NPO法人子どもの国はこの11月11日で26周年を迎えます。
その26回目の誕生日に合わせてバースデードネーションを開催します!
これまでたくさんの方々にご支援いただき、長い間活動を続けてくることができました。
これからも、言葉や文化の違いを超え、すべての人が互いを認め、尊重し合える社会を目指し、子どもたちのサポートを続けてまいります。
どうぞ温かいご支援をお願いいたします。
画面右上の「支援する」ボタンで500円から寄付できるので、是非気軽な気持ちで寄付をお願いできると嬉しいです!
※ 寄付金は決済にかかる手数料と利用料を除いた全額が団体へ寄付されます。
ストーリー
NPO法人子どもの国のはじまり
「NPO法人子どもの国」のはじまりは1998年。代表の井村が「学童保育をはじめたい」と市役所を訪ねたところ、豊田市保見ヶ丘にある保見団地を紹介されたことでした。
訪れた団地の広場では子どもたち7、8人が元気に遊んでいました。その時、団地で暮らす一人の女性から「あの子どもたちは学校へ行っていない。」と聞かされました。
当時、1990年の入管法改正により、日系人が日本で合法的に働けるようになったことから、保見団地には仕事を求めて来日した多くの日系ブラジル人や日系ペルー人が急増していました。子どもを含めた家族で来日するケースも多く、そうして親とともに来日した子どもたちは日本語が分からず、日本の学校になじめずに不就学となることも少なくありませんでした。
井村は、こんなに元気で利発そうな子どもたちが、学校へ通わず学ぶ機会がないということに大きな衝撃を受けました。もし、この子が自分の子どもだったらと考えた時、どんな些細なことでも何かお手伝いをしたいという想いをいだき、1999年11月11日民間ボランティア団体「子どもの国教育基金の会」(「NPO法人 子どもの国」)を設立しました。
「子どもの国」という名前は、ポーランド人のヤヌシュ・コルチャックによる児童文学作品「子どものための美しい国」にちなんでいます。ヤヌシュ・コルチャックはポーランドでユダヤ人孤児のための孤児院を設立し、子どもの教育に力を注いだ小児科医です。ドイツのポーランド侵攻により、子どもたちとともにゲットーへの移住を余儀なくされ、最後は孤児院の子どもたちとともにトレブリンカ収容所へ送られ殺害されました。
コルチャックは子どもの権利について訴え、子どもを一人の人間として尊重していました。孤児院では子どもたちによる議会や裁判が行われたり、意見を発表する新聞を発行するなど、子どもたちの自治が尊重されていました。私たち「子どもの国」も子ども一人ひとりを尊重し、寄り添うことを大切にしています。

放課後学習支援事業「ゆめの木教室」
活動当初は、地域の声を受けながらポルトガル語教室や幼児日本語教室を開催していました。そうした中、「子どもが日本の公立小学校へ通っているが、宿題ができないから手伝ってもらいたい。」という相談がありました。また、当時の保見団地には学校に通っていない子どもたちもいたため、そのような子どもたちにも学ぶ機会を作りたいと考え、2000年4月に放課後学習支援事業「ゆめの木教室」をスタートしました。
2001年に法人化し、ボランティアやスタッフが増えていく中、子ども一人ひとりに合わせた学習支援の体制が少しずつ整っていきました。現在は50名ほどの子どもが在籍しており、宿題のサポートに加え、その子の学力に合わせたドリルやプリント学習を通して、日本語力や基礎学力の向上を目指しています。
教室を巣立った子どもたちは高校、大学へ進学し、今では立派に働いている子も多くいます。中には、経営者やプロサッカー選手、通訳として活躍している子もいます。近況報告で顔を見せに来てくれることもあり、立派に成長した姿を見る時が何よりも嬉しい瞬間です。

幼児日本語教室「たけのこ」
ゆめの木教室の活動を続ける中で、より早期から日本語に触れる機会を作ることが必要だと強く感じるようになり、2020年にこども園の中で行う幼児日本語教室「ジャルジン」(現在の「たけのこ」)を始めました。この幼児日本語教室では、子どもたちが楽しみながら日本語を学べる環境を提供しています。子どもたちは、工作や読み聞かせ、カード遊びなどを通して日本語を学び、基礎学力を身につけています。また、保護者にも母語・継承語や日本語の重要性を伝え、家庭での支援を促しています。
当初1園からのスタートでしたが、現在では7園で実施しており、新たな園からの教室開設の希望が多く寄せられています。幼児期から日本語に触れる機会を提供することで、小学校での学習へのスムーズな適応に繋がり、これからもますます重要になる取り組みです。

これからの「子どもの国」
「子どもの国」の設立から26年たった今も、保見団地がある保見ヶ丘地区は約6300人の住民のうち、約3600人(約57%)が外国籍という多文化・多言語が共存する地域です。なかでもブラジル人の割合が高く、学校に通う子どもたちの中でもブラジル人児童が多いことが、教育現場での課題をより複雑にしています。子どもたちは日常的にポルトガル語で会話をしてしまうため、学校だけでは日本語の習得が難しい現状があります。また、母語が日本語の子どもたちよりも学校の授業についていくのがとても難しく、本人の努力とそれを支えるサポートが不可欠です。だからこそ、学校以外で日本語に触れられる場所と学習支援が必要です。
「ゆめの木教室」には今も入室を待つ子どもたちが多くいます。また、幼児日本語教室「たけのこ」もニーズは高まっており、より多くの園で実施できるよう、スタッフの育成と体制の整備を進めていきたいと考えています。
寄付金の使い道
皆さまからのご寄付は日々の活動資金に充てさせていただきます。具体的には、子どもたちの学習教材の購入や作成のために使わせていただきます。「ゆめの木教室」では一人ひとりに合ったドリルやプリントなどの教材を用意しているため、毎年たくさんの教材が必要になります。また、「たけのこ」では子どもたちが楽しく日本語を学べるように、スタッフが手作りしたカードなどの教材を使っています。皆さまのご支援が子どもたち一人ひとりの学びと成長を支える力になります。
そして、今回のバースデードネーションをきっかけに支援の輪を広げ、今後の活動につなげて行きたいと考えています。どうぞ温かいご支援をお願いいたします。


