思いがけずキーパーソンと遭遇!
2025/7/26 22:37

ラムサール・ネットワーク日本のメンティーとしてCOPに初参加しています佐々木が報告します。
7月23日から本会議が始まりました。開会式にはジンバブエ大統領が登場するとの連絡が前日にあり、朝8時から会場は長い銃をもった警察部隊がうろうろする物々しい雰囲気でした。
ヘリコプターで来場するVIPがいるためか、私たちNGOの乗るシャトルバスは会場の裏手までぐるりと走りました。その途中、バファローの群れに遭遇し、遠くにはゾウが見え、思いがけず朝サファリを楽しむことができたのはジンバブエらしい良いスタートでした。
ラグジュアリーなElephant Hills Hotelの会場ですが、そこら辺でイボイノシシが草を食んでいたり、ブースの屋根をサルが飛んでいたり、野生動物の近さに驚くばかりです。見慣れない大きな動物の近さに最初はビビっていましたが、滞在3日目となって慣れ初め、ほどよい間合いをとって生き物と人が共生しているようすがとても心地よく感じるようになりました。
白い布張りのテントの本会議場に入る前には、手荷物検査が必要でした。PCの電源が入るかどうか画面を見せるという謎のフローを経て、何を見たのか分からない手荷物チェックの列に並び、空港で見る身体検査ゲートを通るのですが、赤ランプとビー音が鳴りやまず、多種多様な人々が芋の子洗い状態の入り口のカオスはもはやエンターテイメントでした。
舞台の袖ではジンバブエの青年合唱団が歌で来場者を歓迎してくれており、大統領の登場時にはテント外でジンバブエの伝統舞踊と太鼓のパフォーマンスが披露され、とても賑やかな雰囲気でした。
中国国家林業局、UNEP(国際連合環境計画)、CBD(生物多様性条約)、CITES(ワシントン条約)、UNESCO((国際連合教育科学文化機関)、IUCN(国際自然保護連合)、WI(国際湿地保全連合)、ワールドアグロフォレストリーセンター(CIFOR-ICRAF)、CMS(ボン条約)のリーダーたちが開会の言葉を述べましたが、登壇者9人中7人が女性だったことはハイライトの1つです。
ジンバブエのムナンガグワ大統領は、ジンバブエ国旗色のストールが素敵でした。中国、ベネズエラ、セルビア、インド、UAE、タンザニア、南アフリカのハイレベル閣僚会合では、湿地政策と法的枠組みの主流化、協調的アプローチ、そして資源動員について順に話がありました。ジンバブエの大統領を前にした閣僚たちの発言中、マイク音声がたびたび入らなくなるトラブルが頻発していましたが、無音のままかまわず話を進めてマイクの自力回復を待つ感じの緩さは、日本にはないお国柄がにじみ出ていて面白かったです。
トレードマークの赤色のお召し物が素敵なムソンダさん(ラムサール条約事務局長)の、「湿地を持続可能性の基盤とするためのエンパワーメントを次世代に促す」という言葉は、ユース世代としてその期待感が膨らむものでした。
午後、ブース準備で会場内の印刷所にいた時のこと、先客だった私たちに対して、USBを貸してほしいというメキシコ人のおじさまに印刷方法を案内しながら、「メヒコに行ってみたい~」など軽くお喋りをしていたのですが、直後参加したBirdLife International主催のファイナンス関連サイドイベントで、そのおじさまがパネリストとして壇上で発言されていたのです。フラッと偉い人が近くにいて話ができるのがラムサールの面白いところと後藤さんから伺っていましたが、まさにその人の近さ、肩書や出身、年齢を越えて湿地で繋がれるRamsar Familyのすばらしさを体感した瞬間でした。渡していた名刺を見て、その後わざわざ私たちTeam SPOONのブースにも来てくださったお優しい方でした。お話をして写真を撮って、フライウェイで繋がる大切さを確認し合えた時は、COPに来て、来させていただいて胸一杯の気持ちになりました。
夜の主催国によるおもてなしパーティーは、ホテルのプールサイドで音楽演奏・歌にダンス・光の演出という非常に豪華な設えで、これがCOPなのか、、、と圧倒されましたが、ドリンク片手にSocilizingを経験できた楽しい夜となりました。
連日、交流会やディナーパーティーなどありがたくも豪勢な食事続きで、慣れない環境に胃腸が悲鳴をあげかけましたが、なんとか回復し、明日からのプレナリー(全体会合)もしっかり挑みたいと思います。Lodgeの方、ジンバブエの人々のホスピタリティに癒される、のどかな時間も有難い限りです。
(報告者:佐々木美佳)
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