育て上げネット

すべての若者が社会的所属を獲得し、「働く」と「働き続ける」を実現できる社会をめざし、若者と社会をつなぐサポートを行っています。若者当事者や保護者を支援するだけでなく、支援現場を可視化・体系化し支援者を育成すること、地域社会・行政・企業など若者を支援する担い手を増やすことなど、多岐にわたる活動に取り組んでいます。

平均11か月。
いま、少年院に収容される少年の数が少しずつ増えています。育て上げネットが連携する少年院の法務教官のお話を伺っても、毎日のように新たな少年が塀の中に入ってくるそうです。

育て上げネットでは、少年院の中で少年とかかわり、出院した後にも食糧支援や学習・就労などの支援をしています。しかし、塀の中でかかわる時間は非常に限られており、いつか少年院の扉を開けて、地域社会に戻ってくるにあたって、少年たちは「やり直したい」気持ちと、誰も応援してくれないかもしれないという不安感を抱えています。

少年院での日々は経験した当事者にしかわかりませんが、実際には「出院が近づくにつれて孤独と不安が高まる」ということです。そのため、塀の外にいる私たちが、その孤独感や不安感を少しでも和らげ、更生自立への一歩を安心して踏み出せるためにやれることはないかと考えていました。

そんな活動のなかで、当事者でもあり支援者でもある髙坂朝人さんより、少年たちの再犯防止と更生自立を応援する取り組みとして、「俺たちの日めくりカレンダー」について伺いました。そのプロジェクトは髙坂さんが代表の再非行防止サポートセンター愛知の皆さんの経験や想い、たくさんの理解者に囲まれたプロジェクトでした。

少年たちは、出院が近づいてくると、社会に戻ることをリアルに考えて不安を感じやすくなります。特に、夜の時間帯がその不安が大きくなります。
それはなぜか。
少年院は21時消灯／7時起床というスケジュールで動いています。消灯時間にすぐ眠りにつければいいですが、10代ということもあり、いろいろ考えてしまって寝れない夜も多くあります。
外の世界であれば、眠れない夜は家族と話したり、友達や恋人と電話やメールをして時間を過ごすこともできますが、少年院では消灯後は周りにいる少年や教官とも会話することはもちろん禁止であり、スマホやPCも使えません。そのため、長い夜にひとりで考えてこんでしまい、不安になってしまうのです。
そういう夜に私たちが贈る日めくりカレンダーを見て不安を少しでも取り除いてもらい、朝を迎えてもらいたいと思っています。
 
なぜ日めくりカレンダーだったのか？

出院日が近づく中、社会にいる人は誰も自分のことなど必要としていないし、気にかけてくれる人など誰もいないのではないかと考えてしまい、孤独感から不安が増すことがあります。
実際は、保護司さん、協力雇用主さん、保護観察所の方、他にも社会で応援してくださる方がいるのに、在院中はそれが分からないので孤独感が増してしまうのです。
そこで、部屋の中に置く日めくりカレンダーを通じて、「社会には想いを持って自分たちを応援してくれる人がいる」ことを伝えたいと思います。
この日めくりカレンダーの制作にあたっては、少年院にいる少年たちと彼ら・彼女らを応援する気持ちを持つ大人がそれぞれ掲載する言葉を作成していきます。
外にいる大人の言葉を応援の言葉として、少年院の中にいる少年の言葉が一緒に頑張る仲間の言葉として支えにすることで長い少年院生活の支えにしてもらいたいと考えます。

今回、連携している少年院と協働し、少年たちの言葉を集め、大人たちからの言葉を重ねて“俺たちの日めくりカレンダー”を制作し、少年たちへ贈ります。
このプロジェクトに賛同し、一緒に少年たちの未来を応援してくださる方々より寄付を募らせていただきます。
いま塀のなかにいる少年たちと、塀の外にいる支援者が、一緒に作る「俺たちの日めくりカレンダー」を制作し、これから新たな人生をやり直す少年に贈り届けるプロジェクトです。

※トップの画像は職員によるイメージです。

明日のために「心を整える。」 - 孤独と不安を感じる少年たちをみんなの言葉で支えたい

川中 正喜さんから応援メッセージをいただきました！川中さんとは、2021年に私たちが少年院を出院した少年たちへの食糧支援を始めた頃からずっと連携させていただき、kindle本『塀の中へ 塀の外へ ─少年院出院者の物語』の制作でもご協力いただきました。少年たちとの関わり方ではいつも勉強させていただています。（以下、川中さんからの応援メッセージ）----------更生とは、ひとことで言えるものではありません。少年院や刑務所を出た人たちは、過去を背負いながらも、今をどう生きるかを模索しています。彼らにいつも伝えていることは、後悔することではなく、今の時代の中で”生き直していく”ということ。一日ずつ人生を積み重ねること。変わりゆく時代とともに、人の価値観も、善悪の境界も揺らいでいきます。「正しさ」ではなく、彼らが時代の中で見つけていく“自分なりの生き方”こそが、自立の第一歩だと考えます。私たちは、彼らがもう一度社会と繋がれるように、 自分らしく生き直す挑戦を、温かく、そして現実的に支え続けたいと思っています。この日めくりカレンダーに託されてる気持ちが皆様に届きますように。----------<h6>川中 正喜</h6>株式会社エフスタイル 代表取締役障がい者グループホームきさら 代表一般社団法人チャンスサポート 代表理事YouTube動画：【徹底取材】家も金も、身寄りもいない…行き場なき出所者たち　「僕らが諦めたら終わり」再犯防ぐ“支援活動に密着【ウラドリ】https://youtu.be/TWxPNN-6eQ4?si=SyhID_dml0JZ8R7Bインタビュー掲載：kindle本「塀の中へ 塀の外へ ─少年院出院者の物語」https://amzn.asia/d/0U20k1m

川中 正喜さんから応援メッセージをいただきました！

中村すえこさんから応援メッセージをいただきました！昨年、中村監督の映画「記憶2」を、東京と大阪で上映させていただく機会がありました。少年たちの背景やリアルな声を伝え続ける中村さんから、いつも学ばせていただいています。また、少年院を出院した少年たちへの食糧支援では、日ごろから密に連携させていただいております。（以下、中村さんからのメッセージです）----------みなさん、こんにちは。セカンドチャンス！の中村すえこです。セカンドチャンス！は少年院出院者の自助グループです。かつて私が少年院に入院しているとき、 過去の自分と向き合うことも、先の未来を想像することもできない時がありました。生き方がわからず、もがいていた。その時に、支えとなり、力となったのが、信じてくれる大人や、理解してくれる仲間の言葉でした。彼、彼女たちが、少年院で日めくりカレンダーと過ごす日々は 過去と向き合い、未来の軌跡の一歩だと思います。みなさんのご協力が必要です。よろしくお願いします。----------<h6>中村 すえこ</h6>作家、映画監督、NPO法人「セカンドチャンス！」創設メンバー映画『記憶2 - 少年たちの追憶と贖罪 - 』https://nakamurasueko.com/kioku2.html近著『帰る家がない少年院の少年たち』https://amzn.asia/d/3Rb5R5Z

中村すえこさんから応援メッセージをいただきました！

NPO法人スマイルリング 理事長の堀田豊稔さん、理事の野々村千晶さんから応援メッセージをいただきました！スマイルリングは、北海道帯広市を拠点に、親などに頼ることのできない児童養護施設や少年院出身の青年たちを&quot;未来&quot;へつなぐ活動をされています。堀田さんと野々村さんの人柄から、遠方からも頼って相談に訪れる少年たちが多いです。僕も定期的に開催される座談会でいつも学ばせていただいています。（以下、お二人からのメッセージです）---------------<h6>少年院へ入る非行青年の事を、皆さんはどんな子達だと思いますか？</h6>僕たちは少年院の中にいる時から彼らとの繋がりが始まります。講話、グループワークなどで出会い、手紙が来て、彼らの生い立ちや今までの人生を知り、彼らの不安、悩み、夢や希望などを知り、面会に行き、「出院しました！」と連絡が来ます。 皆んな必死で生きてきた。でも社会の中で彼らを受け入れたのは“悪い大人”しか居なかったという事が多いです。<h6>彼らの声をもっと沢山の人に聴いて欲しい。</h6>更生とは本人が反省すれば良いというものでは決して無く、社会にも出来る事は沢山ある。 そして彼らへも、社会にどれだけ“良い大人”がいるかを知って欲しい。 日めくりカレンダーが、そんなメッセージになりますように。---------------いつも応援していただき、ありがとうございます！

堀田豊稔さん、野々村千晶さんから応援メッセージをいただきました！

<h3>少年院内でワークショップを開催しました！</h3>日めくりカレンダーに掲載する句を作るため、2日間に渡り、関東2か所の少年院を訪問してきました。講師の高坂朝人さん（NPO法人再非行防止サポートセンター愛知 理事長）による進行のもと、自己紹介（名前ではなくニックネームで）から始まり、候補となる言葉を付箋に書き出し、文章を整えて、最後に清書をして完成となります。<h4>テーマは、「あなたの大切な人へ」</h4>30文字以内、縦書き、「漢字・ひらがな・カタカナ」で書きます。少年たちが日めくりカレンダーの制作に関われるのは、その日、その時間だけです。時間が足りないのでまた来週という訳にはいかず、緊張感がありました。少年の中には、気持ちを言葉でなかなか表現できなかったり、一方で、書きたい言葉が多すぎて30文字に収まらなかったり、最後の1文字・2文字を苦労して削ったりと、みんな悩みながらも一生懸命に取り組んでいました。そして、一緒に取り組む中で、少年たちにとっての「大切な人」についても話をしました。親、兄弟、友人、法務教官の先生、将来の自分、将来の家族・・・。みんな率直な気持ちで、たくさんの言葉が溢れてきました。<h5>社会にいる応援者の言葉を重ねる</h5>今回、在院生の少年たちから、日めくりカレンダー31日分のうち、16日分（16句）が完成しました。残りの15句は、社会にいる応援者からの言葉になります。これから併せて、作成に入りたいと思います。引き続き、よろしくお願いいたします。

明日のために「心を整える。」 - 孤独と不安を感じる少年たちをみんなの言葉で支えたい

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