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バングラデシュ国籍で中学生のMさんは、長年非正規滞在者(注1)でしたが、2024年3月に在留特別許可を得ました。正規の在留資格を得たことで、教育や社会福祉に関する公的な助成が給付されるようになりましたが、今までの経済的な厳しさがすぐに解消されるわけではありません。そのような状況のなか、Mさんの中学校では秋に関西への修学旅行を予定していますが、その旅費である約8万円の支払いが大変難しいことがわかりました。Mさんの状況を鑑みて、当団体への寄付金から旅費の一部を補助しましたが、十分な額ではありませんので緊急のカンパを行います。皆様からのご支援をお待ちしております。
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注1)「非正規滞在者」とは在留資格がなく滞在している外国人のことをいいます。行政では「不法残留者」という名称を使用していますが、移民研究者や当団体含む外国人支援団体は、さまざまな事情で在留期間を超えて滞在せざるをえない人びとの状況を考慮し、「非正規滞在者」を使用しています。なお、出入国在留管理局にて仮放免の手続きを行った方については「仮放免者」と呼ぶことがあります。
ストーリー
非正規滞在だった中学生のMさんは2024年3月に在留特別許可を得ました
バングラデシュ国籍で中学生のMさんは、長年家族で非正規滞在でしたが、2024年3月にMさんと母親、きょうだいが在留特別許可を得ました。ただし、父親は得られず引き続き非正規滞在のため、突然収容施設に収容される可能性があり、いつ家族が離ればなれになってもおかしくない状況で暮らしています。加えて就労できる人が家族で母親だけですので、家族の家計が逼迫しています。
Mさんの修学旅行費用への寄付をお願いします
Mさんの中学校では秋に関西への修学旅行を予定していますが、その旅費が約8万円かかります。Mさんのご家族の経済状況が良くないことから、居住している自治体の就学援助制度を申請しました。この制度は修学旅行費用でも使用できるものの、まだ支給されるかわからず、加えて支給が決まっても後払いのため、旅費の支払いに間に合いません。そこで、非正規滞在の子どもたちをサポートする支援者からの寄付金から旅費の一部を補助しました。しかしながら、十分と言える額ではありませんので、緊急のカンパを行います。Mさんが安心して修学旅行に参加できるよう、もしカンパにご賛同してくださる方がいらっしゃいましたら、ご協力いただけますと幸いです。
「移動の自由」を得て広がる活動の幅
非正規滞在で仮放免になっている人は居住地域の都道府県以外に外出する際、事前に入管に「一時旅行許可申請書」を提出する必要があり(注2)、移動が制限されています。そのため、Mさんはこれまで自由に旅行をすることができませんでした。今回修学旅行に参加することでさまざまな場所に行き、経験や学びを深めてもらいたいと願っています。
注2) 出入国在留管理庁 「一時旅行許可申請」https://www.moj.go.jp/isa/deportation/procedures/16-11.html
Mさんから支援者の皆様へのメッセージと近況報告をいただきましたのでご紹介します
(スタッフにて内容を編集させていただきましたので、原文は写真をご参照ください。)
必要なときにいつも手伝っていただいた支援者の方々に心から感謝しています。ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
修学旅行でやりたいこと
訪れる場所の歴史や文化について学ぶだけではなく、集団行動や時間管理を通じて自主性や責任感を養いたいです。また、観光バスに乗って名所旧跡や観光スポットを訪れることは大きな楽しみの一つです。ガイド付きツアーに参加して深く学びたいです。自由時間に買い物や食事をすることも楽しみです。そして、学校の仲間と一緒に過ごすことで友情を深め、楽しい思い出を作りたいです。
学校で頑張っていること
体育祭や合唱祭、文化祭などの行事に積極的に参加し、楽しく活動しながら頑張っています。委員会活動では、自分たちの担当でないことでもボランティアとして率先して取り組んでいます。勉強を楽しみながら頑張っており、高校進学を目指しています。
在留資格を得たことによる気持ちや生活の変化
3月下旬に在留資格をもらってとてもうれしいです。健康保険に加入できて、すぐに病院へ行けます。