はじめまして、一般社団法人ケアと暮らしの編集社です。
私たちは、兵庫県但馬地域で図書館型地域共生拠点である「だいかい文庫」を運営しています。だいかい文庫は、本が好きな人を中心にケアが必要な人を含む多様な人が集まる本のある場所です。この場づくりを広げ、誰もがつながりや表現ができる地域社会を実現しようと考えています。
今回、「みんなのだいかい大学」という障がいや疾患のあるなしに関わらず、誰でも教え、学ぶことができる市民大学を作ります。
だいかい大学の運営費用をご支援いただきたく、クラウドファンディングを立ち上げました。
ストーリー
NEXT GOAL達成の御礼 2023/8/1
7月31日、最終日に多くの方にご支援いただき、無事NEXT GOALの100名を達成することができました。本当にありがとうございます。だいかい文庫が多くの方に愛され、まただいかい大学に寄せられる期待の大きさを感じています。地道に運営していきます。
なお、弊社では通年で単発寄付やマンスリーサポーターを募集しております。キャンペーンが終了しましたが、あいにく逃してしまった方がいらっしゃいましたら、下記、弊社の寄付ページからご支援をご検討いただけますと幸いです。
https://syncable.biz/associate/carekura
目標人数達成の御礼とNEXT GOALへの挑戦 2023/7/14更新
期限まで19日残して目標人数達成致しました。サポーターになっていただいた方、SNSのシェアいただいた方、チラシを配っていただいた方、そして応援いただいたすべての皆様の温かい応援、心よりありがとうございます。皆様からいただいたサポートは、だいかい文庫、だいかい大学を実施するためのスタッフ人件費等に充てさせていただきます。ご支援のおかげで継続的に実施できること、心より嬉しく思っております。
そして私たちは、NEXT GOALに挑戦します。100名のマンスリーサポーターを目標にします。だいかい大学のみならず、図書館型地域共生拠点のだいかい文庫、さらにはコミュニティ共創プラットフォームであるゆるいつながり研究室も含めて、行政からの委託事業はない状況であり、期限付きの民間団体の補助金等を活用しながら、スタッフの人件費を運用している状況です。継続して運営するため、引き続きマンスリーファンディングに挑戦します。SNSでのシェア、チラシを配っていただくといったことも本当にありがたいです。よろしくお願い致します!
ケアと暮らしの編集社 スタッフ一同
『VISION』〜気づいたら「Well-being」になっている地域社会を〜
ケアと暮らしの編集社は、医師や看護師、心理士、保健師などの医療福祉の専門職が中心となり、街に暮らすことで気づいたら「Well-being」になっている社会を目指し、市民と医療福祉専門職が当事者性を持ち、関係性を超えて協働して、ケアするまちをデザインすることで、誰もがつながりや表現ができる地域社会を作ります。
『STORY』〜図書館から始まる地域の拠点〜
令和4年度に内閣官房が実施した孤独・孤立の実態把握に関する全国調査によると、「常にある」「ときどきある」「たまにある」と答えた孤独感がある人が40.3%でした。国民の4割もの人が孤独感を抱えています。さらに前年度の36.4%から約4%も増加しており、コロナ禍での孤立孤独の加速が危惧されています。
医療側から見ると、孤独はタバコ1日15本分に相当する死亡リスクという研究が出されており、認知機能、要介護状態、うつ状態、日常生活機能など、多様な能力に悪影響を及ぼすことがわかっています。
孤立・孤独といった病院内で解決できない課題に取り組むため、代表理事である医師の守本は、地元である兵庫県但馬地域で、2016年より屋台で地域に出て住民とコミュニケーションを取り始めました。
YATAI CAFE(モバイル屋台de健康カフェ)は、医者や看護師など医療従事者が小さな屋台をひいて街を歩き、コーヒーやお茶をふるまいながら、気軽に健康の話をする活動です。
このYATAI CAFEは病院の外、日常生活での医療との偶然の出会いをデザインしており、普段、病院に来ない人もコーヒーを片手に医療者と話をすることで、住民と医療をつなげるものでもありました。
また屋台を引いて街を練り歩くことにより、地域のつながり・コミュニティを把握したり、相談者をコミュニティにつなぐ「社会的処方」という活動も行いました。
その延長上として、 実際にある場を作ろうと考え、地域で孤独を解消するためのデザインとして、図書館型地域共生拠点である「本と暮らしのあるところだいかい文庫」が生まれました。
『ACTION』〜3つの柱「図書館・相談所・市民大学」〜
ケアと暮らしの編集社では、兵庫県北部で地域で孤独を解消するためのデザインとして、現在「だいかい文庫」から派生し「居場所の相談所」「だいかい大学」を行なっております。
「みんなで作るまちの新しい図書館のカタチ〜だいかい文庫〜」とは
だいかい文庫は、みんなで作る私設図書館/本屋です。入館は自由です。本を読んだり、借りたり、買ったりできます。
だいかい文庫の貸出本は、すべて一箱本棚オーナーさんからのおすすめ本です。
一箱本棚オーナーになると、だいかい文庫に自分だけの本棚を持つことができます。自分の気に入っている本、だれかにおすすめしたい本などを自由に置くことができます。
また、だいかい文庫での過ごし方は自由です。
いい本がないか見て回るだけでも構いません。コーヒーを飲むだけでも構いません。ゆっくり本を読んでもらうこともできます。館内で出会った人と話しても構いません。だいかい文庫の過ごし方は人それぞれです。
だいかい文庫にある本は、購入用の新刊書籍を除いて、2週間、2冊まで無料で借りることができます(登録料のみ300円または500円)。
「皆さんの悩みを受け止め、一緒に考える〜居場所の相談所〜」とは
だいかい文庫では毎週土曜日、医療福祉専門職が暮らしの相談に対応する「居場所の相談所」を設けています。
まちには市や保健所、社会福祉協議会、地域包括支援センター等の様々な相談できる場があります。
一方で、この相談はどこにすればいいのだろう?こんな小さな悩みだけど聞いてくれるかな?といった疑問も生まれます。
だいかい文庫では、「居場所」に関する相談を受け付けながらも、暮らしの中のどんな悩みも一緒に考えます。
また、相談者ご本人の希望によって、他の医療福祉従事者に意見を聞いたり、連携機関を紹介することもできます。居場所の相談員が受け止め、悩みを解決することが難しくても、一緒に考えることを大切にしています。
「学び合い、"好き"をシェアする市民大学〜みんなのだいかい大学〜」とは
今回新しく始めた活動として、「みんなのだいかい大学」(以下だいかい大学)があります。
だいかい大学とは「学び合い、"好き"をシェアする市民大学」です。
病気や障がいの有無に関わらず、誰でもやってみたいテーマで授業を企画することができ、また生徒として参加することができます。
地方では、自分の趣味や特技を地域で知ってもらうことや共有する場は、まだまだ少ないです。豊岡市を含む但馬地域でも、ボランティアセンターはあるものの、市民活動支援センターはなく、特に障害や疾患がある人が表現活動できる場やそれをサポートする場はあまりありません。専門職等によるサポーターの後押しによって、誰でも自分の好きなことや興味のあることを表現できたり、地域の人と共有できる場をつくることができます。
だいかい文庫で起きたこと
だいかい文庫を開館してから2年以上が経ち、多くの方が足を運んでくれるようになりました。
その中には、障がいや疾患がある方や、仕事を退職また休職して、これからどう生きていくか考えている方、家族を介護中の方など、ケアや居場所を求めている方、だいかい文庫でお店番やイベントをしてみたい、本棚オーナーになりたいという方など、様々な目的でだいかい文庫に来ていただくようになりました。
また、本のある場として、今までに2000冊の本が借りられ、2000冊の本が購入されました。
また、「居場所の相談所」には、子猫を預かってほしい、勉強で悩んでいるといった日々の暮らしのモヤモヤしている悩みや、気分が少し落ち込む、医師に本音を話せないといった健康の相談など、今まで60人以上の方が、来られました。ときに専門の医療福祉機関につないだり、地域の居場所を紹介したり、だいかい文庫にその後も関わってもらうなど、社会的処方(コミュニティの処方)の拠点として、居場所の相談所は大きな機能を果たしています。
生きづらさを抱えた人が、居場所として利用しながら、だいかい文庫を通じて、徐々に社会との接点を取り戻し、社会参加するまで回復していかれる方もいました。
まただいかい文庫で、お店番をしながら、趣味のお茶を来館者に振る舞ったり、コレクションしているこけしの展示会を行ったりする方もいらっしゃいました。
図書館という気軽に訪れることができる場所だからこそ、困難を抱える方も訪れやすく、そこから温かい人々との出会いが「この人たちになら話せる」と悩みを打ち明け、つながりやサービスで少し回復される。そして、その回復の過程にその人らしさを表現する機会を作ることができました。
だいかい文庫を通して、ケアとまちをつなぐ社会的処方の拠点として、地域の社会関係資本や文化資本を耕す場となってきていると実感しています。
だいかい大学で起きたこと
だいかい大学は、2023年1月から始まり、これまで全14回授業を行い、約70名の方々に参加していただきました。
6月以降も多くの授業が企画されており、「メンタルヘルスについて語る会」「京都のまちを語る会」「メルカリを使ってみようの会」など様々な個性溢れる授業が企画されています。
授業を企画する際はだいかい文庫のボランティアスタッフと一緒に企画をつくっていくため、授業を受ける側だけでなく、企画する側も楽しみながら活動できるのが、だいかい大学の良さであると考えています。
授業を企画される方のなかには、疾患や障がいを抱えている方や失業者など、社会的マイノリティの方々にも参加いただいております。
うつ病を罹患された方が体験談をお話しいただく会や視覚障害の方が目の見えない世界について語る会など、当事者にしか話せない話をしていただく機会もありました。
だいかい大学で行なった授業が豊岡市日高町の「高生文庫」という図書館でも取り組まれ、その輪はこれからますます広がっていくのではと私たちスタッフも期待しています。
そして、授業の企画側・受ける側の双方の人が徐々に増えていくことで、豊岡のまち全体に学びと自己表現、ケアの場が増えていってほしいと私たちは願っています。
『WHY』〜「だいかい大学」の拡大と誰もが表現できる地域へ〜
今現在も、5名以上の方がだいかい大学の講師をしたいとの声をいただいています。そのなかには、障がいや疾患を抱えている方もおり、その疾患や障がいをテーマに授業を企画される方もいます。
そのため、現在の弊社の運営体制に加え、さらに時間と人員が必要になりました。
そこで、マンスリーファンディングでサポーターを集めることで、講座の回数を増やして地域の多様な人が表現できる機会をつくっていきたいと考えています。
現在月に3回ほどの授業が行われているのですが、サポーターが集まれば、月に5回以上の授業が行えると考えています。
また、授業回数が増えることで講師が増えるだけでなく、参加者も増え、だいかい文庫に関わる地域の人も増えて、より多くの方が居場所と生きがいを持てるような地域社会になっていくと考えています。
いただいたお金の使い道は?
現在、だいかい大学はケアと暮らしの編集社が行ったイベントの売上等による自主財源を崩しながら実施しています。今回クラウドファンディングを実施することで、いただいたお金を、講座の広報、運営、デザイン等に携わる運営スタッフの人件費に主に充てさせていただきます。継続的な実施に向けて、皆さんご支援よろしくお願いいたします。
『TO BE』〜社会的処方と地域共生社会の実現に向けて〜
ケアと暮らしの編集社では、だいかい文庫の運営を始め、だいかい大学や社会的処方に関するイベントまた研修の企画運営をしています。
今後はリンクワーカーの養成講座、ケアとまちづくりに関わるネットワーク事業など、様々な事業を展開していく予定です。
最初はだいかい文庫の運営事業がメインでしたが、スタッフの増加に加え、金曜日の夜に隔週で開催している「持ち寄りごはん会」や、月1で開催している「ゆるいつながり研究会」という専門職、非専門職問わず、地域でのつながりについて学び合う勉強会の企画も始まっています。さらに認知症の当事者と家族が集うミーティングセンタープログラムも開始しています。
また、だいかい文庫で行うイベントの参加者や、ボランティアの方、常連客の方など、だいかい文庫に関わっていただいてる方ほど、ケアや福祉に関する知識が自然と増えたり、日々の人とのコミュニケーションのなかで傾聴や対話を意識するようになったとの声もいただいています。だいかい文庫を通してだいかい文庫に関わる市民の皆さんが徐々にケアや、つながり、居場所などについて考えていただいているのだと考えています。
今後は、多様な事業を通じて、誰もが居場所や表現ができる、ケアしあえるまちづくりを目指していきます。そのために、みなさまには応援をしていただけますととても心強いです。マンスリークラウドファンディングのご支援、よろしくお願い致します。
一般社団法人ケアと暮らしの編集社 スタッフ一同