緊急支援の先に私たちが描く未来。
2023/2/10 20:14
【質問】人命救助や一時避難の段階が終わったあとも、避難の長期化やその中でどのように復興を行うのかという課題が出てくると思います。まだそれを考える余裕はないと思いますが、現地での今後の体制について見通しがあれば教えてください。
上記の質問は、昨日のイベントでいただいた質問です。
昨日のイベント
これは、大切な視点ですね。現地には今、それを考える余裕がない状態ですので、Piece of Syriaとして目指す形をお伝えさせていただきます。
シリアは戦争により分断され、「政権」「反体制派」「トルコ軍」「北・東シリア自治局」という分かれ方をしています。
(青山弘之先生の作成の地図に、Piece of Syriaが追記)
ですが、この地震を機に、全方位の支援をしていこう、という気運も生まれつつあります。
実際、私の任地の友人から「クルド側から反体制派への支援物資のトラック」が届けられる写真が届きました。
私たちは「支援が届きにくい」地域での教育支援をしてきました。ですが、ここにあるのは、「●●側を支援すべきでない」という視点ではありません。
人道支援は政治的な理由とは全く無関係に行われるべきです。
「●●側と言われる地域に住んでいます=●●支持者」ではありません。
私が青年海外協力隊として住んだ町に住む、長年の友人が大変な状況であれば、迷わず支援を始めたい、と思うのは自然ではないでしょうか。
しかしながら、現在は手続き上の問題が多々あります。
(事実、先程の写真のトラックも入れていない、という連絡もきました)
今回の地震によって、それがどう変わるのかはまだわかりません。
ですが、どの地域でも活動ができる状態となり、現地に日本人を配置し、より近くで一緒にシリアの復興に寄り添っていく活動を進めていくのが理想だとは考えています。
今回の地震についての映像は見ているだけでも苦しいものばかりです。
(シリア人は「戦争で慣れてるよ」と話すので、それも辛いです)
その中で、せめて「想いだけでは、超えられない制度上の難しさを変えられる変化」にしていける形につなげていきたい、という思いで、全方位への緊急支援を始められないかを模索しています。それは決して簡単ではありません。
「シリアをまた行きたい国にする」。そのために、平和なシリアをまた取り戻す。
私たちらしく、現地の人たちと共に、未来をつくる活動を見据えながら、活動をしていきますので、引き続き、応援いただけますと幸いです。
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