スタッフ紹介④本キャンペーン担当の金谷です!
2022/9/13 07:06
■自己紹介お願いします!
金谷重朗(かなや・しげお)です。団体の組織面・マネジメント全般、また併催のタレンツ・トーキョーを担当しています。本キャンペーンのほか、昨年ハラスメントの問題が身近にも起きたので、昨年後半からはコンプライアンス、ガバナンスの学びを深め、整備等を進めています。
■東京フィルメックスとの出会いや、現在の関わり方について教えてください!
東京フィルメックスとの出会いは、市山尚三前プログラム・ディレクターとの出会いでした。1990年代後半、スペインのサン・セバスティアン映画祭の日本担当で、成瀬巳喜男監督特集のコーディネーションを務めていた際に、同特集を監修された山根貞男さん、蓮實重彦さん、当時資料整理のアルバイトをしていた国立映画アーカイブの岡島尚志館長のご紹介でお会いしました。その後、阪本順治監督の「顔」の同映画祭での上映の交渉をしていた際に、松竹からオフィス北野に移られた市山さんから新しく映画祭をはじめるとお聞きし、手を挙げました。発足以来、22年関わっています。
■好きな映画・監督とエピソードがあれば教えてください!
2000年、第1回のフィルメックスはクリスマスイブまでの会期でした、終了後の年末にジャ・ジャンクー監督の「プラットホーム」を見直して、衝撃を受けて震えました。2002年の第3回アピチャッポン・ウィーラセタクン監督「ブリスフリー・ユアーズ」は上演プリントの輸入時に税関で止められたことがありました。異議申立てをしたところ、映画祭開幕の前の週に許可が下り、無事に上映出来たので、作品そのものは元より、印象深い1本です(最終日、同作は最優秀賞を受賞します)。私はスペイン語を学んでいたので、2007年上映の「ハンモック」というパラグアイ映画のQ&Aなどでパス・エンシナ監督とご一緒できたことも記憶に刻まれています(ちなみにこの映画で登場人物の会話はスペイン語発声ではなく、先住民族の話すグアラニ語で交わされています)。直近では、昨年の1本も印象に残っています。前日までタイトルを「特別上映A」と伏せていたのを、「時代革命」と発表するとSNSで話題となり、大勢のお客さんが詰めかけられました。SNSの投稿に目を通すと、中には上映時間から推測して「時代革命」に違いない、と先読みし、勘でチケットをお求めになられた方もいらっしゃり、この作品を届ける重要性を再認識させられました。
■今回のキャンペーンや、東京フィルメックスの活動に対する期待・応援コメントをお願いします!
映画以外のエピソードになりますが、2015年にプサン映画祭執行委員長のイ・ヨングァンさんが審査員としてフィルメックスに来場されました。プサン映画祭は当時、韓国国内で政治的圧力に晒されていました。そんな大変な時期に、数週間前に映画祭を終えたばかりのイ・ヨングァン委員長を、スタッフのエレンさん、そして尊敬するキム・ジソクさんと揃ってフィルメックスにお迎えし、会期半ばに開かれたささやかなパーティーの席でプサン映画祭の20周年をお祝い出来たことも忘れられません。
キム・ジソクさんはその1年半後に惜しくも亡くなられたこともあり、その場に居合わせたアジアの映画人皆がプサンの皆さんに感謝を込めた祝福の拍手を送っていた光景が目に焼き付いています。
困難があっても、映画のため、映画人のため、映画祭を続けるために立ち上がる気概を、隣国韓国の諸先輩方から教わった気がします。その後、フィルメックスも波乱万丈の道のりを歩んでおりますが、そんな時にはプサンの諸先輩方の逞しい姿を思い出したりして、今回のキャンペーンにも取り組んでいます。
こうしたフィルメックスという「場」に共感いただける皆様からのご支援を心よりお願い申し上げます。
※こうした機会ですので繰り返しますと、当会は認定NPO法人ですので、ご支援いただくご寄付は、年明けに当会から届く領収書を添付して確定申告をすると、寄付額の40%が還付されます。(尚、対価と判定されるため、カタログの代金は寄付額から控除されます)
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