コモンビートは今年設立20周年を迎えます。この節目を機にミュージカル「A COMMON BEAT」をさらに多様な人たちに届けていこうと「Musical For All ーあらゆるひとに参加と鑑賞の機会をー」という取り組みをスタートしました。この度8/1(火)〜8/31(木)を期間にマンスリーサポーターを募集し、継続的な寄付を募ることで、これからの未来を担っていくあらゆる子どもたちに、ミュージカル「A COMMON BEAT」を鑑賞する機会を提供し続けます。
月1,000円・年間12,000円のご支援で、3席分子どもたちを招待することができます。この取り組みを支える【最初の100人】をこの1ヶ月で募集します!マンスリーサポーター100名分で300席分/年となります。鑑賞した子どもたちが舞台にあがる日を夢見て、ぜひ応援いただければ幸いです!
ストーリー
NPO法人コモンビートは、「個性が響きあう社会へ」というスローガンを掲げ、表現活動によるダイバーシティ&インクルージョンの推進を通して、多様な価値観を認め合える社会を実現し、地球とひとりひとりのより良い状態(ウェルビーイング)を目指して活動するNPO法人です。
さまざまなバリアによってそもそも文化芸術にアクセスできない・しづらい人がいるということに気づく。〜Musical For All 立ち上げの背景〜
私たちは20年間で、約23万人に「異文化理解の大切さ」を伝える、ミュージカル「A COMMON BEAT」を届けてきました。ですが、コロナ禍でミュージカル公演が休止に追い込まれ、改めてどのように私たちのビジョンを実現していくのかを考える中で、コロナ禍問わず、さまざまなバリアによってそもそも文化芸術にアクセスできない・しづらい人がいるということに気づきました。市民活動としてのミュージカルだからこそ、そしてダイバーシティ&インクルージョンを掲げているからこそ、私たちのミュージカルを分け隔てなく誰もが鑑賞できるものにしていきたいと強く感じました。これまでの公演では、多様な方々をウェルカムする準備や用意ができていなかったので、そのギャップを埋めるために、取り組み始めたのが「Musical For All ーあらゆるひとに参加と鑑賞の機会をー」になります。
https://www.mfa.commonbeat.org/
この取り組みの最初の一歩として、5月10日(水)〜6月30日(金)までに実施したクラウドファンディング「見えない・聞こえない人がミュージカル観劇するためのアクセシビリティを整備したい!」を実施しました。無事に成功に終わり、字幕と音声ガイドを制作することができることになり、今後、観劇サポートとして、公演会場で利用していただけます。
https://camp-fire.jp/projects/view/670902
文化芸術に触れることでウェルビーイングになる
ミュージカルなどの文化芸術に触れることはウェルビーイング(Well-being)に繋がります。文化庁の「文化に関する世論調査―ウェルビーイングと文化芸術活動の関連―報告書(令和4年)」の総合考察においても「現在の日本社会においては、どのような人たちにおいても、文化芸術は感情を動かし、人生の意義を感じる上で、広く重要視されるものであり、多くの人の生活の中に取り入れられるべきものではないかと考えられる。」と記載されています。私たちのミュージカルをより多様な人に届けていくことは、私たちのビジョン実現につながっていく新たな道筋です。
https://www.bunka.go.jp/tokeihakushoshuppan/tokeichosa/bunka_yoronchosa.html
日本における幸福学研究の第一人者である慶應大学の前野隆司教授からも「コモンビートの幸せなミュージカル」としてご紹介いただいています。
https://www.well-being-design.jp/news/185/
このように文化芸術に触れることで、ウェルビーイングになっていくことが社会でも重要視されてきている中で、未来を担う子どもたちが文化芸術に触れる体験をすることはとても大切です。だからこそ、もっとミュージカル「A COMMON BEAT」を多くの子どもたちに鑑賞してもらい、心が踊る体験をしてほしいと考えています。ですが、子どもたちは自分たちだけではなかなかこうした文化芸術鑑賞をすることができません。そして子どもたちが観にいきたいと言って家族で観劇するとなれば費用が高額になり敬遠してしまいます。だからこそ、このマンスリーファンディングで資金を集め、子どもたちとそのご家族への鑑賞機会を届けられればと思います。
この社会で生きていくことへのワクワクを感じてもらいたい!〜ミュージカル「A COMMON BEAT」を子どもたちに観てもらうことの意味〜
ミュージカル「A COMMON BEAT 〜感じて欲しい 共通の鼓動〜」は日本全国で20年間にわたり上演され、観客動員数23万人を誇る日本最大級の市民ミュージカルで、「異文化理解の大切さ」と「平和への願い」を届けるエンターテイメントショーになります。
作品のテーマがダイバーシティ&インクルージョンそのものであり、鑑賞することで「違い」や「多様性」について考える機会になります。違いは恐れるものなのか、それとも歓迎するものなのか。ミュージカル「A COMMON BEAT」を鑑賞することで、頭で考えるだけではなく、心で感じ取ってもらえればと思います。とてもシンプルなストーリーなので、子どもたちにも十分にメッセージが伝わります。
また、このミュージカルは市民100人が舞台に上がって演じていることも大きな特徴です。18歳以上の大人たちが「やりたい気持ち」で集まります。自分の親や学校の先生のような「普通の大人」たちが、大舞台でイキイキと自分を表現する姿を観ることで、作品のメッセージだけでなく、子どもたちにとっての「大人になること」へのイメージをポジティブに感じてもらうきっかけにし、この社会で生きていくことへのワクワクにつながればと思います。
<公演を観ての感想アンケート>
【保護者】
小学生の娘二人と来ました。皆同じじゃない、個性を認め合える社会、子供たちが何かを感じ取ってくれたかと思います。(40代・女性・パート)
ストーリーが子供にも理解できると思います。4つの国の思うことも分かりやすく、一緒に楽しみたいと感じる今の世界をステージ上で表していると思います。(40代・女性・会社員)
今、学校などでは出る釘は打たれ抜かれてしまうことも多い世の中、個人個性を大切にしようと語りかけられている気がしました。二人の子育てまっただ中の私ですが、枠の中に押し込めずそれぞれの長所を大切に伸ばしてあげられるように、ときどきこのミュージカルを思い出したいと思います。(50代・女性・主婦)
戦争しているシーン。子供も印象に残ったそうです。戦争を知らないこの子たちが感じるその意味は言葉では伝えがたいからです!とても考えさせられた。(30代・女性・会社員)
【子ども】
みんながとても表情豊かで場面によってころころと表情がかわり、みんながみんな主人公というかんじがした。公演してる人と見てる人の一体感があってすごくたのしかったです。(10代・女性・中学生)
かんどうしました。とくに、みんなが友だちになるところやたたかい合っているところがかんどうしました。みんな元気でわたしも元気になりました。(10代・女性・小学生)
僕はこの公演を観て「違いを認める」ということの難しさを感じました。自分なりに考えて、それを他の人達と深めあうことで、違いを認めることができるのかなと思いました。(10代・男性・中学生)
この公演を見て、どんな人でも、分かち合えば、みーんななかよくなれる!と思い「ユウキ」をもらいました!(10代・女性・中学生)
中学校では、ささいなことでいじめになりました。それに気づかないふりをしている自分がすごく恥ずかしくなりました。自分から何事にも歩み寄っていこうと思いました。(10代・女性・高校生)
平和がせんそうになったシーンもあったけど、また平和になったシーンがとても感動しました(10代・男性・小学生以下)
とても大きなこえで赤やみどりや青やきいろできれいでした。さいごみんなでなかよくしていいとおもいました。(10歳未満・小学生)
鑑賞した子どもたちが、舞台にあがる日を夢見て
マンスリーファンディングを中心に、様々なルートで寄付を受け付けて、未来を担うあらゆる子どもたちにミュージカル「A COMMON BEAT」を届けていきます。そうすることで、「大人になったらこの舞台にあがりたい!」と思う子どもたちが現れ、ゆっくりゆっくりと鑑賞から参加につながる循環がはじまります。様々なバックグラウンドを持つ子どもたちが、将来キャストになることで、多様性の幅が広がっていきます。
子どもたちがミュージカル「A COMMON BEAT」を鑑賞し、参加するまでには時間がかかります(ミュージカル参加は18歳以上のため)。ですが、これまでにも、子どもの頃に招待でコモンビートのミュージカルを鑑賞したことが記憶に残り、18歳になってからキャスト参加する例も生まれています。鑑賞するだけではなく、舞台に立つことができる市民ミュージカルならではの醍醐味です。
寄付金の使い道
このマンスリーファンディングで集められた寄付金は「子どもとそのご家族の招待費用」に充てられます。まずは【月額1,000円のマンスリーサポーター100名】を集め、300名分の招待費用120万円(月10万円)を準備することが今回のキャンペーンの目標です。
今までも長年にわたり「子ども招待活動」を実施してきました。これまでは招待にかかる費用は持ち出しで、実施する/しないに関しても各公演によって検討していました。このマンスリーサポーター制度を開始し、サポーターが多くなればなるほど、基盤を整えて、今まで以上に力をかけて、未来を担う子どもたちを招待することができるようになります。
今回のキャンペーンで100人が集まらない場合も、57期東京・58期関西での招待活動は実施します(従来通りの費用持ち出しです)。そして、今回のキャンペーン以後も継続的にマンスリーサポーターの受付をしていきます。年度ごとに集まったお金をまとめ基金化(プール)し、年度ごとの招待費用に充てていきます。
今まで以上に対象を広げていきたい
今までも17歳以下の青少年(小学生〜高校生)を招待してきましたが、舞台芸術における「見る・聞く・移動する」の3大バリアに対して、観劇サポート(字幕・音声ガイドなど)を整えることができたので、さらに聴覚や視覚に障がいのある子どもたちに招待対象を広げていきます。そして、今後も対象を広げ、不登校・中退・経済的困難など、さまざまな境遇にある10代の若者たちや、外国にルーツのある子どもたちや留学生、ひとり親家庭の子どもたちなども招待していこうと考えています。あらゆる子どもたちに届けられるように広げていきます。
<57期東京公演・58期関西公演での招待先(予定)>
8月に開催される第57期東京公演及び11月に開催される58期関西公演では、盲学校の子どもたちそのご家族、聾学校の子どもたちとそのご家族、児童養護施設の子どもたち、会場となる北とぴあ及び吹田市文化会館メイシアターの周辺の小学校の子どもたちとそのご家族を招待する予定です。
ゴールのないプロジェクトへの挑戦
この Musical For All の取り組みにはゴールはありません。ひとりでも多くの方に、少しでも多様な方にミュージカル「A COMMON BEAT」を鑑賞していただくために継続していきます。それは参加と鑑賞におけるアクセシビリティを整備していくこともそうですし、招待の費用をご支援いただいて、あらゆる子どもたちに対して、鑑賞体験の機会をつくっていくこともそうです。
取り組みを続けることで、社会と連携しながら応援を集め、ミュージカルの「鑑賞」と「参加」の多様性の幅が広がり、みんなでミュージカルを楽しむ土台が生まれればと願っています。
その過程にはたくさんの挑戦と失敗が起きますが、私たちの市民ミュージカル・市民活動の在り方が、他の市民団体のモデルとなるようにノウハウを公開・共有します。日本社会全体に「Musical For All」のような取り組みが広がっていくことを目指します。
子どもも大人も含めたあらゆる人、つまり、ひとりひとりの市民が、私たちのミュージカルを鑑賞し、参加することで文化芸術に触れ、ひとりひとりがウェルビーイングになっていくことを願っています。
ぜひ、この取り組みを応援いただければ幸いです。