毎年繰り返される洪水によって、家も家畜も生活も失われるインド・ビハール州の貧困地域。
教育も行政書類もなく、備え方すら知らない人々が、今年も何ひとつ守れないまま取り残されています。
NPO法人結び手は、「高台への一時避難支援」「緊急物資提供」などを中心に、命と未来を守る災害支援を行います。
ビジネスにもメディアにもならない“無視される人々”を守るために。
どうか、あなたの力を貸してください。
ストーリー
「あなたは、雨が降るたびに命の危機を感じたことがありますか?」
インド・ビハール州。
そこでは毎年、モンスーンとともに洪水がやってきます。
そして、家も、牛や山羊も、学校も何もかもが流されていきます。
2025年6月、再び大きな洪水が発生し、結び手が支援を続ける村も被災しました。
インドビハール州のブッダガヤから20分ほどの村、Bataspurの家族は家を失い、農地を失い、生計を支える家畜までも水にのまれました。
大雨と大量の水の音とともに目を覚まし、小さな子供担いで高台に逃げ、水が収まった3日後に家に戻ってみると、そこには水浸しになった土でできた家だけが残っていました。
この家族に残ったのは借金だけです。
このような状況に対し、2025年6月最終週、代表福岡が訪問、滞在しただけでも状況は過酷だとすぐに判断できます。
土でできた一階建ての家では膝上まで浸水するため、5日間の野宿を強いられる人もいます。
命を最優先し、何もかもを家に置いて子供を抱えて高台に避難する人もいます。
唯一の生計手段であった家畜が全て亡くなってしまった人もいます。
農場は壊滅的です。
既に借金がある中、ただ「生きるため」に食べなければならず、そのために更なる借金をしています。
その借金は返されることはなく、対価として一生どころか子孫までもがほとんど奴隷(現地でカミヤと呼ばれます)として生きていきます。
昨年も支援活動をした地域も含まれており、状況は絶望的です。
現地メディアによる報道です。
行政に頼れない実情
通常、日本では災害支援には公的な支援を想像することが容易です。しかしここでは一切の支援はありません。
避難すべき場所も、申請書の書き方も、備蓄の余裕も一切なく、災害とともに貧困は連鎖し、抜け出す術を持ちません。
その度に一生返すことができないほどのお金を借り、働いても金銭を受け取れない奴隷のような状況で生活をしています。
教育がなく、戸籍も土地の登記もなく、申請もできず、備えるという概念すらありません。
彼らは知りません。事前に何をすべきか、事後に何をすべきか、何がそもそも正しいのか、どのようなスキームがあるのか、どのようにそこへアクセスするのか。
一才の情報を教育の欠如により知ることができません。
外部に頼れない実情
”支援するから”
その嘘に何度も騙されてきた村人たちは訪問する私たちにも嫌悪感を露わにします。
外部の人は洪水被害の現場をまるで観光地かのように捉え、写真や動画を撮り、SNS等でアップしてリアクションを得て終わります。
報道機関は一瞬の同情だけを見せ、視聴率を稼いで終わります。
村のリーダーもカースト外の人のためには滅多なこと、すなわちリーダーへのメリットでもない限り動かず、様子を見て終わります。
だから今、これらのことに縛られず、他人を他人だからと見捨てないような、私たち、”あなた”の力が必要です。
支援内容
今回の支援では、以下の活動を予定しています。
支援物資と世帯数
・100世帯への、既に洪水による被害を受けた家庭への緊急食料配布
・700世帯への、今後の洪水に備えた強いプラスチックビニールの配布
・700世帯への、更なる洪水被害に備えた備蓄物資の準備
世帯数は今年既に被害を受けた100世帯と、昨年被害が起きた世帯数から計算し、合計700世帯としています。
この支援により、まずは「小さくても収入を得るための仕事」をするための準備ができます。
さらに、これからの水害への備えとして家を補強することで、大雨の中でも少しでも安心して眠ることができる環境を用意できます。
これと同時に重要なことは「外の人が無視しないで助けてくれた」という希望を抱くことができ、絶望による自死という悲劇を防ぐ可能性を高めることができます。
同時に私たちは、私たちが支援していることを広く伝え、「誰もが無視してきた人を放置せず、多くの方が無関心をやめ、必要な支援をする」そのような社会を創っていきます。
支援金額3,552,500円
1世帯(5人家族)あたりの支援物資は以下となります。
1世帯あたり合計;5,075円
家の資材:雨風に強いビニール素材1,350円
5人家族およそ15日分の食料 3,725円
食料内訳:小麦 5kg 420円、米 10kg 850円、豆 2kg 500円、砂糖 2kg 85円、野菜 1,700円、ポテト 5kg 170円
※1INR=1.69円にて現地市場を確認した上で換算。家族人数は対象地の平均値にて計算。
支援地域
NPO法人の結び手活動地のうち、川から近く被害が実際に起きているもしくは予想されるBataspur, Ghongaria, Ghato, Churchの4つの村を想定。
今後の活動の中でほか必要地域情報を得た場合、拡大の可能性有。
なぜあなたの支援が必要なのか?
企業からの支援が届かない
極度の貧困地域かつ交通の便悪い地域はビジネスにもならず、ほかNGOの支援地域にもならず、誰からも注目もされません。
ビジネスにならないようなエリアでは企業のCSR予算を活用いただくことも極度に難しくございます。
実際に代表理事福岡は今回の災害とは別にこれまでに100社を超える日系企業をメインとしたインドの会社に提案、相談してきましたが、その反応はとても厳しいものでした。そもそもビハールが世界的に有名な貧困地域でもなく、またそこを市場として捉えられない以上、CSRをしてPRをする価値がほとんどないのです。
行政の支援が届かない
遠方の村、カースト外、識字率がほとんど0%、汚職が激しい、登記された土地ではないエリアに住んでいる。
これらの状況から、そもそも統計にすら現れていない人々が住んでいる場所であるため、行政からの支援は見込めず、また文字が読めない以上、支援を要請することもできません。たとえ私たちのような外部の人間がサポートしようとしても土地に関する書類、住民票がないため申請できません。
個人の支援が届かない
外部の人は災害を観光や報道のための光景かのように見て帰っていくエリア。
それが私たちの活動地です。同時にその中でも河川に近い地域が今回の被災地であり、備えるエリアです。
また、遠方かつカースト外ということもあり、多くのインドの方が足を踏みいれることのない、世界の誰からも見捨てられているエリアでもあります。
それでも、当たり前に生きようとする人たちがここにいます。
洪水を機に農場を失い、家畜を失い、仕事を失い、一切の生計手段をその日を境に失っても、遠方まで歩いていき、仕事を探し、また少しでもお金を持っている人から借金をし、なんとか生き抜こうとしています。
しかし一才の支援がなく、今まで以上の貧困状況を確信し、絶望を感じ、自ら命を断つ人まで出ることがあるのがインドの貧困地域における災害です。
このような人たちと直接繋がっている私たちだからできること、やらなければいけないことがあります。
代表福岡の想い
私たちと一緒に、災害から“未来”を守ってください。
この支援は、「困っている人がいるから助ける」ではありません。
「何も備えられない人が、またすべてを失わないようにする」ための挑戦です。
外部環境が原因で努力できない人にもさまざまいますが、その中でも「生きたくても生きられない」というのは最低限のことだと考えています。
この人たちを、今まで私も含めて世界の全員で無関心による放置をし、見捨ててきた人たちをもう見捨てない世界を共に創っていきたいと考え、共に立ち向かってくれる仲間を、今、求めています。
このプロジェクトは達成、未達成に関わらず必要な災害支援に活用します。
今季のこれからの被害が少なく、必要となる金額が少ない場合は、全額結び手が実施する教育活動の先生報酬および文房具代として活用いたします。
寄付はすべて、現地で支援活動を推進し続ける代表理事、福岡が責任を持って活用し、活動報告もお届けします。
現地では既に6年以上ともに活動しており、コロナ禍の支援、昨年の支援を共に実施した経験を持つ、Pankaj氏、Nikesh氏をはじめ多くの社会活動家の仲間がおり、共に支援活動しています。

10家族50人への支援
50,000円
10家族分50人への食料、家の補強資材の支援です。
写真は今年洪水被害があった村で新しく建てられた家の様子を代表理事福岡が撮影したものです。
セメントが入っている袋などをかき集めて作られています。