発展途上国に暮らす障害者が利用可能な書籍は非常に限られ、毎年出版される本の中でわずか1%以下と推定されます。エファ・ジャパンは、障害がある子どもたちを取り残すことなく、すべての子どもたちが自ら豊かな心を育んでいけるための活動、「本の飢餓」をなくす取り組みを続けていきます。
この冬、子どもたちへ本をプレゼントしてくれませんか?
エファの「歳末募金2022」が始まります。
ストーリー
エファが解決したい課題
ソカー君の物語
お父さんが僕と同じ歳のとき、カンボジアは内戦のさなかだった。
だから、小学校に通うことができなかったらしい。
毎日、朝から日が暮れるまで畑を耕して、
野菜を売りながら僕たち兄弟を育ててくれたお父さん。
どれだけ疲れていても、一緒に水浴びをしてくれたお父さん。
お父さんが、お金をだまし取られた。
一生懸命つくった野菜が、ただ同然で運ばれていく。
サインをしてしまった一枚の契約書。
「学校に行っていたら」「字さえ読めたら」
そういって悔し泣きする父の背中を見て、思った。
「どうか僕に、字をください。」
僕が字を読めるようになり、
お父さんのように悲しむ人をこの村からなくしたい。
そのためにも、僕は本を読みたいんだ。
親から子へと続く貧困
エファの活動地域であるカンボジア、ラオス、ベトナムでは、戦争のつめ痕が貧困や格差となって今も残っています。親から子どもへ引き継がれる貧困のスパイラルを断ち切るには、子どもたちが自分の力で未来を拓くための教育が必要です。
障害児・農村部の子どもの教育格差
障害児や農村部に暮らす子どもたちは教育機会が少なく、学習に必要な教材も著しく不足しています。エファはこうした子どもたちの成長にマッチした教育の機会を提供し、生きる力を培うための活動をしています。
本の飢餓とは
発展途上国に暮らす障害者が利用可能な書籍(点字、音声、大活字本など)は非常に限られ、毎年出版される本の中でわずか1%以下と推定されます。世界盲人連合(WBU)はこの状況を「本の飢餓(book famine)」と名付けました。
障害者にアクセシブルな書籍は、全世界でも毎年出版される本の約7%、開発途上国では1%以下と推定されています。
エファの活動地カンボジアでは過去30年に及ぶ内戦で学校や図書館が閉鎖され、書物は焼かれました。子ども向けの本もゼロから作り直さなければならず、障害児のための教材は皆無に等しい状態です。
内戦後、国立図書館に残ったクメール語の本はわずか500冊でした。
本は命と心の栄養です。本がなければ基礎的な読み書きを学べず、生活に必要な情報が届きません。本を読んでさまざまな価値観や文化に触れ、想像力を養うこともできません。エファは「本の飢餓」をなくし、子どもたちが自ら生き抜く力と、豊かな心を育むための活動を続けています。
「本の飢餓」撲滅に向けたエファの取り組み
農村部に暮らす障害児の支援
カンボジア農村部のカンポット州ドントン郡は内戦時に激しい戦闘が行われ、経済的な困難を抱える家庭が多い地域です。2022年度、こうした地域に暮らす障害児のために「チルドレン・スタディ・クラブ」を3ヶ所設置しました。子どもたちが読み書きや計算などを学び合うとともに、親同士の交流の場ともなり、生きるために必要な情報を届けています。
障害児の図書室利用トレーニング
カンポット州教育局と協力し、日本の専門家によるアドバイスも取り入れ、障害児に図書館の利用方法、読書の重要性、本の読み方や資料の使い方、読書の重要性などを教えています。また保護者に対して学習サポート方法を伝えています。
アクセシブル教材の開発
カンボジアにおける障害児向けのアクセシブル教材は数が不足し、大都市圏でしか入手できません。エファはカンボジアの教育省やNGO、日本の専門家の協力を得ながら、既存教材の活用や新しい教材の開発を行います。同時にインターネット環境やタブレットの整備も進め、情報収集スキルを育成していきます。
エファからのメッセージ
世界がコロナ禍になってから3年が経とうとしています。日本でも様々な人が困難の中に立たされていますが、エファが18年間向き合ってきた国々では、農村部で生きる人々、そして障害がある子どもたちにとって、一層困窮した時間となりました。
ですが、一筋の光も見つかりました。格差社会から抜けが出せないでいた人々も、オンラインの普及によって、「情報」へアクセスし、生きるための知識を学び、貧困の壁から這い上がっていける。そして、自分だけでは克服できなかった「障害」=周辺の人々の意識や地域社会の価値観もデジタル技術と本の力を活かして変えていける、そう確信しはじめています。
エファは、「本の飢餓」を無くしていくとり組みに挑み始めます。情報を得て、生きていくための知識を与える本。未知の世界に向けて扉を開き、想像する力や他に共感する力を育み、ときに自分の生き方、道標さえも授けてくれる本。私たちと一緒にこの世界を本の力で変えていってください。
エファジャパン理事・事務局長
関尚士
エファから始まる自分ものがたり
エファは現地パートナーとともに、カンボジアで「チルドレン・スタディ・クラブ」を設置。障害を抱える子どもたちが集い、ともに学ぶ場を提供しています。
そこへ通うデイン・ボリーさんは知的障害を持っています。障害児教育の行き届いていない地域で、ボリーさんの学校の成績はよくありません。農業を営む両親も、内戦の影響で学校に通うことができなかったため、日常生活で文字の読み書きに苦労していました。
ボリーさんが「チルドレン・スタディ・クラブ」に参加するようになって、しばらく経ったある日のこと、両親に一枚の紙を手渡します。そこに書かれていたのは両親の名前でした。
障害がある娘が親にとっても難しい文字を学び、父と母の名前を書いてくれた。文字を見ながら、両親は涙を流したそうです。子どもたちが「小さな成功体験」を積むことは、家族や地域にも希望をもたらすのです。
エファジャパン歳末募金2022
困難の中にある子どもたちが「自分ものがたり」を描けるように、エファは本を届け続けます。
ご支援をよろしくお願いいたします。
■エファジャパンは認定NPO法人です。
寄付総額の約40%が税額控除を受けることができます。詳細はこちらをご確認ください。
こちらのSyncableのページからクレジットカードでのご支援をいただけます。また銀行振込、郵便振替からのご支援も大歓迎です。
期間
2022年11月21日(月)~2023年1月30日(月)
銀行振込
中央労働金庫(2963) 市谷支店(299)普)1442725トクヒ)エファジャパン
三菱UFJ 銀⾏(0005) 市ヶ谷支店(014) 普)1340692トクヒ)エファジャパン
※寄付金受領書を発⾏します。お振込み後、事務局までメールまたは電話でご連絡ください。
郵便振替
00190-6-723415 加入者名)エファジャパン
※寄付金受領書を発⾏します。払込取扱票通信欄に「歳末募金」とご記入ください。
エファのビジョン
すべての子どもたちが可能性と創造性を発揮し、「自分ものがたり」を描ける社会に。
About us
エファは、日本全国の自治体や公立の病院、保育所、福祉施設、交通機関や上下水道などの公共サービスに従事する人たちが行ってきた国際協力事業「アジア子どもの家」を引き継ぎ、2004年に設立された国際協力NGOです。貧困やさまざまな障害のため学校にいけない子どもたちの権利を守り、初等教育の推進や児童労働の削減、障害児のライフスキルの向上に取り組んでいます。
本を読むのが困難な障害児へ電子図書を!
30,000円
本を読むのが困難な障害児も、電子図書があれば学習することができます。30,000円で、電子図書を提供するためのタブレット1台を届けることができます。
子どもたちへ権利を学ぶためのトレーニングを!
50,000円
支援先の障害児やその家族は「障害を持っていても権利を有していること」を知りません。
50,000円で、障害児が集い学ぶ居場所で子どもたちが「子どもの人権宣言」を学ぶトレーニングワークショップを1回開催することができます。
子どもたちへ移動図書館を!
100,000円
障害児や少数民族が多く通う学校へ、絵本やタブレットを積んで学校を回る移動図書館を行います。2022年11月より17の学校を回り、1,100人の児童が参加する予定です。
100,000円で運営費1ヶ月分を賄うことができます。