訪れた方からの言葉が、わたしたちの希望に
2022/2/9 13:11
公演や事業が中止・延期に
2020年、新年が明けると新型コロナ感染が日々のニュースに。
実は、前年暮れ、あしぶえは「セロ弾きのゴーシュ」をもってブルガリアへ。日本大使館の招待でした。首都ソフイアと、黒海沿いのブルガスで日本語4割、ブルガリア語6割というチャレンジ公演を行い、スタンディングオベーションの感動を体験し、次は、ロシアから招待があるらしい、と夢を描いて帰国した直後のことでした。
その後は、ほとんどすべての企画が中止となり、3年毎に開催する11月の「松江・森の演劇祭」も、世界の感染状況を見て2年延期せざるを得ませんでした。
シアターの桜の魅力
けれども、春は着実にやってきました。
ふと、地面に目をやるとスイセンがあちこちに、ボケの花、土佐ミズキも沈んだ気持ちを励ますかのように咲いていました。それからしばらくすると、なんと、しいの実シアターの十数本の桜が見事に咲き出したのです。それだけでなく、丘から見下ろすと、川沿い遊歩道の桜並木まできれいに花開いているではありませんか。
毎年この時期は、年度末と年度始めの仕事で多忙を極め、外の様子に目を向ける余裕もなかったのです。スタッフが声を掛け合ってオフイスから外に飛び出し、身近にこんなに美しい景観があることに驚きました。
考えてみれば、スタッフが年に何度もシアター周りの草を刈り、ことのほか桜には愛情を注いできたのですから、そのご褒美だったかもしれません。その後、お花見に立ち寄ってくださったお母さんと娘さんがおっしゃっていました。「ここは、かくれた桜のスポットで、毎年お花見に来てるんです」と。そして、「ここは、1本1本の桜を楽しむだけでなく、里の桜並木までを見渡せるのが素敵なんです」と。
ピンチのなかで、前向きに
私たちにとって、なんと明るい言葉だったでしょうか。
公演がないときでも、こんな風に気軽に立ち寄ってもらっていたのか、知らなかった、とてもうれしい、ありがたい。
そうして、翌年、相談して、3月末からお茶のサービスをはじめ、4月の土日の2日間、さくらマルシェを開催することになりました。手づくりのチラシを使って告知すると、ケーブルテレビの取材があり、いろいろな方がSNSで拡散してくださいました。おかげさまで、初めて来たという方もたくさんあり、年配のご夫婦も楽しんでくださいました。初日の来場者は160人。二日目はあいにくの雨模様。それでも、可愛らしいカッパを着てカラフルな長靴を履いた小さいこども連れの方々が何組もあって60人ほど。そして皆さん、雨の中を必ず劇場も見学してくださっていましたので、うれしさもひとしおでした。
2022年お花見 新しい予感
そして今年。
桜の開花は例年より早いと言われていますが、きっと、見事に咲いてくれることでしょう。4月2日(土)と3日(日)は、マルシェも開店します。 特に2日の土曜日は、15時から19時まで焚き火の楽しさもお届けしますので、コロナ禍のつらさも吹き飛ばして、ゆらめく炎と夜桜をお楽しみください。皆様のお出でを心からお待ちいたしております。
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