スタッフインタビュー 涼太に馳せる、ネコがのびのび暮らせる環境への想い(後編)
2022/2/19 11:00
前回に引き続き、ボランティアスタッフの杉さんに、施設で出会ったとあるネコとのエピソードや、ネコがおかれる生活環境についてお話を伺いました。
Q、リハビリフォローを行う中で出会った印象的なネコ、あるいは印象的な出来事についてお伺いできますでしょうか?
そうですね、涼太というネコが一番印象に残っています。というのも去年の10月に私が初めてサロンに滞在したのですが、涼太も新参者としてサロンにやってきていました。お互い施設が初めてだったこともあってか、一番最初に仲良くなったネコです。 とてもやんちゃで一階ではいたずらばかり。すぐに二階に上がれるのでは?と思っていたのですが、元気有り余りだった為に二階の他のネコに追い払われてしまい、なかなかネコ慣れできない状況でした。大人になると徐々に大人しくなってきて、ネコとの接触にも慣れてくるものなのですが、涼太はあまりネコ慣れすることができません。 出会いもそうですが、なんとかネコ社会に馴染んでほしいという母親心のようなものが芽生え、とても思い入れがあったのだと思います。 結局涼太は最後までサロンの二階に完全にあがることはできなかったのですが、最近譲渡先が決まりました。新しい家庭に順調になれ、幸せに暮らしています。他のネコたちも勿論そうですが、これからの生活環境に適応するためのステップをこのサロンで得ることができていたのであれば、本当に嬉しく思います。息子を送り出すような寂しい気持ちもありますけどね(笑)
※写真はおもちゃで遊ぶ涼太
Q、最後に、杉さんの考える「ネコ(ペット)にとっての快適な生活環境」とはどのようなものでしょうか?
忙しい社会生活で家に帰りネコと遊んでストレス解消し、ネコも同様に主人と遊んでストレス解消をする。 ネコと共に生活をするというのは、お互いに気持ちが豊かになる関係であると信じています。 一方で、本来ネコは野生の動物なので外でのびのびすることが一番だとも感じています。日中帯は外で目一杯遊び、夜はうちに戻って来る、そんなかつてあった昭和時代の安心できる世界や風景があると良いなと思います。 しかしながら現状は自然に囲まれた郊外でない限り(いえ、もうそういった場所も近代化が進んでいます)、外はネコたちにとっては危険がいっぱいです。伝染病にかかってしまったり、交通量の多い場所で事故に遭ってしまったり。見えないところで小さな命が消えている事をきちんと理解しなければならないと思います。
コロナ禍の今、家にいる事が常となりペットブームと言われています。ネコと共に生活をすると心に決めれば途中で放棄するのではなく、ネコの最後まで一緒に快適な生活をしてほしいです。これから生まれ来る命が野良の猫でない事を願い、野良猫が減っていく事を切に望んでいます。
「ねこのしあわせのために。ひとのしあわせのために。」 ぜひ、団体へのご支援を引き続き宜しくお願いいたします。
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