寄贈書回収&民間図書館蔵書紹介「龍は眠る」
2025/2/1 09:30

写真は大学図書館に勤務する理事さんと愛車です。
昨年はほぼ毎月民間図書館への寄贈本の回収に回ってました。
ある日、高齢の女性が200冊以上の本を我々に渡しながら話してくれました。
「亡くなった夫の本なんです。豆腐屋なのに本が好きでね。もしかして仕事が嫌いだったのかな。」
(うーん、本も豆腐屋さんの仕事も好きだったんじゃないかと僕は思うんですけど。)
その方は宮部みゆきさんがお好きだったようで初期の名作が揃ってました。
ということで、今回の紹介は宮部みゆき「龍は眠る」。
(以下は情報ステーション広報誌記事「最強読書日記」より一部修正。)
僕の世代のフィクションだと人の心を読む超能力者って若い女性なんです。
石ノ森章太郎「サイボーグ009」、筒井康隆「七瀬シリーズ」がそうですよね。
悪役はだいたい成年男子で攻撃力満点。戦闘能力のない主人公は彼らに襲われるといつも逃げています。
でもその分、主人公たちは精神的には悩まない。
この本の主人公は人の心を読める少年です。
少年は大人になりかけた自分の欲望に従おうとします。
でもすぐに弱い立場の人の声が自分の心に浸入してきて身動きできなくなる。
力はイコール悪なのだという事実。他人の心を読めない人だけが力をふるえるという事実。
さて、少年はどうするのでしょうか?
(「微力」辺りが結構いいポジションなのかな~?)
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