アラル海の砂漠から挑む〜新たな緑と生産を目指して〜「ウズベキスタン沙漠化防止プロジェクト」のために

寄付先

公益財団法人 オイスカ

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柚原結女

支援総額

113,279円

/ 300,000円

37%
  • 支援総額

    113,279円

  • 支援者数

    10人

  • 残り

    26日

  • 開始日

  • 終了日

寄付して支援する

中央アジアに位置するウズベキスタン。その西部に位置するカラカルパクスタン自治共和国では「ウズベキスタン沙漠化防止プロジェクト」が進められています。

その目的は、干上がったアラル海の湖底の緑化と現地住民の生計向上です。

アラル海の縮小は20世紀最大の環境破壊と言われています。砂漠化、生態系の破壊という環境破壊に加えて、現地の主要産業であった漁業の崩壊や有害な砂嵐による健康被害など、多面的な被害があります。

この問題に対するウズベキスタン政府の政策に伴い、NGO「オイスカ」は、2021年より同プロジェクトを開始しました。2023年には日本からの大型支援金のもと、カラカルパクスタン自治共和国に拠点をおき、本格的な活動を始めました。

私は2024年3月から現地でプロジェクトに携わっています。活動を通して感じてきた課題の1つに、資金不足と研究の厳しさがあります。

そこで、プロジェクトの安定した活動のために、シンカブルを通してご寄付を募らせて頂きます。

皆様から頂いたご寄付は、プロジェクトにおいて助成金でカバーしづらい現地メンバーの給料や研究用資金を中心として活動推進費として使わせ頂きます。

ストーリー

自己紹介

初めまして、カラカルパクスタン自治共和国にて「ウズベキスタン沙漠化防止プロジェク」に従事しています、柚原結女といいます。

私は2024年3月より、NGOオイスカとカラカルパクスタン農業大学を受け入れ先として1年間の留学をしています。現地では、プロジェクトの活動に加えて、大学での講義・実習や研究室間の共同研究も行なっています。

ウズベキスタン、カルパクスタン自治共和国について

ウズベキスタンやカラカルパクスタンは、あまり馴染みのない地域かもしれません。

ウズベキスタンは中央アジアに位置する旧ソ連の国です。カラカルパクスタン自治共和国はウズベキスタンの西部に位置します。その大部分は砂漠が占め、年間を通して雨はほとんど降りません。

現地の主要言語はカラカルパク語。ウズベキスタンの公用語であるウズベク語よりも隣国カザフスタンの公用語であるカザフ語の方が近いと言われています。

実は、ウズベキスタンやカラカルパクスタンでは親日の傾向がかなり強く、日本人と言うと非常に喜んで喋りかけて下さります。日本語を勉強している学生や、日本で仕事や勉強をしたいという方もいたりします。国の雰囲気や家庭感は少し前の日本に似ており、「おしん」は現地でかなり人気のドラマです。

産業としては、綿花や小麦を中心とした農業やガスや金属採掘といった鉱業が盛んです。

活動の背景

『アラル海』は、カザフスタンとウズベキスタンにまたがる、かつて世界第4位の面積だった湖です。しかし、ソ連時代の1960年代より急激に水量が減少し、10分の1以下にまで縮小してしまいました。

その大きな原因は、大規模な綿花栽培のためにアラル海につながる2本の河川水を大量に灌漑水として使用したこと。

アラル海の縮小に伴って湖の塩分濃度は上昇し、生態系は破壊されました。

魚が死滅したことで、周辺住民の生業であった漁業は崩壊しました。

干上がった湖底の塩分や有害物質を含んだ砂嵐は、住民の健康に危害を与えてきました。

20世紀最大の環境破壊と言われています。

この状況に対して、カザフスタンでは北部の小アラル海の復活を目指し、南部の大アラル海への水の流入量を調節することで復活を図ってきました。

一方のウズベキスタンは、水領域の復活は諦め、大規模な緑化が展開されてきました。目的は、アラル海湖底の土壌表面を植物で覆うことで、有害な物質を含んだ砂嵐の発生を抑えること。現在も進められています。

私たちの取り組み

このような現状下で始まった「ウズベキスタン沙漠化防止プロジェクト」。

アラル海湖底の砂漠緑化と薬草栽培による住民の生計向上を目指して2021年よりNGOオイスカが活動を開始しました。2023年には日本からの大型支援金を受け、現地の農業大学及び林業局と本格的にプロジェクトをスタートしました。プロジェクトは2030年までの10年計画です。

本格始動2年目の今年は、1年目に失敗した実験用苗畑の向上のために土壌改良や試験栽培を行ってきました。また、種子の発芽率や植林における苗木の活着率を高める方法や、活着が非常に難しい高塩害地における植林方法の試験、普及を行ってきました。

現地住民の生計向上という視点からは、砂漠地や塩害地に強い薬草栽培の普及や仕組み作りに加えて、新たな産業として可能性のある野菜の試験栽培も行いました。

さらに、現地のニーズに合わせて大学や他機関と共同で講習会や実習、報告会等を進めることで、現地機関とのコネクションの再構築や情報収集に努めてきました。

見えてきたプロジェクトの意味と課題

私は活動を通して、プロジェクトの課題や疑問を沢山感じてきました。同時に、このプロジェクトの意味を考えてきました。

例えば、アラル海の植林はウズベキスタン政府が大規模に行ってきました。2018年から開始し約190万haの植林が行われました。(林業局聞き取り2024年9月時点)では、なぜ日本の1NGOが取り組む必要があるのでしょうか。

アラル海湖底の砂漠は塩分が高いという特徴があります。アラル海の砂漠化に伴って水に溶けていた塩分などが蒸発析出したためです。その塩分の量はアラル海内でも場所によって異なっており、苗木の活着に大きく影響するため、場所に応じて工夫した植林を行う必要があります。

オイスカは、苗木の活着率が非常に低い高塩害地や、林業局が従来の方法で失敗した場所を中心に試験植林を行っています。オイスカは長年、内モンゴルにて砂漠緑化に取り組んできました。その経験や知識を活かして、ウズベキスタン政府がより効率的な植林を進めることができるよう尽力しています。

また、これらの活動を通して、日本の他機関がウズベキスタンやアラル海に注目し、新たな繋がりや挑戦が生まれていく過程を現場で見てきました。そういった国同士の関係性構築という側面においても、このプロジェクトは担っているのではないかと私は感じています。

そして、プロジェクトの大きな特徴は、植林という環境的な視点だけでなく、現地住民の収入向上という視点で活動すること。

漁業が消失したアラル海付近の村では出稼ぎの隣国カザフスタンへ行くのが見られます。また、カラカルパクスタンは決して金銭的に裕福な地域ではありません。そこでプロジェクトを通して新たな雇用を産むこと、新たな産業を作り出すことで、収入向上を目指しています。この様な複合的な視点は、持続的な緑化のためには植林だけでは成り立たないと知っているNGOオイスカだからこそできる活動であると私は感じています。

実際に現地で活動する中で感じてきた課題の中に、資金面の不十分さと研究の乏しさがあります。

NGOオイスカでは基本的に活動資金を個人支援者や団体からの寄付、政府の補助金から確保しています。このような資金には条件や使い道等が細かく指定されており、現地で必要な経費を落とせないことが多々あるため、現地の自己資金や自己負担に頼っている現状があります。また、年によって額が大きく変動することもあり、安定した資金の確保は難しいです。

私達の現場でも実際、2年目の今年は予算が大幅に減ったため、活動は節約して行なってきました。現地メンバーの中にはプロジェクトでの仕事が主な収入である人もいるため、給料に影響が出ることがないようにするのはもちろんのこと、十分な給料を準備する必要性を感じてきました。実際、メンバーの給料については、現地の他の職業と比較しても決して十分とは言えない額です。このような状況に対して、今年は現地での収入作りにも挑戦しましたが、まだ構築できていない状況です。

来年度プロジェクトは本格的に始動後3年目を迎えます。3年目ではオイスカ中心の活動から、地域住民や他機関との連携を増やした活動を行いたいと考えています。これからの活動を見越しても、給料面を整えることでプロジェクトメンバーが働きやすい環境にする必要があります。


研究面について、NGOオイスカではこれまであまり優先されていない活動でした。例えば、現時点では研究費を予算計上することは難しいです。

しかし、実はアラル海という現場には謎が非常に沢山あります。植林や育苗につながる調査項目も沢山あるはずですが、現地での研究はあまり進んでおらず、十分とは言えない状況です。カウンターパートである農業大学でも植林に関連する研究活動が行われていないのが現状です。

そこで、オイスカが進んで研究活動を行う重要性が考えられるのですが、資金的な壁があります。分析に関連する費用が高額であることはもちろんのこと、フィールドがアラル海であるだけに交通費等にもかなりの費用がかかってしまいます。

加えて、カウンターパートである農業大学の研究制度は整っておらず、研究費の仕組みに問題があるため、学生や先生は分析、実験などをしたくてもできない、挑戦しようと考える人も少ないというのが現状です。制度の見直しは難しいことですが、例えば、進んで大学の研究室を使うよう努める、プロジェクトを通して学生と一緒に研究を行うことができます。これらを通して、植林や育苗試験等の向上に加えて、カウンターパートとのコネクション構築、研究制度の向上などに期待ができます。

これらを踏まえて、広く研究の必要性を理解してもらうこと、研究・調査の資金を作る必要があります。

寄付金の使い道

上記のような課題点を踏まえて、寄付金を募ります。

頂いた寄付金は、プロジェクトの推進費(現地メンバーの給料、研究費、調査費を含む)として使用します。

例えば‥

・プロジェクト現地メンバー1ヶ月給料1人分:約3.4万円

・ヌクスからアラル海へ往復の車用燃料費:約1万5千円

ご協力のほどよろしくお願い致します!


〒1680063

東京都杉並区和泉2丁目17番5号

03-3322-5161

https://oisca.org/

代表:理事長 中野悦子

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