ストーリー
NPO法人オリーブの家設立2年の誕生日を迎えました(^^)
■苦しむ人たちとの出会いと現状
心理カウンセラーという仕事を長年しております。悩みの解決をお手伝いする中で、子供の頃から身内から虐待を受け心が傷ついたまま育った方が、自己否定観に苦しみ生きていることに疲れ果て、社会でうまく適応出来なくなり相談に訪れる方々に出会います。
以下の数字をご覧くださいませ。
公表されている件数ですが、実際にはこれの何倍も今もこの平和?な日本で小さな幼い心と身体が少しづつ蝕まれています!
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平成30年度の児童相談所による児童虐待相談対応件数が厚生労働省から公表されました。件数は15万9850件で、前年度より2万6072件(19、5%)増え、過去最多を更新しました。対応件数の内訳は、心理的虐待88,389 (55.3%)、身体的虐待40,256 (25.2%)、ネグレクト29,474 (18.4%)、性的虐待1,731 (1.1%)となっています。
他にも「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第15次報告)」では、平成29年度(平成29年4月1日から平成30年3月31日までの)間に、心中13人を含む65人の子どもが虐待で死亡したこと、死亡した子どもの年齢は、0歳が28人(53.8%)と最も多く、うち月齢0か月が14人(50%)であったことなどが報告されています。
亡くなってしまった子供以外はここから大人になっていかないといけないのです!
そう、今も私のところに救いを求めにくる方々の多くは、10年前20年前30年前から今日まで虐待DVによる影響を長年受けて、誰にも言えないまま大人になってしまわれました。
そう、愛のない環境下で体だけ大きくなり「心の時間」が止まったまま大人と言われる世界へ....
それがどれほど怖いことなのか皆さんも想像してみてください。
毎日恐怖に怯え、悪夢にうなされ飛び起きる日もあり、周りとの違いに苦しみ、未だに親や虐待者の影に怯えて、いつも体にも心にも力を入れていないと「やられるかも!!」と潜在的に反応し、疲れ果て時には病に倒れることもあります。
誰にも理解されない孤独な人生。大人にならざるを得ないけどなれない!なりないのになれない!なぜ私だけが僕だけが!!!???
■カウンセリングだけでは助けられない方の存在を知ることに
10年ほど前に、母子家庭のお母さんから子供の事で相談がありました。「子供が学校に行けないんです。」それだけ聞けば子供に問題がある?と考えてしまいますね。
しかし、明らかにお母さんはやつれて、髪も服装も乱れ、顔色も悪い!この親子の背景を早急に理解しないと大変なことになるとその時は感じました。
お母さんは私を信頼してくださり、現状を細かく話してくださいました。ご自宅を訪問させていただき私が見た風景はとても人が住めるようなものではなかったのです。
足の踏み場もない狭い部屋、匂う!冷蔵庫はカビだらけ、お風呂は見えないくらいのゴミの山。キッチンは食器類が何日も洗っていない、何を食べていたのか?どこで寝ているのか?
薄暗い部屋の隅に小さな机があり、そこに小さな子供が2人でポップコーンを食べていました。それがお昼ご飯でした.....え?!小学生には見えない!
実年齢より3歳くらいは成長が遅く痩せ細っていました。私に恥ずかしそうポップコーンをくれた手は折れそうなくらい細く、適正な栄養が採れていないことは明らでした。
「ここで猫と一緒に寝てるのーっ」と無邪気に押入れを開けてくれました。そこはカビだらけで布団が無造作に置かれて猫が小さなカゴに入れられていました。
そのお母さんの子供の頃は、父親はアルコール中毒で、お酒を飲むと母親とともに子供だった彼女も5歳くらいから殴られたり蹴られたり木にもくくりつけられたそうです。
忘れられない記憶は、7歳の頃風邪をひいて食欲がなくご飯を残したことで酔った父親から頭をたたかれ、寒い冬に裸でバケツを持たされベランダに2時間も置き去りにされたこと。その時はこのまま死ねたらいいのにと7歳の子供が心から思ったそうです。
暴力の家庭で育ち、結婚も親の言いなりでさせられその夫からも日々蔑まれ、人格否定、そして性的DVを受けて、最後はその夫は新しい女性を作り親子は捨てられました。
それから3年ほど経って私のところに来られました。恥ずかしくて誰にも相談出来なかったと言われていました。子供が学校に行けなくなったことで発覚した親子の貧困と虐待DVの真相でした。
カウンセラーとしてだけでなく、人としてこの親子を助けたい!そう思いました。その時は私の知り合いを集め精一杯のサポートをしました。
お母さんがその後、病に倒れ親子は別々に暮らすことになりましたが、社会的擁護の中で新しい形の親子関係を築かれ、その後お母さんも回復され仕事も出来るまでになりました。
しかし、このようなケースがその後も数件あり、もう1人では助けられない!仲間が必要!と思い立ちました。
■特定非営利活動法人オリーブの家を作る!
虐待やDVを経験をして相談に来られた方の中にはカウンセラーを目指して心のことを学ばれた方がいらっしゃいます。その方々が手を挙げてくれました。私たちも救われたので今度は救いたい!こうしてオリーブの家が立ち上がりました。
私を含め全員仕事をもちながらのプロのボランティアです。子育て中の主婦、シングルマザー、看護師、福祉の仕事、家庭教師、そして心理カウンセラーと女性の思いやりと「誰も見捨てない,泣き寝入りさせない」を心に決めて日々支援奉仕の活動をしています。
保護シェルター、心のケアカウンセリングを中心に、運営資金のためのフリーマーケット、DV虐待防止のためのセミナーなどそれぞれの力を活かして活動しています。
設立から12月で2年が経ちます!
この2年の間の
●電話や対面の相談件数
ひとり親貧困家庭:66人
虐待、DV被害者:125人
●保護人数(子ども含む)
2017.12~2018:3人
2018.4~2019.3:3人
2019.4~現在 :13人
●自立人数
内自立20人(他施設へ紹介:5人)
2人継続保護中
にのぼります。残念なことに増えてきています。
■設立2年目のバースデードネーション!ご寄付のお願いです
これまでも私たちの支援活動を見ていてくださり共感いただいた方々からのご支援があることで、その先にいる社会的弱者の心と社会への自立のサポートが出来ています。感謝しています。
オリーブの家の2歳のバースデーに、皆様からのご寄付を是非お願いしたいのです。クリスマスもお正月も辛い思い出しかなかった方々のために、「安心」と「普通のご飯」を提供してあげたいのです。
ご無理は言いません。ほんの少しでも彼女たちのような親子のささやかな暮らしのためにご尽力いただけると幸いです。
■寄付金の使い道
自立までの間、保護シェルターに次々来られる親子たちの食料や生活費、引っ越すための交通費、そして、ささやかなクリスマスプレゼントや、学校などの事情でシェルターに来ることが出来ない親子がお正月をせめて清潔に迎えられるよう準備するために、皆様からのドネーション寄付金はもれなく使わせていただきます。
■最後に、皆さまの心も温かくなりますように
私たちも子供でした。そしてそれなりに悩んだり辛い思い出も話せない恥ずかしい経験もあるかと思います。もしかしたら同じような虐待やDVを経験されていた方もいらっしゃるかもしれません。
私たちとそして支援が必要な人、支援する人みんなで手をつなぎませんか?誰が孤独になっても支え合い、補い合い、「私」ではなく、「私たち」で生きていけば、心は穏やかになり見る景色も変わり寒い冬も一緒に乗り越えていけます!
助けることで助けられる。支えることで支えられる。与えることで与えられる。賢人の言葉を今こそ行動の時だと感じます。
"小さな行動の先には必ず誰かの幸せがあります"
最後まで読んでいただき心からありがとうございました。これからも、私たちの支援活動は継続していくことをお約束いたします。