スタッフ紹介②作品・運営を担当している事務局の久米です!
2022/9/11 09:17

■自己紹介お願いします!
2020年より東京フィルメックスで主に作品・運営を担当している事務局の久米修人です。
■東京フィルメックスとの出会いや、現在の関わり方について教えてください!
最初にフィルメックスに参加したのは2017年、当時所属していた東京学生映画祭とフィルメックスの連携企画である「学生審査員賞」という賞の運営のアシスタントとしてでした。3人の学生審査員と会場で多くの鑑賞し、縦書きの日本語字幕に最初は戸惑いながらも、気づけばあっという間に9日間の会期は過ぎていきました。ワン・ビン監督『ファンさん』やヴィヴィアン・チュウ監督『天使は白をまとう』、ペンエーグ・ラッタナルアーン監督『サムイの歌』や特集上映のジャック・ターナー監督『私はゾンビと歩いた!』は今でも自分の中に焼き付いており、映画祭会期中に集中的に多彩な作品に触れ、自分の基礎を築いた映画祭体験となりました。何より、3人の学生審査員が鑑賞したコンペティション部門9作品を1本ずつ、4時間以上かけて話し合った審査会の濃密な時間からは多くの気づきを得られました。シュー・ビン監督『とんぼの眼』、カミラ・アンディニ監督『見えるもの、見えざるもの』、そして学生審査員賞を授賞した五十嵐耕平&ダミアン・マニヴェル監督『泳ぎすぎた夜』など、それぞれの作品を受け止めるのに全員でヘトヘトになりながら、とんでもなく楽しみました。
翌年の2018年にはインターンとして事務局を手伝わせてもらいながら、映画祭期間中は学生審査員を務めさせて頂きました。授賞式前の記者向けの授賞作品発表の際に、学生審査員賞授賞のビー・ガン監督『ロングデイズ ・ジャーニー この夜の涯てへ』に対し、国際審査員の審査委員長だったウェイン・ワン監督に「学生審査員が授賞した作品だけはちょっと違うんじゃないかと思った」と言われたことはいまだに脳裏から離れず、その後作品について国際審査員らと一緒に話し合わせてもらえたことも含めて、(当時は納得いかない点も多かったですが)今となれば本当に貴重な経験でした。
その後、2019年に短期スタッフを経て、2020年からは事務局スタッフとして携わっています。ここ数年は組織としても映画祭運営も毎年、変更になっているポイントが多々あり、観客の皆様やボランティアスタッフの皆様に寛容にご理解頂いていること、大変ありがたく思っています。
ご存知の通りプログラミングディレクターにも変更があり、2020年に市山さんと、2021年からは神谷さんと、お二人とそれぞれとのセレクションに携わらせてもらいました。共通する部分も、異なる部分もありますが、良い作品を見つけることにこだわることは間違いありません。お二人に限らず、映画祭を通じて繋がれた国内外の先輩方や友人たちの背中を追いかけているこの数年の毎日は幸運で、何にも代え難い経験です。
■好きな映画・監督とエピソードがあれば教えてください!
18、19歳くらいまでジャ・ジャンクー監督『プラットホーム』が自分の中で大きな位置を占めていた作品だったので、あと20年早く生まれていれば第1回東京フィルメックスの日本プレミアに立ち会えたのかな、と考えたりします。他には、映画を見て涙することは滅多にないのですが、第19回東京フィルメックスで上映されたリティ・パン監督『名前のない墓』は色々と考えながら見ていたにも関わらず、不意に涙が落ち、自分の目と頬にびっくりしたのが印象に残っています
■今回のキャンペーンや、東京フィルメックスの活動に対する期待・応援コメントをお願いします!
この数年、フィルメックスの上映作品が友人や後輩をはじめ、自分の周囲の来場してくれた若い観客に影響や成長のきっかけを与えられることを毎年感じてきました。私自身もフィルメックスの上映作品から映画について、世界について、多くを学びました。
映画祭はどう計算しても営利事業ではなく、外部の支援がなければ成り立たないもので、映画産業自体も現時点では成長産業ではありません。ですが、次の世代にも、映画を通じて日本の日常では触れられない価値観や文化に触れ、世界と映画の広さを提供できる場をできる限り残していけたら、と願っています。
第23回東京フィルメックスで皆様のご来場をお待ちしています。
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