認定NPO法人PIECES
こどもがこどもでいられる社会をひろげたい|PIECES 6周年募金キャンペーン
2022年7月31日 終了
中高生の時、私はある動画サイトにハマった。毎日ボーカロイドや好きな漫画の二次創作の動画をあさったり、生配信を見たり。そんな中で生配信をしていた同い年の男の子と仲良くなった。彼は同い年にも関わらず、数千人のフォロワーがいる子だった。音声を繋いで彼の生配信に参加させてもらったり、私自身が始めた生配信もよく見にきてくれて、週に何度も連絡を取り合っていた。
そんなやりとりの中で、彼が学校にいっていないことを知った。いつから行っていないのか、なぜ行かなくなったのかなど詳しいことは忘れたが、ネガティブにもポジティブにもとらえず、ただ事実として捉えたことだけは覚えている。そう捉えたのは、きっと私が彼の様々な面を見ていたからだと思う。
私が個人で生配信を始めたばかりの時、自分のチャンネルで修行したらいいよと一緒に生配信をしてくれた。とはいえ、生配信に慣れていない私は何を話したらいいのかわからなかった。そんな私の様子を察して、「自己紹介して」「これからやるゲームの実況して」などフォローしてくれたり、生配信終了後には相談に乗ってくれた。
そんなふうにフォローしてくれながら、徐々に1人でも生配信ができている私を見つつ、たまに危なっかしいなと感じたら連絡をくれたり、いつも私のことを見守ってくれていた。
ある日、彼と話していると学校のクラスメイトに会ったという話をしてくれた。
いつも通りコンビニに行った時、遠くにクラスメイトらしき人が見えたという。彼がどうだったかわからないが、私が彼の立場なら、どっと汗が出るような嫌な緊張感が走ると思った。すれ違い、何事もなかったとホッとした彼。だが、クラスメイトはすれ違ってしばらくした後、彼の方に体を向けた。
「お前の放送、見てるからなー!」
大きい声で叫んできたという。クラスメイトがどんな気持ちで、その言葉を言ったのかはわからないし、その時の男の子の気持ちもわからない。だが、その話をしてきた彼は、なんだかいつもより明るい声だった。
彼を思い出すと、私の中でしばしば社会の「不登校」へのイメージに違和感を持つことがある。
かわいそうと思う人や学校になんとか行かせなきゃと思う人、今のままでは人との関係性がうまく築けないのではないかと考える人。「不登校」という言葉にネガティブなイメージが多く、場合によっては学校に行って欲しいという願いが強くなることもあるかもしれない。多くの人と関わってもらうために、その経験として学校に行って欲しいというように。
でも、そんな関わりばかりだと、子ども側からすると居心地が悪い。もちろん、そういう関わりをする人がいてもいい。ただ、そうじゃない関わりをする人もいて欲しいと思う。ただそばにいたり、一緒に遊んだり。それは「学校に行ってもらうためのリハビリ」としてではなく、ただその瞬間を共にするというような。
子どもの気持ちをただ受け止めてみる。専門職じゃないからこそ、ただ共にいるような関わりをしてみる。そういう人が増えたらと思って、私はPIECESに関わる。「支援」じゃなく「関わり」を考えるPIECESの理念が広がったらいいな。
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2022年7月31日 終了
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