IMPACT 2日目
2024/2/26 22:00
全米各地から社会を変えたい学生、教職員、NPOスタッフが集まるイベント、IMPACT National Conferenceも2日目を迎えました。
IMPACTは自由なイベントで、2日目から参加する人も割といます。
2日目は会場での朝食が提供されました。私の偏見かもしれませんし、このイベントだけかもしれませんが、どうもIMPACTの朝食はマフィンやクッキー、果物など甘いものばかりが多く、ちょっと苦手です。そんな話をアメリカの参加者にしたら、「私が日本に行ったときは逆にしょっぱいものが多かったって思った」と言われ、確かにそうだなぁと思いました。
さて、2日目はアフリカ系アメリカ人で当事者として障害者の権利運動にかかわるImani Barbarinを迎えた基調講演から始まりました。
障害者であり、かつアフリカ系女性というご自身の背景から「交差性」(Intersectionality)についての発言が特に印象に残りました。
昼食はまた会場で用意され、自分で自由に作るタイプのサンドイッチのブッフェでした。お昼休憩を取りながら、The Opportunities Fairというスポンサー団体による出展イベントも行われていました。過去のThe Opportunities Fairには多くの出展団体と来場者がいたのですが、今回は出展団体と来場者が少なく、驚きました。出展団体については、おそらくコロナ禍によって啓発部門が縮小されたところもあったと思いますし、実際にInterfaith(宗教間対話)やイシューに特化した団体の出展はコロナ前に比べると少なくなった印象でした。私が以前勤務していたオックスファムも昨年まではスポンサーを降りていたようですが、今回スポンサーとして戻ってきていました。コロナ後の米国内での学生向けの啓発が盛り返していくのはまだまだこれからのように感じましたが、一方でIMPACTへの学生の参加者の数は以前と変わりないように感じました。団体が投資を少なくしても、社会を変えたいと思うアメリカの学生たちの数が減っていないことに安堵をしましたが、一方でそれだけ社会問題が如実に見え、また学生一人ひとりの生活にも影響を与えているからなのだと感じました。
午後は、3つのワークショップ枠がありました。それぞれ同時に10以上のワークショップが開催されるので、迷いました。まず最初に参加したのは「コロナ後の学生向けの働きかけ」を考えるワークショップでした。米国における学生への働きかけでコロナ前と後での比較、今後どのような取り組みが必要なのかの議論は日本との差も感じ興味深かったです。一人ひとりの学生が既に社会生活の中で構造からの痛みを感じやすくそれを発する機会について、日米間では大きな差があり、日本での働きかけをする際には、「安心の場づくり」とそこからのエンゲージメント(働きかけ)の段階的なファシリテーションが重要なように感じました。
続いて「マイクロアグレッション」のワークショップに参加しました。もともとはエシカル教育関係のセッションに参加しようと思っていたのですが、部屋に入ったところ、「アカデミック感」が強かったので、眠くなりそうと思い、具体的な参加者一人ひとりの痛みの共有などを聞くことを優先し、このセッションに参加しました。マイクロアグレッションは法律などでは差別が禁止されているにもかかわらず、過去の名残などで無意識・意識的な言動の中にある攻撃のことで、アジア系のアメリカ人に「君は英語うまいね。」(あなたはアメリカ人ではない)のような言動で現れます。日本でも「純ジャパ」をはじめ、多くのマイクロアグレッションがあります。セッションでは参加型で行われ、参加者から多くの体験談の共有がありました。学びとして新しいものは特にはなかったのですが、一人ひとりの痛みを聞くことができたのはよかったですし、配布されたマイクロアグレッションのワークシートはとても参考になるものでした。(プレゼンターに翻訳の許可をもらいました。)
2日目最後に参加したワークショップは「組織文化とバーンアウト」でした。講師のWandaは20年以上のNPOでの経験をもち、またこの分野の博士でもあり、組織文化のあり方によってどう人々が疲弊し、それが生産性をも低下させるのかを丁寧に説明いただきました。内容もよかったですが、ワークショップの場の作り方もとても上手で、人数が多かったにもかかわらず、参加者の集中を維持させた能力はすばらしかったです。難しい英語も多くありましたが、私もなぜかずっと集中して参加できていました笑
3日目の夜は特にプログラムは予定されていなく、多くの参加者は街に遊びに行っていました。私は今回、7回目の参加にして初めて、アドミニストレーター向けのレセプションに招待を受けたので、会場である街中にあるライブハウスに向かいました。なお、大学からレセプション会場までは徒歩で30分程度でした。日本であれば特に気にしないのですは、米国の夜道なのでやや不安になり、大学センターのインフォーメーションデスクに聞いてみたところ、「大通り沿いに歩けば“たぶん“大丈夫」といわれ、徒歩で行ってきました。大通りと言っても歩く人は誰もいないので、ビビりながら歩いていました笑
なお、帰りも歩いたのですが、警察のパトカーが止まっていて、余り米国の警察、特にテキサスの警察に良いイメージはないためこれも若干ビビりました。
レセプション会場では、運営メンバー、出展者が歓談をしていました。運営メンバーとおしゃべりを楽しむことができましたし、特にアフリカ系の若者とBLM(Black Lives Matter)や彼が行っている野宿生活者支援の話で意見交換ができ、とても良い時間となりました。
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