救急外来を受診したい
2025/2/1 20:08

「病院を受診したい」という理由のひとつに、「救急だから」というものがあります。ところが、患者さんの考える「救急」と日本の医療システム上の「救急」にはギャップがあるのが現実です。少なくとも歩ける状態なら「救急」とはいえません。病院の救急センターや救急外来は救急車を呼ぶくらいの重症の場合に行くところになっています。歩けない状態であっても、例えば熱が高くて起き上がるのがつらい、腰や膝が痛くて起き上がれない、も救急とはいえません。症状に合わせて診療科目を選び、その科目のあるクリニックを探して受診する、というのが日本の医療システムです。
このため当センターではどの相談電話に対しても、どのような症状で受診したいのかを聴き取りします。聴き取りをしてみると、救急外来ではなくクリニックで対応可能な症状であることが多いのが分かります。
それでも尿閉(膀胱に尿が溜まっているのに何時間も排尿できない状態)など、救急車でなくても病院に行けるがクリニックでは対応が難しく、急いで病院を受診したほうがいい症状も発生します。ところが、病院に緊急で救急車を使わずに受診するには、「受診の前にお電話でご相談ください」となっていることがほとんどです。お電話でご相談くださいと言われても、外国語に対応しているわけもなく、日本語が全くできない外国人が自分で電話することは不可能です。
当センターでは日本語のできない外国人の方の代わりに、電話で医療機関に問い合わせることがあります。その場合、窓口の職員の方が対応することが多く、必要な情報を聴き取って、勤務中の医療従事者に受け入れの可否を確認するという行程があります。すると、現在の症状、既往歴の有無、現在服用している薬の有無、アレルギーの有無、さらには受診希望者の名前、生年月日、連絡先まで聴かれることもあります。それをこちらは相談者からの電話をつなぎながら、聞かれたことを通訳して聴き取りをし、聞き取った内容を窓口の職員に伝えるというやりとりを何回か繰り返します。
ところが、ここまで聴き取りをされても、「対応できる医師がいない」という理由で断られることがよくあります。何軒もの病院に問い合わせて、ようやく受け入れてもらえるところが見つかるという状況です。それくらい外国人が日本の救急外来を受診するのは難しいのです。
次回は診療科の選択についてです。
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