最初に、今回のキャンペーンにご賛同くださり、ご寄付や応援メッセージをたくさんいただいていることに感謝いたしますと同時に、心より御礼申し上げます。

私と ‘ 心のおしゃべり音楽工房 ’の出会いは、「音楽療法とは何か」を知りたくて見学を申し出たことに始まります。その頃は、“  MTN世田谷対話音楽工房  ” という団体名で、中井先生の「音楽で対話しよう♡」という思いが詰まった、未就園児の音楽サークルや子どもたちとの音楽療法を行なっていました。私は、きらきらワクワクした場に変容させてしまう中井先生の声と音楽に魅せられて、音楽療法を深く知りたいという思いから、実習生を経て、音楽療法士に育てていただきました。

まだ経験の浅かった私にとって、ひとつの転機になった、中井先生の言葉があります。

それは、ある高齢者施設に入居しているＡさんへのセッションでした。

Ａさんの個人セッションでしたが、入居している方々もその場にたくさん居られ、笑い声や話し声で賑やかな中、施設の介護職員の方がかいがいしくＡさんの参加準備をしながら、たくさんの声かけをしていました。Ａさんはそのたくさんの言葉に少し戸惑っている様子や初めてのセッションに緊張している様子が見られ、それを察したのか、中井先生が、そっとＡさんに歩み寄り、小さな声で 「したいようにしてね」

「自分がしたいことを したいようにする」…　その言葉を改めて自分の中で考えてみると、「したいことを したいようにする」機会というのは、そんなに多くないことに自分自身が気づきました。

そして、その言葉を聞いたＡさんの表情がふっと柔らかくなるのを見て、中井先生のその言葉は、これから始まる優しい時間の、一番最初の音楽の様にＡさんに届いていることを確信しました。そして、始まったセッションは、Ａさんが表現していることを一瞬たりとも逃さず、取りこぼさず、音楽で返され、まさに、そこには、“音楽でのおしゃべり”がありました。

 クライアントにとって、音楽療法の時間が「したいことを したいようにする」場になるよう、音楽療法士として支援していこう。この時、そう心に刻んだことを今でも覚えています。 

それから、20年余り、中井先生の思いは臨床だけに留まらず、後進育成のためのセミナーや、溢れ出てくるたくさんのアイディアを事業として行ってきました。

そして、いよいよ、それらが実を結び、
2021年、弊団体は、“  認定NPO法人 心のおしゃべり音楽工房  ”として新しくスタートを切りました。

その皮切りに、柱となる３つの事業の確立を目指しています。

https://kokorotalkmusic.or.jp/support/02.html

地域の方々と共に、そして、オンラインの時代だからこそ繋がれる全国のみなさんと共に、それらの事業を通して、音楽のある生活、心豊かな生活をご提案していきたいと思います。

また、最近では、「音楽に関わる支援」「音楽での支援」をやってみたいという若者が増え、昨年は、高校生が企画した音楽イベントに出演し、私たちとしても非常に貴重な経験をしました。このように、音楽を通して、若者たちの夢を支援したり、共に活動したりすることも行なっていきます。

これからも、みなさんのご意見をうかがいながら、一歩ずつ進んでまいりますので、“ 認定NPO法人 心のおしゃべり音楽工房 ” を応援していただけたら幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。