市民性の醸成を起点に、「少しずつ、みんなで」「小さく、自分の手元から」できるアクションが生まれ続けるための土壌を地道に作っていきたい。斎典道のサポートファンディング

寄付先

NPO法人 PIECES(ピーシーズ)

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斎典道

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ストーリー

6周年に寄せて~事務局長からPIECESに関わる皆様へ~


こんにちは、PIECES 理事/事務局長の斎です。

PIECESは6月22日に設立から6周年を迎えました。最初は数人の想いだけで始まったところから、そこに共感・協力する人が少しずつ集まり続けてくださったことで、今年もこの日を迎えられました。

プロボノ・インターン含め30名のメンバーと、450名のPIECESメイト、その他活動を応援・後押しくださっている方々の一つひとつのpieceが合わさって、今こうしてPIECESとして事業に取り組むことができていること。その何とも言えない感慨深さを今年も噛みしめているところです。本当に皆さんありがとうございます!

事務局長とは名ばかりで、普段なかなか組織の様子などを皆さんにお伝えできていないので、この場を借りてこの1年のPIECESの様子や、今私たちが立ち向かっている課題、未来を見据えて今どんなこと考えているのかなどを、(私の心の声とともに)お伝えしたいと思います。

短くまとめようとすると大事なものがこぼれ落ちそうなので、冗長な文章になってしまうかもしれませんが、最後まで目を通してもらえると嬉しいです。


CforC事業は、新たなフェーズへ

2016年の設立以来、深刻化する子どもの孤立を防ぐために、地域・社会の市民性の醸成を目的として「Citizenship for Children(CforC)」プログラムに取り組んでいます。

2021年度は、より多くの人に参加していただけること、より参加者のニーズに沿った学びができることの2点を目的に、コースデザインを変更しました。これまで約半年かけて行っていたプログラムを、2ステップ3コース制にリデザインしたこともあり、参加者は前年比約2倍の64名となり、大幅な増加につながるといった成果につながりました。また、プロボノメンバーの活躍や、前年度までの修了生が運営に携わるなどの循環も生まれ始め、徐々に持続可能な運営体制も築きつつあります。(参加者の増加はもちろん嬉しいですが、この取組を同じように広げたいと思ってくれているプロボノメンバーの存在、そしてプログラムを終えたにも関わらず、手間のかかる運営に携わってくれる修了生の存在が本当に嬉しいし、間違いなくプログラムの質をぐんと上げてくれています…心から感謝)

このように、毎年プログラムの効果検証と改善を重ねてきたことで、質的にも参加者の変化・変容が促進されるようになり、また各地で市民性を発揮した様々なアクションや活動が子どもの周りに広がり始めています。

一方で、より多くの子どもの支え手を創出するためには、このプログラムを社会に開き、様々な活動主体とパートナーシップを築きながら普及・発展に取り組む必要があります。

そのため、今後は、プログラム運営におけるノウハウやナレッジの体系化や、協働パートナーを増やしながらコンソーシアム化を志向するなど、開発フェーズから普及・発展フェーズへと次なるステップにチャレンジしていきます。(とはいえ、フェーズが変わるということはそれだけ資金もこれまでとは異なる力量を持った人材も必要になるんです。そこが大変なんです。ということで現在 6周年の寄付キャンペーン を実施しているので、何卒ご協力のほどお願いします)


組織に生まれた変化

事業面だけでなく、組織面にも目を向けると、この1年でいくつかの変化があり、また乗り越えるべき課題も見つかってきました。

この1年であった変化の1つに、6年前の設立時のメンバーであり長年理事として運営のど真ん中に関わってきた青木さん(青木翔子)の退職があります。(「そんなこと?」と思われた方もいるかもしれませんが、PIECESのような規模の組織では、一人の存在が小さくない影響を与えているのです。。)

彼女の功績を上げたらキリがないのですが、CforCのプログラムデザインやファンドレイズの施策設計に至るまで、本当に幅広く活躍してくれていました。ちょっと雑なところはありましたが(笑)、そんな人柄も含めてメンバーからの信頼も厚かったので、退職を伝えたときにはショックを受けたり不安そうな表情を浮かべるメンバーも多くいました。

抜けた穴は埋まらない部分もあると思いますが、青木さんの次なる挑戦にエールを送りつつ、「なんか最近のPIECESビミョーだよね」などと言われないように、彼女から授かったものを大切にしながらメンバー皆で力合わせてこれからも事業活動に励んでいきたいと思います。

一方で、新たに加わったメンバーももちろんいて、PIECESに新たな風を吹き込んでくれています。2022年1月から広報ファンドレイズチームに加わったアンちゃん(矢部杏奈)は、ソーシャルセクターで長年活躍してきた知識や経験を生かして、PIECESのポテンシャルを探りながら、PIECESにとってふさわしい広報FRのあり方の構築に励んでいます。

その他にも、産育休から復帰するメンバーがいたりと、少しずつメンバーも増えてきています。これから皆さんと触れる接点も増えてくると思うので、是非新たなメンバーとも交流を深めてもらえると嬉しいです!


今、目の前にある課題

CforCは次なるフェーズに向かい、メンバーも少しずつ増えてきている現状ですが、CforCも広報ファンドレイズも採用も、より一層活動を推進する上で、目指す世界観を共有する新たな仲間を巻き込んでいくところに関して、一つ壁を乗り越えていく必要があると考えています。

具体的には、PIECESの真ん中にある「市民性」という、本質的に大事ではあるが、そのままでは捉えにくいものをどのように市民社会に染み渡らせていくか、訴求していくかという課題です。

たとえば、ファンドレイズにしても、その意義を訴求するプロセスでは、どうしても「シンプルであること」があらゆる局面で求められる傾向にあります。当然相手に伝わるように工夫する上で、分かりやすく伝えることは大事ですが、その一方で、課題の構造は当然複雑で、そこに対する打ち手も単純なものばかりではありません。

「それってでも親の問題だよね」、「医療とか学校が問題じゃないの」といった声が挙がりやすい中で、CforCのような、一見遠回りのような「分かりにくい」取り組みはどうしても距離を取られてしまう。

これまでは、既に同じような世界観を共有できていた人たちがCforCに参加したり、PIECESを応援してくださっていたケースが多い中で、共感と協力の輪を広げていくにはどうしたらいいか。是非これを読んでくださっている皆さんにも力を借りながら、乗り越えていければと思っています。


見据える未来

子どもの虐待や自殺、いじめなどが後を絶たない社会。起こしてはいけない戦争で、多くの人が命を奪われ、深い傷を負ってしまう世界。そのような状況を目の前にして、一個人としても、一組織としても、無力感を感じてしまうこともあります。

ですが、一市民のまなざしや行動によって、心に傷を抱えていた子どもが「自分はここに居てもいいんだ」と前を向いたり、「信じてくれる人がいるんだ」と力を取り戻したりする。そんな風景が広がる可能性を持った社会でもあると信じています。

子どもがウェルビーイングであれる社会の実現が、一朝一夕では難しいからこそ、市民性の醸成を起点に、「少しずつ、みんなで」「小さく、自分の手元から」できるアクションが生まれ続けるための土壌を地道に作っていきたいと考えています。

その地道な積み重ねの先で、もしかしたら潮目が変わる瞬間が訪れるかもしれない。その潮目が変わる瞬間を信じて待ち続けることには大きな葛藤や不安も伴いますが、だからこそ、一人でも多くの人とPIECESという営みをこれからも共にできたら嬉しいです。


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代表:斎 典道

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