馬とのストーリーコンテンツ② ゴールデンオルフェ 〜共にトラウマを乗り越えるために〜
2022/4/29 16:00
キャンペーンの序盤にご紹介した所有馬5頭の(人となりならぬ)”馬となり”を知っていただけたらと思い、一昨日から「馬とのストーリーコンテンツ」を発信しています!
アヴニールファームの中では、馬たちの強みや特徴、状況に合わせて役割が与えられており、決して馬に乗ることだけが全てではないことも感じていただけたら嬉しいです。
本日は、コミュニケーション能力抜群の”ゴールデンオルフェ(通称:オルフェ)”です!
彼のプロフィールについては、以下をご覧ください。
▶︎過去のトラウマから、馬装時の腹帯の締めや、洗い場をすごく嫌がります。
現在は、人を乗せる練習をゆっくり進めているのと、コミュニケーション能力に長けているので、コミュニケーション講座などで活躍しています。
オルフェは2011年1月〜10月まで競走馬として活躍していました。
現役時代から気の優しい性格で、比較的大人しいタイプの馬だったと思います。
引退後は、馬の専門学校に受け入れられ、生徒たちが馬について学習するための教材として活躍していましたが、ある日トラブルが起こってしまいました。
授業が終わり、乗馬用の装備をしている状態で洗い場に行った際に、オルフェが横転してしまったのです。もともと大人しくて臆病な性格の彼にとって、この出来事はトラウマになってしまったようで、その頃から馬装を怖がり、人に対する信頼も失ってしまいました。
馬装ができないということは、学校での役割を担えず、乗馬の世界では生きていけないということ。そうなってしまうと、”殺処分”という選択肢も出てきてしまうのです。
アヴニールファームは、競走馬が引退した後の処遇が少しでも改善されるよう、1頭でも多くの馬達を迎え入れ、またより多くの方々に馬の魅力を伝え、より良い環境で馬達が余生を堪能出来る牧場運営を目指しております。そのため、オルフェをファームに受け入れたことも自然なことでした。
トラウマを抱えた状態でアヴニールファームにきたオルフェ、最初はなかなかその状態を克服できませんでしたが、リハビリを行い、徐々に人の手からのニンジンを食べるようになったり、子どもたちとのふれあいができるようになったり、最終的には一般のお客さんを乗せられるくらいになりました。
そんな中、またオルフェにトラブルが起こってしまいました。
一般のお客さんを乗せて仕事をしている最中に、ちょっとしたことがきっかけで尻餅をついてしまったのです。せっかくファームに来てトラウマを克服したはずが、今度は乗馬の仕事を怖がるようになってしまいました。
オルフェは現在、人を乗せる練習をゆっくり進めているのと、乗馬の仕事ではなく、人と馬がどうしたらコミュニケーションを取り、心の繋がりをつくれるのかを学ぶコミュニケーション講座で活躍してくれています。
2度のアクシデントを経験したオルフェですが、人にも馬にも優しく素直な性格は変わりません。そしてそんな彼だからこそ担えるコミュニケーションの分野で、他の馬たちとは違った形でファームに貢献してくれています。
馬の性格や特徴、強みを意識しながら、一頭一頭が自分らしく過ごせるような環境を作っていきたいと彼を見ていると感じます。
キャンペーン期間も残り2日となりました。馬たちの放牧地3カ所作成のため、最終日まで頑張って参ります。皆さまからの温かいご支援をぜひ宜しくお願いいたします。
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