LGBTの子ども若者が安心して集まれる居場所を地方にも広めたい!さらには、家族の支援が得られない子どもたちも安心して居場所にアクセスできるよう交通費補助を行いたい!そのためのクラウドファンディングです。
ストーリー
こんにちは。一般社団法人にじーずは10代から23歳までのLGBT(かもしれない人を含む)が安心して集まれる居場所づくりを行う団体です。
現在、全国各地(札幌、東京、埼玉、新潟、京都、大阪、神戸、岡山)で毎月または隔月に1回、LGBTやそうかもしれない子ども若者が安心して遊んだり話したりできる居場所を運営しています。のべ2000人ほどのユースがこれまで参加しています。
LGBTの子ども若者が安心して集まれる場、全国に足りていません
にじーずに参加しているユースたちは、居場所を通じて仲間と出会い、学校や家庭でおきるセクシュアリティに関する困りごとについて語り合っています。友達にも親にも話せない気持ちをひとりで抱えていたのが、ここでなら安心できそうだとホッとして、初めて来たときと帰るときでは表情が全然変わっている様子を見ると、スタッフである私たちは「きてくれてよかった」と心の底から思います。
「本当の自分を隠さずに過ごせる場がどこにもない」とか「困りごとをだれにも相談できない」といったLGBTユースの状況を変えたいと考え、にじーずでは2016年8月発足以降、居場所事業を続けてきました。背景には、LGBTユースが直面している生きづらさをなんとか解消したいという想いがあります。
宝塚大学看護学部日高庸晴らの調査によれば、異性愛男性に比較してゲイ・バイセクシュアル男性の自殺未遂リスクは5.98倍高率であることがわかっており、背景にメンタルヘルスの課題があることがわかります(注)。自傷行為については同じく日高教授が2016年に実施したLGBTQ+対象の全国インターネット調査REACH Online 2016(有効回答数15,064人)で「刃物などでわざと自分の身体を傷つけた」自傷行為の経験率は回答者全体では10.5%でした。10代では22.9%(レズビアン47.8%、ゲイ16.9%、バイセクシュアル男性15.3%、バイセクシュアル女性42.1%、トランス女性42.9%、トランス男性50.0%)と高率であることがわかっています。
いのちにもかかわるLGBTユースの孤立の問題をどうにかしたいと私たちは考えています。
(注)Hidaka, Y., D. Operario, M. Takenaka, S. Omori, S. Ichikawa and T.Shirasaka( 2008)“Attempted suicide and associated risk factorsamong youth in urban Japan,” Social Psychiatry and PsychiatricEpidemiology, 43, pp752-757
居場所のもつ可能性
にじーずでは2016年発足から今日まで、のべ2000名ほどのユースと出会ってきました。
2022年参加者アンケート(52名回答)によれば、にじーずに参加したことでユースたちには次のような変化がありました。以下は1を「そう思わない」、5を「そう思う」とした場合の自己評価です。
・「自分は孤独だと感じる」 参加前:3.62→参加後2.63
・「自分のことを受け止め、応援してくれる人がいると思う」 参加前:2.81 → 参加後:3.88
・「わたしは自分のセクシュアリティ(性の在り方)をよく理解している」参加前:3.21→参加後:3.60
・「自分のセクシュアリティ(性の在り方)について前向きに受け止めている」 参加前:3.19→ 参加後:3.87
・「なにか困ったことが起きても、自分なら対処できると思う」 参加前:2.98→参加後:3.35
・「友達や家族などの身近な人と、性のことについて話したいと思う(カミングアウトの有無は問いません)」 参加前:2.83→参加後:3.46
これらの参加前後の数値は、すべて統計的に意味のある差であることが分かりました。
つまり、にじーずに参加する前よりも、参加後の方が…
孤独感が低減した
自分のことを受け止め、応援してくれる人がいると思えた
自分のセクシュアリティ(性の在り方)をよく理解できた
自分のセクシュアリティ(性の在り方)について前向きに受け止められた
なにか困ったことが起きても、自分なら対処できると思えた
友達や家族などの身近な人と、性のことについて話したいと思えた
ということです。
必ずしも全ての結果がにじーず参加による直接的な効果とは言えませんが、安心して過ごせる場が定期的に開かれていることの果たす役割の大きさがあらわれています。
しかし問題なのは、なかなかこのような場は全国各地にはないということです。「自分が住んでいる街には、いつにじーずはできるんですか」という問い合わせが、団体発足以降ずっと続いています。
日本全国どこの街で生まれても、LGBTユースが安心して大人になれる環境を作りたい!
これが、このクラウドファンディングを通じて実現したい「私たちの願い」です。
やりたいこと① 仙台、長野、鳥取、島根での居場所開催
にじーずでは、このクラウドファンディングを通して2022年に仙台、長野、鳥取、島根の4都市でLGBTユースが安心して集まれる居場所事業を開催します。これらの都市はLGBTユースが安心して集まれる継続的な居場所事業が現在ありません。
事業を通してユースの交流の場を作り、さらには地元で居場所運営に関われるスタッフの育成を行うことで、来年以降の継続開催に繋げます。
やりたいこと② 交通費の補助
LGBTユースの多くは家族にカミングアウトしていません。親に別の理由をつげて外出したり、LGBTの仲間と会うことを反対されながらも参加したりという子どもたちの状況があります。
にじーずの参加者アンケート(43名回答)によれば参加のための交通費について32.6%の参加者が負担を感じると回答しており、そのうち3人にひとりに参加を断念した経験がありました。特に家族の理解のない中学生は居場所に参加すると小遣いが消え(中学生の小遣いの最頻値は月1000円です)、空腹状態で参加している様子もみられます。地方で居場所事業を開催する際には、東京や近畿エリアに比べてさらに交通費がかさむと考えられ、交通費問題はさらに大きくなります。
そのためにじーずでは2022年より以下の要件のいずれかに当てはまる参加者に対して交通費を500円補助を行います(自己申告・要事前申し込み)。
(1)もっともよく利用する拠点への交通費が往復1500円以上
(2)1回のオープンデーへの参加にかかる交通費が小遣いの3分の1以上を占める
家族からも理解されず、ときに心ない言葉をぶつけられているユースにとって交通手段が確保できることは、強力なサポートになります。
やりたいこと③ 既存拠点の安定開催
上記の二点に加えて、札幌から岡山までの既存8拠点を安定運営するための費用も今回は形上しました。毎月または隔月に1回の頻度で、60人を超えるスタッフが全国でユースたちと向き合っています。内部で研修も行いながら、スタッフが安定して活動を続けられるよう、既存拠点の維持・発展にもぜひご協力ください。
以上が今回のクラウドファンディングによって目指していることです。日本全国どこの街で生まれても、LGBTユースが安心して大人になれる環境を作るためにみなさんのお力を貸してください。
【内訳】
ユースの交通費45万円(今後3〜5年度分を予定)
地方4都市での開催 30万円
既存拠点の居場所事業にかかる費用補填 25万円