特定非営利活動法人ハイヒール・フラミンゴは、女性義足ユーザーが思いや情報を共有し繋がることができる場をつくることにより、義足女性が抱える生きづらさ(心理的・物理的・社会的制約)からの解放と、義足女性のQOLおよびエンパワメントの向上を目的として活動しています。
私たちはこれまで、女性義足ユーザーが思いや悩みを共有し、仲間と共にさまざまな活動ができる場としてフラミンゴカフェというサロンを運営してきました。これからさらに、女性義足ユーザー同士の支え合いに力を入れていくため、私たちはピアサポート事業の実施に乗り出すこととしました。
既に義足ユーザーである女性から、これから義足ユーザーになる女性まで、みんなで繋がり、経験を共有し合うことで、お互いがお互いを支え合うことができます。
そうしたピアサポート事業の確立とフラミンゴカフェの更なる発展に向けて、今回マンスリーファンディングに挑戦することとなりました。応援よろしくお願いいたします!
【募集概要】
◆主催:特定非営利活動法人 ハイヒール・フラミンゴ
◆期間:2023年1月20日(金)〜2月28日(火)
◆初回目標:30人
◆最終目標:50人
◆特典:年次報告書にお名前掲載、お礼メール、年次報告書・オリジナルグッズ送付、特別講演ご招待
◆寄付金の使途:ピアサポーターの育成資金、フラミンゴカフェ全国開催資金、自分を大切にする学びの特別講演開催資金
ストーリー
1、みんなが同じ思いで集まってできた、ハイヒール・フラミンゴ
私は、義肢装具を製造・販売する会社で働く中で、身体不自由で生活介助が必要な子どもを育てる家族と多く出会ってきました。障害をもつ子どもを家族だけで育てるのは難しい。社会福祉制度にも限界がある。何とか地域社会で育てることはできないだろうか?この子たちが地域で活躍できる場作りが出来ないだろうか?という思いで、20年前から当事者が色々な経験が出来るようにと、彼らと共にイベントなどを行っておりました。同時に地域コミュニティやボランティア活動、社内プロジェクトにも積極的に参加するようになりました。
参加する社内プロジェクトの一つ「義足でやってみよう!」で出会った女性義足ユーザーが髙木庸子さんです。
彼女は病気が原因で片足の切断をすることになり、ある日突然、自分の足で当たり前 に歩ける日常を失いました。足を切断する恐怖。これまでの人生で見たことも触れたこともなかった義足での生活への大きな不安の中で、切断手術に立ち向かう時、同じ境遇の女性に会いたいと強く思ったと言います。
当時の彼女が調べることができた義足のコミュニティは、義足を履いてスポーツをしている会しかなく、連絡する勇気は出なかったそうです。
切断手術~リハビリ~義足ユーザーへとなった彼女は、目標であった教壇への復帰を叶えることが出来ました。
しかし、切断前とさして変わらない日常を取り戻しているように見えるかもしれないけれど、義足生活の中で感じるちょっとした悩みや、疑問などを誰とも共有できない 日々は、なんともいえない寂しさと諦めを積み重ねる日々でした。
そんな中、義足を作成した会社から届いたのが「義足でやってみよう!」というイベントのお知らせでした。同じ境遇の女性義足ユーザーに会えるかもしれないと思った彼女は期待を胸に参加しました。
しかし、そのイベントに参加していた義足ユーザーも運営スタッフも男性が中心で、提供されていたサービスは、義足のパーツの試着会やきれいに歩くための筋力トレーニング、義足で走るための情報がメインでした。仲間に出会うためにイベントに参加した彼女は、「私は走りたいわけじゃない」「なぜ参加者に私以外の女性義足ユーザーがいないのか」と私に訴えてきました。
彼女のこの強い思いは私にとって目からうろこでした。義足ユーザーが身近である私の認識では「義足=歩きづらい、走れない、飛べない」だから、それを叶えたいのでは?という固定観念にとらわれた情報提供しかできていなかったことに気が付きました。
女性の参加者やスタッフが少ないことにもなんら疑問を感じてこなかった。彼女が「義足の女性に会いたいのに会えない。女子会をしてもらえませんか」と願いを口にした。それがきっかけで、おそらく日本で初めての「義足女子会」が開催されました。
そして、はじめての女子会を開催したところ、同じ思いの女性義足ユーザーがいたのです!集まった彼女たちは一瞬で繋がり、心を開き、主体的に参加してくれました。これは、必要とされている事なんだと実感した私と髙木さんは、何か強い力の様なものに後押しされるように、女性義足ユーザーコミュニティ「ハイヒール・フラミンゴ」を立ち上げました。
私たちが目標にしたのは、よくある患者会、家族会にはしない。アカデミックに運営し、当事者を中心としながらも周りの方々にも気づきを与え、共感し合える、そして、多幸感のあるコミュニティづくりです。
2、ハイヒール・フラミンゴの軌跡
行けるところではなく行きたいところへ行こう!というフレーズはただ単に自由な移動を可能にするという意味よりも、やりたい事をあきらめないで、進み、自分を肯定し解放しようという意味を持った言葉なんです。私たちは物理的・心理的・社会的な制約から解放されて誰もが自分らしく生きる事が出来る社会を創っていきます。
❤活動内容
義足女性ユーザー・関係者限定のフラミンゴ・カフェの運営
まだ出会えていない義足女性ユーザーに届けるためのメディア出演(TV・ラジオ・新聞)、各種講演会への登壇
LINE・kintoneを使ったオンラインコミュニティ作り
私達には専任のスタッフがいません。それぞれが得意な事をシェアするいわばプロボノ集団とも言えます。誰もが、無理をせず、楽しく繋がって活動することを目指しています。
運営には義足ユーザーも参加して、企画やカフェ開催に携わっています。
❤活動実績
フラミンゴカフェリアル開催11回 162人
フラミンゴカフェオンライン開催23回 317人
講演会その他8回参加者 180人
コラボイベント8回参加者 403人
SNSフォロワー 304人
研究・調査依頼8回 68人
メディア出演:テレビ・ラジオ出演6回、新聞・雑誌掲載・他45回
ハイヒール・フラミンゴの活動を様々なメディアで取り上げて頂いてます。
NHK for School「「義手義足」後編③ ~義足の女性たちをつなぎたい~」:https://www2.nhk.or.jp/school/movie/bangumi.cgi?das_id=D0005170787_00000
関西TVニュース「オシャレな義足でコンプレックスをなくせ 「隠したいと思っていた」悩む当事者に光 義足見えるドレスで結婚式も」:
京都新聞×LINE NEWS 「片足を失っても自分らしさは失わない ハイヒールを履いた義足の女性が仲間に遺した思い」:https://news.line.me/detail/oa-kyoto/vw0nzfhzdgfr?mediadetail=1&utm_source=line&utm_medium=share&utm_campaign=none
義足女性ユーザー以外の女性からの反響も大きく、共感をもたれた記事になりました。
❤受賞
第6回 チャンピオン・オブ・チェンジ日本大賞(CCJA)2022入賞
【CCJA2022 Finalist Pitch】野間 麻子さん/ NPO法人ハイヒール・フラミンゴ、代表:
3、ピアサポート=仲間同士の支え合い
今後の活動の柱は、ピアサポート事業です。ピアサポート事業に乗り出すきっかけとなったのは、前述した高木庸子さんの「同じ境遇の女性に会いたい」という言葉でした。私達は、全国のまだ出会えていない女性義足ユーザーと繋がりたい。彼女達が、自分の事を語り、情報を得て、歩き始め、自己肯定感を取り戻せるように。また、病気や事故でこれから切断をする女性にも会いたい。足を失う苦しみ、哀しみにあっても「行けるところが、まだまだ沢山あるんだ」という希望が持てるように。既に義足ユーザーである女性から、これから義足ユーザーになる女性まで、みんなで繋がり、経験を共有し合うこと=ピアと繋がることで、エンパワーメントされて支援する側へ華麗に変身できます。とはいえ、彼女達は心理学に詳しいわけではありません。義足に関する悩みを持つ女性たちに、適切に寄り添うピアサポートを可能にする為に、カウンセリング研修などの、人材育成が必要となります。
後天的原因による女性の肢体切断者が直面する問題には以下のようなものがあります。
こうした問題を解決する1つの手段となり得るのがピアサポートです。ピアサポートには以下のような意義・メリットがあると私たちは考えています。
1つめが、当事者からのリアルな情報が得られ、切断後の生活のイメージが出来るようになることです。切断までの過程が明確になり、漠然とした恐怖の緩和に繋がります。また、義足の利便性を知ることで、様々な工夫で実現できることの多さに気づくことができます。
2つめが、仲間づくりの第一歩となるということです。同じ経験をして、同じ気持ちを知っている仲間の存在が、切断し義足ユーザーになるという選択を、少し前向きに考えられる強さになります。
3つめが、そうした仲間との情報・活動・悩みの共有ができるということです。同じ活動を共にし、情報や悩みを共有できる仲間がいるコミュニティがあることは、こころの安定や自己肯定感回復の一助になります。
そうしたピアサポート事業の確立には、さまざまな資金が必要となります。具体的には、前述した人材育成のためのカウンセリング講座や研修の実施費用やピアサポート事業を広めるための広報活動費用などです。また、ゆくゆくはピアサポーターを全国に派遣することを目指しているため、その際に必要な交通、事故トラブルの保障などにも資金が必要となってきます。
4、集まるたびに、癒され、強く、美しくなっていく女性義足ユーザー
私たちは、参加しているメンバー全員が主体的にアイデアや意見を出し合える、言わば、「心理的安全性」が担保された環境をつくることをもっとも大事にしたいと考えています。そして、声なき声を顕在化させることが、コミュニティを継続していく為にはとても大切な事だと考えているのです。同じ障害を持つ人、興味のある人が集まって前向きな活動をしている内に、自分のコンプレックスだった障害(義足や義手)が自慢の個性に変わっていくことを目の当たりにしていると、明るく活動的に過ごすには道具やサービスなどの支援ではなく、心の解放がもっとも重要だと感じるようになりました。これは、女性義足ユーザーに限ったことではないと思います。色々な制約を受けている人に、この「心の解放が重要」という視点が広がることによって社会に変革をもたらすと確信しています。
心理的に安全で、多幸感のあるコミュニティと繋がりのある個人が自立すると、自走する(行けるところではなく、行きたいところへいける)ようになります。そして、他者の心を受け取ると、受益者から提供者になることができます。提供者がゆるい紐帯でコミュニティを広げていき、みんながウェルビーイングな状態で繋がっている、そんなコミュニティを目指していきます。
5.サポーターとなってくださったみなさまへ
御礼・特典の内容
サポーターとなってくださったみなさまには、御礼メールと年次報告書・オリジナルグッズの送付と、ホームページ・年次報告書内にてお名前の掲載をさせていただきます。また、ピアサポートに関する特別講演を行う際、講演にご招待いたします。
今回のマンスリーファンディングでご支援いただいた寄付金は以下のような使途で大切に使わせていただきます。
ハイヒール・フラミンゴが誕生したきっかけは
「義足の女性に会いたいけど会えない。どこにいるの?」でした。
これから切断を控えた女性、切断後、自己肯定感を持てない女性
ひとりで悩んでいる女性義足ユーザーと私たちは繋がりたいと思っております。
ひとりでも多くの方にこの活動を伝えていくには皆さんのお力が必要です。
あたたかいご支援、ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。