森ノオト設立10周年!寄付で支えるローカルメディアの次の10年へバースデードネーション

寄付先

NPO法人 森ノオト

誕生日

1月7日

森ノオト事務局

支援総額

1,654,907円

/ 1,500,000円

110%
100%
  • 支援総額

    1,654,907円

  • 支援者数

    177人

  • 残り

    終了

  • 開始日

    2022年12月26日

  • 終了日

    2023年12月31日

キャンペーンは終了しました

地域に生きる人の暮らしを支え、支えられるローカルメディア「森ノオト」

2023/7/7 11:58

NPO法人森ノオト理事長で、初代編集長の北原まどかです。 

森ノオトは2022年度、220人もの方から寄付を受け、メディアを運営してきました。 

なぜメディアの運営のために寄付を集めるのか? という疑問をお持ちの方もいるかもしれません。森ノオトが寄付型メディアを目指した理由について、お話ししたいと思います。 

私は新卒の頃、神奈川県域で行政区ごとに発行している地域情報紙(フリーペーパー)の記者をしていました。「編集・記者」という職業に憧れを持って入ったものの、仕事の8割は広告営業。フリーペーパー(読者が無料で読むことのできる情報紙)を発行するには、そのための財源が必要です。印刷費、新聞折込の費用、営業マンや紙面の制作をする社員の給料、営業車のガソリン代など、紙面を発行するには費用がかかり、その費用以上の収入がなければ紙面を出すことも、社員を育てることもできません。 

私は広告営業によって、まちで商売をする人たちの経営哲学やリアルな生き様を知り、地域経済が活性化していくためのヒントを学ぶことができました。地域のたくさんの人に可愛がられ、幸い、広告営業という仕事が大好きになりました。「メディアを運営していくためには、その財源を確保していくこと、まちを愛する記者を育てていくことが大切」という実感は、新入社員時代に培ったものです。 

次に働いた出版社では、季刊の雑誌の編集に携わりました。1冊の雑誌を発行するにも、作家の先生方の原稿料やイラスト料、カメラマンさんへの謝金、デザイナーさんへの外注費、取材のための出張費や資料代、そして印刷費など莫大な費用がかかります。書店販売の収益が主ですがもちろん広告も必要です。取次店への販売マージンなど流通コストなども含めると手元に残る利益は決して多いとは言えなかったようです。斜陽産業の雑誌が生き残るために、経営陣は日々知恵を絞り出していた姿を思い出します。 

フリーランスになってからはいくつかの出版社に出入りして雑誌を作ったり、ウェブメディアの創刊にも関わりました。大手企業がスポンサーになって、編集委託を受けて運営するメディアでは、編集の方向性にスポンサーの意向を考慮しなければなりませんでした。スポンサーはメディアを支える大切なパートナーであることは重々承知しつつも、記事を書く上でスポンサーに対して忖度する雰囲気が編集部にそこはかとなく漂っていました。 

ウェブメディアでSEO(検索エンジンからサイト訪問者を増やすこと)対策の記事を書いた時には、400字の原稿の中に同じキーワードを10個埋め込む必要があると言われて、文章としての面白さや表現よりもSEO対策が優先されることに、違和感を覚えました。 

ここ最近のウェブメディアを見ると、広告だらけで肝心の記事に行きつかない、ということも増えています。取材せずにネット上に散乱する情報を寄せ集めてつくった「コタツ記事」の多さもひどいものです。記事のタイトルだけが「釣り」であっという間に広告に囲まれてしまう惨状に、子どもにスマホを渡したくなくなる気持ちが湧いてきます。 

森ノオトを始めた時、最初は地域企業がスポンサーとなってくださって、ウェブサイトの構築、月々の活動経費を賄うことができました。スポンサー企業が編集権の独立を認めてくださって、自由裁量で記事を編集することができたのは、とてもありがたいことでした。 

一方で、森ノオトとスポンサー企業が一体化しているように見られることもあり、またさまざまな社会情勢のなかで一社に依存すると森ノオトは持続できなくなる可能性もあるという危機感がありました。1年にわたる話し合いを経て、森ノオトがNPOとして独立したのが2013年1月のことです。 


「三本の矢」という有名な故事があります。一本の矢は容易に折れるけれども、束になれば折れにくい、強い力を発揮するという例えです。森ノオトというメディアを持続していくには、大きな存在に頼るのではなく、小さくとも大勢の個々に支えてもらうことが大事だと考えました。 

森ノオトは元々、環境的に持続可能な社会をつくることを目的としていたのでNPOを選んだのは自然なことでしたが、「理念に共感した個々とつながる、支え、支えられる」という関係性をつくるためにも、NPOという法人格は適していたのだろうと思います。 

私は大学時代に社会福祉のゼミに所属していました。困っている人、苦しんでいる人に寄り添う支援者の道に進む仲間を見ながら、「私はその苦しみや困りごとを社会に伝え、支える人を増やしていくことを仕事にしたい」と思って、メディアの道に進みました。 

「よき地域情報によって、地域のよさを可視化する」 

「情報を通じて誰かの背中を押す、一歩を踏み出すきっかけをつくる」 

情報によって社会の課題を知り、人とつながり、支え、支えられる社会を作りたい。SNSの時代に、誰にでもできる社会貢献が、「よき地域情報を誰かに伝えていく」ことなのではないか、と思うようになりました。 

今、私は、支え合う関係性の総体が、ローカルメディアという生態系の中に感じられるようになればいいな、と思っています。 

 

(2023年1月の編集会議にて。なぜか子どもたちがみな右端のキタハラに釘付け)

良質な情報を社会に送り出すには、費用が必要です。理想とする社会を作っていくために、必要な費用を投じて情報を作り、経済を循環させる一員として、地域で存在し続けたいと思っています。私たち自身が、多様な個々人に支えられ、そのつながりを通して、情報によってたくさんの人を支え、勇気づける存在になりたいと思っています。 

みなさんの寄付が、未来の誰かを情報によって支えます。我々の力は決して大きくありませんが、多くの人とつながることによって、理想とする社会に近づいていくことはできるはずです。森ノオトへのご支援、ご寄付を、どうぞよろしくお願いいたします。 


NPO法人森ノオト 理事長 北原まどか 



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NPO法人

森ノオト

〒2270033

神奈川県横浜市青葉区鴨志田町818-3

0455326941

https://morinooto.jp/

代表:北原まどか

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