ストーリー
すべての人に扉を開く、
日本初の大型の常設LGBTQ+センター「プライドハウス東京レガシー」。
開設から3年たち、これまでいのちの相談窓口や交流イベント、ユース支援の他、
企業やスポーツ団体・大使館など様々なセクターとの連携を進めてきました。
いかなる性のあり方でも、すべての人々にとって、
安心・安全な居場所を、次の世代にも残したい。
レガシーを持続可能な環境にするために、当事者・アライの方々を含めた皆さまとの協力が必要不可欠です。「ともにクラブ」に参加して、だれもが自分らしく前向きに生きられる社会を目指していきませんか?
■開設から3年。プライドハウス東京を、より持続可能な場所・団体に
わたしたち「プライドハウス東京」は、東京2020オリンピック・パラリンピックを契機に、性自認・性的指向、性別表現に関わらずすべての人が安心して過ごせる環境づくりを目指して、日本初のLGBTQ+の常設センター「プライドハウス東京レガシー」(以下、レガシー)を設立しました。
レガシーでは、LGBTQ+アスリートからのメッセージ展示、スポーツ団体向けの冊子・メディア向けガイドラインの配布など、LGBTQ+とスポーツ・文化・教育の情報発信を大会期間中に実施。その後も、いのちやユース向けの無料相談窓口事業や、LGBTQ+関連の書籍ライブラリーの設置、交流イベントの実施など、あらゆる人々にとってインクルーシブな空間を整えてきました。また、団体全体としても、自治体・企業との協働やセクシュアリティに関する教育・アドボカシー、スポーツを通じたLGBTQ+の理解促進・啓発活動など、セクターを超えた様々なプロジェクトを実施。2023年には東京都から認証を受け、任意団体から正式にNPO法人になりました。
オープンから3年たった今では、累計12,000人以上の方がレガシーを訪れ「声かけが嬉しくて、また来ました」 「学びになった」「今では心の拠り所」と言っていただけるなど、”なくてはならない空間”になっています。
しかし、開設当初から環境も変わり、訪問者や相談者に対してスタッフ対応が追いつかないことが増えています。持続的な運営が課題になると同時に、パリ五輪を迎える今年。わたしたちは設立の原点である”LGBTQ+当事者を含むすべての人が、安心・安全にスポーツを楽しめる環境の整備”に引き続き取り組むと共に、「ここに行けばだれかがいる、安心できる居場所」としてのレガシーをこれからの世代にもつなげていきます。そのためには、皆さまからの継続的なご支援と共創が必要です。
■プライドハウス東京メンバーよりメッセージ
・五十嵐ゆり(共同代表)
”自分らしくあることを否定されることなく、まるごと受け止めてもらえる居場所や仲間は、誰にとっても大事なものです。特にLGBTQ+当事者にとって、それらは「命綱」にもなると、プライドハウス東京への参画や常設センターの運営を通じて、強く実感してきました。また、LGBTQ+関連の課題に関心を寄せ何か貢献したいと考える方々が集う「プラットフォーム」として、組織の枠を越えた協働も数多く生まれています。
今後の安定、持続的な運営を多くの方と一緒に進めながら、どのような性のあり方であっても尊重され、安心して暮らせる社会を、みなさんと一緒に作っていきたいです。今後も、プライドハウス東京にご期待を!”
・野口亜弥(共同代表)
”LGBTQ+に関する課題に対して、様々なアプローチ方法がある中で「文化・歴史・アーカイブ」や「アスリート発信」など多岐にわたる事業を展開しているのが、わたしたちプライドハウス東京です。スポーツ界全体としてLGBTQ+に関する課題に関心を持つ人々が増えている今、「スポーツとLGBTQ+」分野の仕組みづくりや啓発活動に着手する数少ない団体として、スポーツを通じた理解促進・前向きなアクションにつなげる活動も進めています。
社会の中で可視化されず、着手できていない課題が他にも沢山ありますが今後も、LGBTQ+当事者それぞれに寄り添った包括的なサポートができるような存在であり続けると同時に、「社会の中でもっとここに目を向けないといけないよね。」と発信できる存在・役割を担えたらと思っています。プライドハウス東京の応援を、よろしくお願いいたします!”
・小野アンリ(共同代表)
”「自分みたいな思いを他の誰にもさせたくない」と、その時に思ったことが今の活動の原点です。ずっと福岡でLGBTQ+の子ども・ユースに関わる活動をしてきた私は、2年前からプライドハウス東京の様々なユースサポート事業や、多言語・多文化推進事業に携わってきました。この場所に私が子どもの頃に来ることができ、ありのままの自分で当たり前に受け入れられていると感じられる居場所を持てていたら、私の人生は大きく変わっていただろうと、いつも感じています。これからは、どのようなLGBTQ+や「そうかもしれない」と感じている人達にとっても安心、安全に過ごせる場所として今まで以上に進化させ、プライドハウス東京のコンソーシアムがさまざまなインターセクショナリティをもつ仲間が安心して活動することのできる組織にしていけるように、精一杯努めていきます。”
・松中権 (理事/初代代表)
”プライドハウス東京は、「次世代」を特に大事に考えている団体であり、数多くのステークホルダーが大きなイベントやパレードに短期的に関わるのではなく、中長期の活動を共創しながら取り組んでいるのが特長だと思います。
レガシーは今、「こんな場所があったらいいな」から、「この場所がずっとあったらいいな」「この場所がこんなふうにより良くなったらいいな」と思っていただける居場所となれるように、プロジェクトとして次のフェーズに進もうとしています。沢山の方々の思いを、次の世代、次の時代へとバトンを渡していけるか、渡し続けていけるか、とても大切な岐路に立っていると感じています。誰もが、訪れる人であり、迎える人であれるために。より開かれた存在を目指す、大きなチャレンジです。ぜひ、これからも、ごいっしょに。”
・村上愛梨(「アスリート発信」チーム 理事)
”居場所があるか、ないか。それは大きな違いです。わたしが学生の頃は、セクシュアリティについて悩みを相談できる環境はありませんでした。悩みを話せたり、相談できる大人がいる空間があることで、その後の人生も大きく変わるのではないかと感じます。
先日、ラグビーの大会会場でプライドハウス東京のフラッグがはためく姿を見たことが、感慨深かったのですが「当事者であるかないか関係なしに、ラグビーをしていたら仲間。」そう思いました。
一人のアスリートとしても、プライドハウス東京レガシーのような安心・安全で自分らしく過ごせる居場所の存在が必要です。これからも、たくさんの人々の居場所であり続けるために、応援をよろしくお願いいたします!”
■日本における、LGBTQ+支援をとりまく課題
①全国各地にNPOがある一方で、個々の団体規模・リソースが限られてしまう事で、取り組みの拡大や大きなインパクトを生み出すことが難しい構造になってしまっている。
②まとまった情報にアクセスしようとした場合にも、情報が分散しており個別のNPOに問い合せが行ってしまうなど、ポータル・ハブ的な情報提供を行う仕組みがない。
③地方自治体のソーシャルワーカーやNPO担当者などがいて、学びの意欲があった場合でも知識や実践スキルを強化する機会や場が限られている。
こうした中、プライドハウス東京が蓄積してきた支援のノウハウを共有するとともに、プライドハウス東京をハブとして様々な団体の取り組みを相互に学び合える場所を提供できると考えています。
「プライドハウス東京」は、LGBTQ+の自殺防止事業や他の地域・自治体との連携を通じて、コミュニティのハブとなり、各地の団体に支援のノウハウを共有するという大きな役割を担っていると考えています。
LGBTQ+当事者とアライのコミュニティが、制約を超えて安心してつながり、自分らしく過ごせるために、プライドハウス東京レガシーを起点とした居場所づくり、スポーツ・教育など分野を超えた連携による環境整備や各種の啓発活動など、多角的な取り組みを実施しています。今後も、各地の実情を理解し、それぞれの声に寄り添って事業を進めるなど、着手できる活動の可能性をさらに広げていく予定です。
■「ここに行けば、だれかと会える、話せる、学べる」居場所をこれからも
2020年10月に開設したレガシーは、すべての人に開かれた、常設の総合LGBTQ+センターです。約3,500冊のLGBTQコミュニティ・アーカイブの本棚を取りそろえたライブラリのご利用、ちょっとしたお悩みからセクシュアリティに至るまでの幅広い相談の実施や、みんなとカジュアルに楽しめるイベントなど、多種多様なスタイルでご活用いただき、だれもが安心・安全に過ごせる場所となっています。
【レガシーのご利用スタイル】
①無料の相談窓口
LGBTQ+当事者、そうかもしれない人、そのご家族やご友人もご相談いただける窓口を設置しています。
②ゆるく交流
スタッフや来館者とおしゃべりするなど、気軽に交流することができます。もちろん、ゆったりと過ごせる場所としてもご活用いただけます。
③豊富な情報のラインナップ
ライブラリーのLGBTQ+関連の書籍・雑誌・リーフレットを閲覧することができます。
④便利な設備・機能
携帯電話の充電やフリーWifiなど、便利な機能がそろっています。
⑤あらゆる人に開かれたイベント・企画
ユース向けの交流会や、スタッフやだれかとお話できるレガシーサロン・ばんめしサロン・おでかけサロンまで、様々なイベントを開催しています。どのイベントも、「ちょっと参加してみたいな」という方から、だれかと語り合いたい・アクティビティをしたいという方まで、幅広く楽しめる内容となっています。
また、トランスデーやユースデー・デフデーなど、より多くの人々がレガシーに気軽にお立ち寄りいただけるような特別な日も設けています。
【前向きな変化を起こす「ハブ」であり続けたい】
レガシーにご来館いただいた方からは、「声かけが嬉しくて、また来ました」・「思いきって来てみて良かったです」・「面白い本が置いてありますね」などの嬉しいお声をいただいたり、旅行の際にふらっと訪れる方もいらっしゃいます。まさにレガシーという存在が、「だれかと会える、話せる、学べる」居場所としての機能を果たしていると言えます。
一人一人がレガシーで過ごす時間・つながりを通して力を蓄え、一歩をふみ出す。そこから少しずつまわりの人と関わり合い、ポジティブな変化を起こしていけるような「ハブ」としての役割を、今後も高めていきたいと考えています。
■「ともにクラブ」を、一緒につなげていきたい!
あらゆる人々にとっての安心・安全な居場所や、LGBTQ+インクルーシブな環境を整える活動を進めていくためには、これまで以上にリソースの確保・拡充、体制基盤の強化が不可欠です。例えば、プライドハウス東京事務局の常勤スタッフ1名を雇用するためには、1名様あたり毎月2,000円を、1年間で1,000名の方からご寄付いただくことが必要となります。皆さまと、プライドハウス東京をより持続可能な団体にしていきたいです!
※「ともにクラブ」は、毎月1,000円からのご寄付で活動をご支援いただけるマンスリーサポーター制度です。
【皆さまのご寄付で】
毎月2,000円をご寄付いただける方が1000名いると、例えば下記のようなプライドハウス東京の組織体制や設備の強化に直接つながります。
①レガシーのスタッフを2名→3名に増員し、各種対応の円滑化
②プライドハウス東京事務局の常勤スタッフの確保
③レガシー館内の設備・サービスの拡充。より来館者の目的に応じたご利用が可能に
例)くつろげるエリア・アクティビティエリアの設置・レイアウト変更など。
例)レガシー館内のユースにも嬉しいNintendoやカードゲームの拡充など。
【「ともにクラブ」にご参加いただくと】
プライドハウス東京が主催するイベント案内や活動報告、レガシーで定期的に開催している交流イベントのお誘いが受け取れます。また、今後はドリンクチケットやレガシー貸切などレガシーご来館の際にご活用いただける各種特典のご用意も検討しています。
■わたしたちの活動にお寄せいただいた声
プライドハウス東京の活動に、皆さまから温かいメッセージをいただいています!
「プライドハウス東京と関わる中で、自分のことを話せる人々が増えてきていると感じます」(LGBTQ+当事者)
「ろうLGBTQ+の方、ろう者、難聴者への配慮や手話通訳の設置など、より多くの人々に情報が届くような取り組みにも共感しています」(協賛企業)
「セクシュアリティの話題について話すのは、はじめてでした」(ユース)
「ラグビー大会の際に、LGBTQ+の旗がラグビー協会の旗の横に立っている光景を見ました。当事者であろうとなかろうと、仲間として旗を掲げていることが、すごく大きな変化だと感じました。スポーツ界全体としても、LGBTQ+に関する課題への関心が高まってきており、スポーツにおけるポリシーづくりなど、プライドハウス東京の取り組みが寄与している部分も大きいと思います」(スポーツ関係者)
■スポーツを中心に様々なLGBTQ+インクルーシブな環境づくり
プライドハウス東京は、「スポーツとLGBTQ+」の分野に着手している数少ない団体として、スポーツを通じてLGBTQ+への理解を深め、差別撤廃やインクルーシブな環境を整えるための社会変革に取り組んでいます。
【「スポーツとLGBTQ+」の取り組み】
①スポーツ界のダイバーシティ研修
プライドハウス東京は、すべての人が楽しめるスポーツ界を目指し、競技団体やアスリートなどへのダイバーシティ研修を行っています。例えば、スポーツ界のLGBTQ+の課題に対して行動する「アライアスリート」プロジェクトでは、現役・元アスリート向けに全3回の研修を実施。アライアスリートとして認定された後は、トークショーへの登壇・大会を通じたアウトリーチ活動など、多くの人にLGBTQ+の課題に関心を持っていただけるアクションをしています。
2022年に日本オリンピック委員会、2023年には日本ラグビーフットボール協会及びジャパンラグビーリーグワンと包括協定を締結。選手が性自認や性的指向、性別表現に関わらず、最大限に力を発揮できる環境を整える他、ラグビー関係者への性の多様性に関する知識の普及・啓発に向けて、研修会やセミナーを開催しています。
また、体育やスポーツ現場における、ジェンダー・セクシュアリティ観点での環境改善への取り組みを実施。LGBTQ+のユースが体育やスポーツ現場において困難に直面しやすい状況を改善するために、ユースと指導者の大人が直接ディスカッションし、正しい相互理解を得るためのユースカンファレンスも開催しています。
②スポーツイベント・企画を通じた発信・啓発活動
アスリートなどスポーツ関係者のみならず、大会・イベントに立ち寄ったスポーツファンや一般の来場者への発信・啓発活動も行っています。例えば、東京2020オリンピック・パラリンピック開催の際、インクルーシブに関する図書を選手村に設置。2023年には、「スポーツイベント・ボランティア」チームを中心に、『世界水泳選手権 2023 福岡大会』にてブースを出展し、セクシュアリティへの理解を深める情報冊子やリーフレットの配布を行いました。
LGBTQ+の課題への差別や偏見が未だ強いとされるスポーツに対する正しい情報を人々に届けるとともに、多様な性のあり方に対する社会の理解を促進していきます。
■プライドハウス東京について
「プライドハウス東京」は、東京2020オリンピック・パラリンピックを契機として、LGBTQ+などのセクシュアル・マイノリティに関する情報発信を行い、多様性に関する様々なイベントやコンテンツの提供を目指すプロジェクトとして、2018年9月に発足しました。
現在は、様々なNPO・企業・大使館などが協働するプロジェクトとして、「教育・多様性発信」「文化・歴史・アーカイブ」「ウェルネス・サポート」「アスリート発信」「祝祭・スポーツイベント・ボランティア」「居場所づくり」「仕組みづくり」「レガシー運営チーム」の8つのチームを編成し、コンテンツや施策の企画・検討を進めています。
(団体WEBサイト:https://pridehouse.jp/)