の奇跡です。

【価】価値のために動く大人たち

先生の紹介で訪れたユースセンターズオノミチ。

そこで私は、衝撃を受けました。

お金のためではなく、誰かの課題を解決するために動く大人たちと出会ったことです。

価値や幸せを生み出すために挑戦する生き方があることを知り、

私の価値観は大きく揺さぶられました。

挑戦とは、利益もそうだが”価値をつくる行為”だと私は感じました。

これが二つ目の奇跡です。

【海】港と船が示した可能性

さらに、港の存在と海の力を教えてくれたのも、

地域の大人たちでした。

「吉和には港がある。ここには高校生が挑戦できる場所がある」

その言葉で、私は地元の可能性に気づきました。

港から船で町に入り、人と出会う。

この導線こそが、挑戦の入口になり得る。

これが三つ目の奇跡でした。

【場】偶然を必然に変える仕組み

三つの奇跡は、いずれも”偶然”の出会いから生まれました。

だが、私はそれを”偶然”で終わらせたくありません。

だから挑戦を当たり前にするための仕組みが必要だとおもいました。

誰もが一歩目を踏み出せる「場」をつくる。

その答えとして、私は宿を選びました。

【宿】海・学校・地域を一本でつなぐ

吉和には、港→船→空き家（宿）という一本の導線があると感じてます。

この空き家を改修し、高校生・地域の大人・観光客が交わる拠点をつくる。

人が集まり、語り、アイデアが生まれ、挑戦が始まる場所。

ゲストハウス「つなぐ」は、

完成された答えではなく、”挑戦の途中が見える”

そんな宿（場）です。

【輪】すでに動き出した人々

ありがたいことに、多くの地域の方々がこの挑戦に賛同してくれてます。

地元議員、建設会社、遊漁船の運営者、

漁師、地域のおじいちゃん・おばあちゃん。

皆がこんなことを言ってくださいます。

「この挑戦を応援したい」「若者が定住できる町でありたい」

挑戦は、すでに個人の枠を超え、輪になり始めています。

【学】学校教育としての実装

尾道商業高校の先生方も、この取り組みに賛同してくれてます。

そして本プロジェクトは、来年度の授業として正式に導入します。

学校、地域、海、宿がつながり、

挑戦が日常として生まれる環境が整いつつあります。

【循】 課題を同時に前へ進める

高校生の挑戦が空き家を活用し、

若者の流入を生み、地域を活性化し、次の挑戦者を育てる。

この循環が回れば、

少子高齢化、空き家、実践的学びの不足といった課題は、

同時に前へ進むと感じてます。

【連】 挑戦が連鎖する町へ

港に船がつき、人が宿へ運ばれ、宿で出会いが生まれ、挑戦が育つ。

その挑戦が次の高校生の背中を押すはずです。

私は、挑戦が挑戦を呼ぶ町をつくりたい。

三つの奇跡を、次の世代の当たり前にするためにこのプロジェクトは生まれました。