ライター上田先生の「未来へ」
2022/9/9 07:49
ルポ!『未来へつながる実験室』——
9月3日、ギャラクシティ・西新井文化ホールにて、
一般社団法人あだち支援ネット主催にて行われたイベントを
凝縮してみた。
午前の部(10~12時)で上映された映画『旅のはじまり』は、
虐待やネグレクト、非行など居場所を失った子どもたちと、
彼らを支える大人たちのドキュメンタリー。
家に戻れない思春期の子どもたちに生活スペースを
提供し支援する「自立援助ホーム」の存在を始めて知る。
苦しい本音を率直に語る子どもたち、
課題を打ち明ける支援者たちの真摯さが、見る者の心に迫る。
上映後、松本和巳監督は
「こうした立場にある子どもたちや支援者の存在を
広く知らせたかった。子どもが生きづらい社会は、
大人の問題」と語った。
午後の部(13:00~)は、さまざまなイベントが目白押し。
オープニング。アトリエ・ムジタンツが、
作曲家の野村誠さんと一緒に、
「ちゃりネットソング」を、ポルテホールの一室で
つくる模様をビデオ映像で公開。
「…(笑)」を「カッコワラ!」と連呼して歌う野村さんに
現場の子どもたちが爆笑する。
大衆芸術開拓組合の『怪獣映画』は可愛い小品。
プラモデルをスマホで映して編集した「昭和風」立体アニメだ。
足立の町でハチャメチャに暴れる怪獣ゴジラを
美少女戦士がやっつける。
映像を見て、「自分もつくつてみようかな」と思ってしまう。
次の演目の合間に、やわらかアートアカデミーのスズキミ先生
が主催する「ビシャバシャアート」の映像が流れる。絵の具を紙に
ぶちまけ描く子供たち。表現とは、心の「爆発」である!
「ギャラクシティGがくえん」の
「シンガーソングライター部」によるオリジナル曲が
会場に響きわたる。
カオリさんは、「いつわりの自分」を見つめ、「きみ」への
思いを歌う。ストレートに「片思い」の悩みを歌に託すのは
ハルさん。2人とも中学生だ。自分の40年前の初恋を思い出す。
2人の講師で、プロシンガーの山中潤一さんは、
「夢中で活きること I’m singer」と、
力強く「人生」を謳いあげる。
「今、自分は、本当に生きてるのか?」と、自問を促す作品。
「キッズパフォーマンス集団ほしかぜ」の
ダンスの迫力あること! くんずほぐれつ、リズムにのって
舞台を縦横する、5歳から12歳まで子どもたち。
堂々とキレキレに踊る子から、
舞台の隅で恥ずかし気に踊る子も、
最後は両手を広げて「イエーイッ」と決めた。
かっこいい!
クロージングは、「知らない路地の映画祭」。
工藤康浩さん・理佳子さんが監督を手がけた最新作が披露された。
足立区在住で、(実際に!)
太極拳の世界チャンピオンである女性がヒロイン。
千住大橋が恋人との出会いの場となるストーリーだ。
見慣れた北千住の繁華街や、区内の名店、魅惑の路地が
シーンに出てきて楽しい。
理佳子さんは、「地域の人を巻き込み、さまざま人に
出会える映画づくりの魅力に、
私たち夫婦は取り込まれてしまって…」と語る。
「『知らない路地の映画祭』は、同じこの街を
複数の制作グループで各々が映画をつくるイベントです。
映画製作に参加したい、また自分でつくりたいという方、
ぜひ声をかけてください」と呼びかけるのは康浩さん。
「あだち子ども支援ネット」代表理事の
大山光子さんが、最後にしめくくる
「私たちの会は、あえて会員制にせず、
誰が参加することも自由。
できる時間をさいて、何にかしたいと活動すれば、
何かすごいことになっていくことを、
コロナ禍で学びました。
笑ったり、文句を言ったりしながら、本気でやれば、
『1日楽しかった』と、いろんなことを
みんなで共有できる!」。
さあ、来年も、足立の子たちよ、
得意なこと、大好きなこと、夢中になっていることを、
街のみんなに披露しよう!「
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