先生方の想い①
2023/8/3 16:22
私は今年度から滋賀朝鮮初級学校で教員を務めることになりました。
大学時代、中高生の歴史科目の教授を習い準備してきた私にとって、初級部の教授は未知の世界でした。ましてや、見知らぬ地での新しい生活で目の前は真っ暗でした。
新学期が始まり、授業がスタートしてからは学生達との向き合い方、授業の作り方など教育者としての自身の実力と能力の無さを痛いほど思い知りました。一度過ぎ去ったら二度と戻ってこない学生達の大切な1年間を、私なんかが受け持ってよかったのか、私の今の実力と能力で学生達に何を教えられるのだろうか、こういった悩みと不安は日々膨らみ募っていきました。
こんな私の悩みと不安を勇気と覚悟に変えてくれたのは学生達でした。毎朝、元気に登校して「アンニョンハセヨ(おはようございます)」と大きな声で挨拶してくれる学生達を見て、自分にはできないと絶望し諦めるのではなく、私を「ソンセンニム(先生)」と呼び、大きな声で挨拶してくれる学生達のために、自分に出来ることを探し、実力と能力を蓄えようと思うようになりました。
勇気と覚悟だけでなく、教員のやりがいを教えてくれたのも学生達でした。ウリマルが苦手な学生が教科書をすらすらと読めた時、計算に苦戦していた学生が答えを出せた時、満面な笑みで私に報告し喜ぶ姿を見て、悩みと不安は消えないけれど教員になって良かったなとやりがいを感じました。
滋賀朝鮮初級学校で教員を務め始めて4ヶ月が経った今、学生達の喜びも悲しみも全ての瞬間を共に出来ること、そして共に成長できることが教員の特権であり、やりがいであると心の底から感じています。そして、学生達の笑顔を、学びと成長の場であるハッキョ(学校)を守りたいと強く感じています。
悩みと不安で押しつぶされそうな日々を送っていた、4月の自分に教えてあげたいです。毎日学生達と全力で向き合いたくさんの時間を過ごせば新しい発見があり、学びがあり、共に成長し、やりがいと誇りのある日々を送れると。
ウリハッキョ(私たちの学校)教員という職業を選んだ自身の選択は間違ってなかったと思います。
もちろん、まだまだ未熟で不足と課題ばかりですし、悩みと不安も多いですが、毎日学生達と過ごしながら答えを見つけ、少しずつですが成長していく日々と共に教員のやりがいも自ずと増しています。
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