災害が起きたとき、誰もが支援を受けられるとは限りません。「制度の対象外だった」「頼る人がいなかった」——そんな声が、私たちの元に届きます。
一般社団法人おもやいは、佐賀県を拠点に、災害時も日常も“分かち合う安心”を届けてきました。食料支援や学習塾、住まいの提供、そして突然の災害時には再建の伴走も行っています。けれど今、相談は増える一方で支援が追いついていません。
助成金に頼る現状から脱し、継続的に「最後の砦」であり続けるため、私たちは月500円からのマンスリーサポーターを募集しています。“支援する”より“分かち合う”仲間として、あなたの力を貸してください。
ストーリー
もし、あなたのくらしが災害に見舞われたら…さまざまな支援の「隙間」に安心を届けたい。
近年、日本各地で災害が毎年のように頻発し、これまでの日常が失われた中での生活を余儀なくされる状況が珍しくなくなってしまいました。
けれど、そのときに災害に見舞われた誰もが公的な支援を受けられるわけではありません。
「制度の対象外だった」
「頼れる家族も知り合いもいなかった」
「(経済的状況から)制度の利用をあきらめた」
—そうした声が、私たちのもとに日々届きます。
そんなとき、必要なのはつらいことも「ともに分かち合う関係性」ではないでしょうか?
私たち一般社団法人おもやいは、佐賀県武雄市を拠点に、地域の中にその“つながり”で「安心」を取り戻すために活動しています。
「おもやい」とは、“ひとりで抱え込まない=共有する”ということ。
「おもやい」は、九州北部の方言で“共有する・分かち合う”という意味です。
2019年8月、九州北部豪雨で私たちの地元が被災したとき、地域の人同士が手を取り合い、支え合う姿が活動の原点になりました。
「災害で被災したら、家屋の片付けをする前に写真を撮って記録を残しておくこと」
「記録写真を持って、役所で手続き(り災証明書発行申請など)をすること」
「水害で被災した家屋は、とにかく消毒・乾燥をさせる(乾燥は最低でも約1ヶ月など)のが大事なこと」
被災したお宅でのお手伝いをする中で、こうしたことをお伝えしながら続けてきましたが、被災したら何から手をつければいいのか、どういう手続きがあるのかほとんど知らない方が多く、なおかつ高齢化率40%の地域においての被災でもあったため、「取り残されているかも知れない」方がどこかにいらっしゃるんじゃないかと常に心配をしながら、私たちは“できるしこ(できる限り)”の支え合いを、地元の中に広げてきました。
活動の中で、さまざまな出来事、さまざまな方々と出会い、共に悩みながらこれまで活動を続けています。特にいくつもの困難を同時に抱えている方など、複雑な状況がからむことで支援制度からこぼれてしまう方々も少なくありません。
・行政の支援だけでは手が届きにくいところ
・待ったなしでの対応が必要な、放っておけない困りごと
・誰にも頼れず、声をあげられない人たち
そんな「制度の隙間」にある声に、地域の“最後の砦”として寄り添うのが、私たちおもやいの役割です。
日常も、災害も。分かち合う安心を届けています。
災害支援の現場では
● 2019年、2021年と立て続けに起きた同地域における水害(武雄・大町・嬉野など)
● 2020年〜2024年:熊本県球磨川流域の水害、宮崎県での台風被害、能登半島地震などに対応
● 令和3年九州北部豪雨(佐賀県武雄市・大町町・嬉野市)では、100名以上のボランティアとともに300世帯以上の再建をサポート
● 「物資だけでなく、“自分の話を聞いてくれる人”がいたことが救いだった」という声も
日常の現場では
● 毎月1〜2回のフードリンク(食料配布会)では、食料とともに「話せる場所」も届けています
● 毎週開催の「そよぎ学習塾」(会費無料)や地域食堂「そよぎdeごはん」ではあたたかいごはんを提供しながら子どもたちの笑顔と未来を見守っています
● 住まいのない人への住居の斡旋、中古家具・家電・自転車の無償提供も継続中
困っている人は、「制度の外」にもたくさんいる。
おもやいには、こんな相談が寄せられます。
● 「子どもの入学式に着せる服が買えない」
● 「病気で働けず、家賃が払えない」
● 「お米の値段が上がって、インスタント類しか食べてない」
● 「(大家さんから)退去を迫られているけど、家賃の安い家が見つからなくて」
支援の多くは「制度の対象内」であることが前提です。
けれど、本当に困っている人ほど、その“枠の外”にいます。
私たちは、そうした声を受け止める“最後の受け皿”として、地域と共に課題に向き合っています。
でも今、支援が追いついていません。
年々、寄せられる相談は増えています。
しかし今の私たちの体制では、すべてに応えるには厳しい状況です
● 災害は毎年のように起こり、予測も難しく人員が足りません
● フードリンクや学習塾の利用者は増えており、需要は年々高まっています
● しかし、運営は助成金中心。継続的な支援が不安定です
このままでは、次の災害や支援希望者に十分に対応できないかもしれません。
一度きりの支援ではなく、“関わり続けられる仕組み”を。──これからのおもやいの挑戦
私たちが目指しているのは、「困ったときだけ関わる支援」ではなく、日常の中で、自然と“支え合い”が育つ仕組みです。
そのために、これから私たちは次のような新しい取り組みに挑戦します。
災害が起きたとき、「届かない支援」が届くように
● 民間団体やボランティアとのネットワークを強化し、もっと多くの人に、もっと早く支援が届く体制をつくります
● いつか起こると言われている南海トラフ地震などの大災害に備え、九州圏域での連携を通じて準備を進めます
● これらを実現するために、地元内外での仲間とともに「取り残されるかもしれない方々」へのくらしの再建へのお手伝いを実施します
災害がないときも、「地域の支え手」であり続けるために
● 食料支援や学習支援など、一度きりでは終わらない関わりを、日常の中で続けられる仕組みを整えていきます
● 2025年度(令和7年度)には、困っている方が安心して住める場所として、「民間版シェルター(保護付きの住まい)」の開設を予定しています
● そして、支援を受けた人が、次は“誰かを支える側”として関わっていけるような循環を目指しています
代表理事:鈴木隆太の想い『“分かち合う”って、どういうことだろう?──おもやいの原点。』
「支援する側」から「支援される側」へ──だからこそ立ち上げた「おもやい」
阪神淡路大震災以降、国内外の災害救援に携わるNGO団体の職員として活動をしてきました。
2010年にご縁をいただいて、佐賀県に移住することとなりましたが、その後度重なる九州における災害の被災地で活動を続けておりました。
2019年に佐賀県内で水害が発生し、私が現在住んでいる地域でも被災が発生したことで、地元の皆さんとともに「おもやい」を立ち上げて被災された方々のくらし再建のお手伝いを始めました。
難しいことの連続ではありますが、それでもこの活動を通じてつながった方々と楽しく、ワーワー言いながら日々の活動に取り組んでいます。
助ける・助けられるを超えて、“分かち合う”地域のかたちへ
これまで、住んでいる地元で災害を経験したことがなく、むしろ「支援をする」ために様々な地域に行かせていただいておりましたが、今回は自分が住んでいる地元が被災したことで、ある種私自身も「支援をされる」側になったことによって、外から支援に来てくださる方々のお力をお借りしながら、地元の課題を解決することの繊細さと責任の重さを改めて感じることとなりました。
そして、地元での災害をきっかけに「おもやい」での活動を始めましたが、地域にお住まいの方々のお悩みは水害で被災された方だけが抱えているわけではなく、被災されていなくてもお悩みを抱えていらっしゃる方と活動を始めてからたくさんお会いすることになり、私たちは「できるしこ(できる限り)」のお手伝いをすることを決めました。
支援するというよりも「おもやい(共有する、分かち合う)」することを大切にしながら、時に支え、時には支えられていることを本当に強く感じます。
この団体を立ち上げた当初、災害に関する専門家がメンバーにいたわけではなく、みんな素人で手探りをしながら、いろんな方々に相談をしながら活動をしてきました。
でも、素人だからこそこれまでにない発想や、そこからできた新たな取り組みなど、型にはまらないからこその取り組みがあることで、いろんな方々のお困りごとに少しでもお応えできるようになってきているのではないかと思っております。
地域に寄り添う多機能拠点を、これからも続けていくために
災害時でも平時でも、様々なニーズにお応えしていくような「地域密着型多機能拠点」は意外と今まであるようでなかったような、それでも地域のお困りに応えるために活動を積み重ねてきた結果、そうした多機能型の団体として活動を続けております。
一度来ていただいた方も、そうでない方でも、ぜひ応援をしていただけるとありがたいです。
そしてぜひ、遊びに来てください!
あなたのご支援が、“関わり続ける地域”を育てます。〜寄付金の使い道〜
皆さまからいただいた寄付は大切に使用させていただきます。
・団体の活動の拡充
・運営資金等
例:
500円:例)ひとり親家庭に、1ヶ月分の食料と相談支援を届けられます
1,000円:例)子どもたちが通う学習塾で、2回分の温かい食事を提供できます
2,000円:例)地域食堂で20人分の食事が提供できます。
5,000円:例)水害で家財を失った家庭に、再建のための専門的サポート(建築士・弁護士等の専門家派遣など)を届けられます