ひきこもりのための24時間365日やっている居場所を守りたい!

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🌟応援コラム⑤🌟 ホリィ・セン(ShuJu不動産、京都大学)

2025/3/7 07:40

🌟応援コラム⑤🌟 ホリィ・セン(ShuJu不動産、京都大学)のメインビジュアル

(画像はXアカウント https://x.com/holysen より)


「いつでもいていい」の安心感を生み出せる場所

ホリィ・セン(ShuJu不動産、京都大学)

とよなかリレーションハウスは「いつでもいていい」場所なんだな、と僕は思っています。ゆるい空気が漂っていて、行くたび居心地が良いものですから、いつもつい泊まらせていただいております。厳密には「いつでもいていい」わけではないでしょうが、「いつでもいていい」〝感じ〟が安心感を生み出し、人の人生を変えるような深い関係ができあがっていくのを僕は何度も見てきました。でも、これはなかなか定量化することが難しい話ですので、僕自身の経験から語りたいと思います。

僕は2012年に京都大学でサークルクラッシュ同好会という団体を立ち上げ、運営してきました。「サークルクラッシュ」とは集団内の恋愛トラブルのことを指します。はじめこそ「京大では、変なサークルを作るのがイケてる!」ぐらいの感覚での見切り発車でした。しかし、人と「深い関係」を築けなくてコンプレックスを抱いている人や、狭いサークル内でついつい他人との距離感を間違えてしまう人、恋愛トラブルのせいでせっかくの居場所を失ってしまう人……といった「人間関係における生きづらさ」がサークルクラッシュ現象には深く関わっています。実際、会をやっていくなかで、精神疾患や家庭環境の問題を中心とする生きづらさを抱えた人の話をたくさん聞きました。そこで「ふつうの集団」に馴染めない、居場所がない、と感じている人がゆるく集まれる「受け皿」を作ろうという思いで、大学生に限らず「誰でも来ていい」(半ば自助グループ的な)会として僕はサークルクラッシュ同好会を運営するようになりました。定期的な活動日を通じた交流は、ちょっとした居場所になっていたようにも思います。

しかし、「活動日」にだけ人が集まるかたちでは「通う」のが難しい人もいます。そこで、会の活動は継続しつつも、活動日じゃなくても「いつでも来ていい」場所を作ろうと思いました。それでできたのが「サークラハウス」でした。友人同士で京大の近くに一軒家を借りてシェアハウスにしたわけです。「サークラハウス」はすぐに「オープンシェアハウス サクラ荘」に改名して独立した組織となり、「24時間いつでも来ていい」シェアハウスとしてひたすらリビングを開放していました。鍵もかけずに「いつでも来ていい」という駆け込み寺式の運営をしていたおかげでいろんな人が現れたものです。

もちろん「いろんな出会いがあること」は魅力的なことです。でも、それ以上に大事なことだと僕が思うのは、出会った人と深い関係ができあがっていくことです。仮に出会いが無限にあったとしても、そこから誰とも友だちになれないのであれば、とても寂しいことではないでしょうか。では、どうすれば出会った人と深い関係になれるのでしょうか。

僕が思うにそれは、「いつでも来ていい」が「いつでもいていい」になるときです。人はどうしても初対面の、一回会っただけの人とは友だちにはなれないように思います。何回も会って、何時間も一緒にいるなかで、警戒心のようなものが解かれていき、力が抜けていきます。それは「この人は私を嫌っていない」「私を受け入れてくれている」と感じられる経験でもあります。それはついつい自動的に「自分は嫌われているんじゃないか」「何か思われているんじゃないか」「馴染めていないんじゃないか」と考えてしまう人にとっては、決定的に重要なことです。たとえば社会からマイノリティとみなされるような人々はその人自身「自分がマイノリティである」という意識(セルフスティグマ)を持たざるを得ず、どうしても「馴染めていない」という疎外感や不安をおぼえがちです。そんな人であっても、「いつでも来ていい」場所に行き、そこで誰かと出会い、その出会いを通じて、そこが「いつでもいていい」場所になっていきます。

「そこにいる」ことで——腰を突き合わせたやりとりを積み重ねていくことで——疎外感や不安は解消され、持続的な安心感が醸成されていきます。そしてその安心感があるからこそ、ふとしたときに自分の深い部分を開示できるし、それが人との関係を深いものにします。つまり、安心するから深い関係になれるし、深い関係だからこそ安心できる。この「安心⇔深い関係」のサイクルを生みだす土壌を耕せることが、拠点を持つことの意義だと僕は思います。それは、不安や疎外感をおぼえやすいマイノリティの集まる団体やコミュニティであればなおさらです。

今の僕はもう「いつでもいていい」場所を運営していません。京大に在籍しつつも、シェアハウスをはじめとしたコミュニティ作りをサポートしていくためにShuJu不動産という不動産屋を立ち上げ(てしまい)、研究と仕事に忙殺される日々です。でも、「いつでもいていい」場所を運営していたことが若気の至りだったなんて決して思いません。トラブルもありましたが、それについては話し合って解決すれば済む話ですし、対応のノウハウは積み上がっていくものです。今でも時間に余裕があるならば「いつでもいていい」場所を運営したいぐらいです。僕はただ、不動産屋として「いつでもいていい」場所になりそうな物件を発掘し、サポートする側の立場になっただけです。やはり、「いつでもいていい」場所を現場で運営する人たちは大事です。とよなかリレーションハウスはそんな「いつでもいていい」という安心感を醸し出せる場所なのだと思います。

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後ほどウィークタイの誰かからのコメントが入るかと思います👇



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