【稽古場日記】本公演上演台本の作り方
2022/9/6 00:22
こんにちは、一般社団法人ほしかぜ 代表理事のKAEDEです。
キッズパフォーマンス集団ほしかぜ の公演の脚本は、わたくし、KAEDEが書いております。
旗揚げ公演「竹取物語」
第二回本公演「ゴーゴー!!ツッパリ★トラベラー」
そして、第三回本公演「異世界ア・ラ・モード」
今回は、どのようにして上演台本が出来上がるのか、という舞台裏のお話を少ししたいと思います。
テーマを決める
本番の1年ほど前から、公演のテーマ決めがはじまります。
子どもたちだけでの話し合い、意見の持ち寄り、そして最終的には多数決によって、次の公演のテーマや盛り込みたい事が決まります。
例えば今回の公演ですと、「異世界もの」「アイドルが出てくる」「思い切り歌いたい!」「アクションやりたい!」でした。
イメージを膨らませ、あらすじを考える
子どもたちからもらったこの材料を、私が持ち帰りじっくりとレシピ(あらすじ)を考えます。
と同時に、メンバーの顔、声、その子の魅力的な瞬間を思い浮かべながら絶対に外せないスパイス(シーン)を妄想していきます。
そしてイメージが膨らんできたら、参考文献になりそうな本を片っ端から読み漁ったり、イメージの音楽を聴いて浸ったり、映画を観たりとインプット期間に入ります。インプットをしながら、子どもたちとの話し合いを重ね、更に掘り下げてリサーチしていきます。
ワークショップも行います。
通常稽古のなかに盛り込む形で、テーマに沿ったエチュード(即興劇)をやってもらったり。
今回のテーマでは、【家を出てから歩いていたらいつのまにか1人で異世界へ転生するところまで】を、セリフなしで身体表現してもらいました。全員が、自分のイメージする異世界を明確に想像できていて非常に興味深かったです。
異世界が怖い、暗い、負のイメージの子と、明るく、自分の理想とする世界の子と真っ二つに割れたのも印象的でした。
転生理由も、現実から逃げたかった子、現実に帰りたいのに連れてこられてしまった子、と両極端でした。
そんな事を繰り返しながら、本番の半年前には初稿を仕上げて配布します。そして3ヶ月前くらいには、決定稿を上げ稽古に入ります。
配役について
ほしかぜの公演で他と大きく違うところは、【全て当て書き】ということです。プロの俳優さんや、プロを目指す子ども劇団では、与えられた役になりきれるよう練習したり、色んな役が出来るよう訓練したり、皆が大きな声が出せるよう発声訓練したりします。
でもほしかぜは、逆です。
その子がどうやったら1番輝いて舞台に立てるかを模索しながら、その子にしかでしない役を当て書きします。他の人には、例えプロだとしても、真似のできない、その子だけの持ち味を大切にした世界に1つの役です。
プロを目指すための集団ではありません。
立ち姿が美しい子がいたら、神秘的な銅像の役なんてどうでしょう。
モノマネがうまい子がいたら、いろんなキャラにコロコロ変わる役とか?
別に全員が踊れなくていい。全員が台詞を言う必要はない。
ひとりひとりの良さを持ち寄って、愛情込めてぐつぐつ美味しく煮込んで、みんなで稽古しながら味見して、いいねいいねとか褒め合いながら更に美味しく仕上げていく。
それが、ほしかぜの公演作品の作り方です。
最後に
前述した通り、作品を書くにあたってたくさんの参考文献を引っ張ってきました。役のモデルになっている原作もたくさんあり、作者へのオマージュを捧げて書きました。
その辺のお話は、また次の機会に。
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