旅する料理人 三上奈緒さんからエールをいただきました!
2022/1/16 19:12
こんにちは、旅する料理人の三上奈緒です。
日本各地で、顔の見える食の場づくりを行なっています。
エディブルスクールヤードに関わり始めたのは、カリフォルニアから戻ってきてからのこと。シェフ・ティーチャーとして、愛和小学校のキッチンクラスで2年生の野菜のテイスティングの授業などを担当しました。
もともと、小学校で栄養士をしていたので、食育には非常に興味がありました。
しかし、地産地消は大切と習いながらも、それを子どもたちに伝えることができない東京の小学校での授業は、何ともはがゆいものでした。
小学校ではたくさんのことを学びますよね。
振り返ってみてください。みなさんは、子ども時代、どんなことが印象に残っていますか?
私は、マヨネーズの容器をジョウロにして水やりをしたことや、学校に生えていた桑の木の実を食べたり、ミニトマトの観察をしたときに青臭い匂いがしたことや、みんなで育てたとうもろこしを収穫して食べる日に休んでしまって悲しかったことを、よく覚えています。
その代わり、机に座って学んだことは、あまりよく覚えていません。
でも、音読したくじらぐものことや、霜柱について俳句を詠んだことは忘れません。
道草を食うのも好きでした。
ツツジの花の蜜をチューチュー吸ったり、オシロイバナの粉を顔に塗ったり、霜柱をザクザク踏んだり。
また、キャンプでは飯ごうからおこげの香りがしてきたり、その時食べたカレーがすごく美味しかったり。真夜中に観たセミの羽化がとても美しかったり。
そんな子どもの時に感じた体験は、大人になった今も、私の中に大きく影響していることが、この歳になって分かりました。
香ばしい香りを嗅ぐと、ふと、あの時の思い出が蘇るのです。
夏の日のトマトの青臭い匂いが好きなのです。
みなさんも、そういう経験がありませんか?
これらは、五感で感じた体験なのです。
たくさんの情報の中で育つ子どもたち。
そんな中でも、この生き物としての原点、土に触れる体験は、これからを生きていく上で、太い軸となってくれると思うのです。
どんな荒波に揉まれても、必ず、ふとした瞬間に命の原点は蘇ってきます。
横浜、渋谷で育った都会っ子の私がそうであるように。
なぜならそれは、心地よいから。
写真家の友人が言いました。
「自然の中にいる人の笑顔は、野生に戻る瞬間で、パッと輝くと」。
私たちは、土から離れては生きられないのです。
子どもは未来です。
つまり、教育は未来をつくることだと思うのです。
五感で感じたことは忘れません。ずっと覚えています。
自分が食べているものはどこからやってくるか。
どうやって育つのか。
土を触るということ。
思うようにいかないことを体験すること。
成長を愛しく思うこと。
土の中という未知の世界へ想像を巡らすこと。
花が咲き、虫がいて、恵みが実り、そういった季節の移ろいを感じること。
ともに育て、それをともに料理し、食べる、その喜びを感じること。
自然に触れることなくして、どうして自然を愛する心が育まれるでしょうか。
そして人もまた、自然の一部。
学校菜園は、その自然界への入り口。
すべての子どもたちに学校菜園を。
それは、生きた教育を実践するエディブル・スクールヤード・ジャパンのキーワードです。
子どもたちの未来をつくるご支援、よろしくお願いいたします。
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【500円/月】
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ご寄付をありがとうございます。すべての子どもたちに学校菜園を届けていくために、活用させていただきます。また、今後実施するイベントの際にマンスリーサポーター割が適用されます。ご支援者のみなさまに、アリス・ウォータース氏のオンライン講演全録(日本語訳)を後日PDFでお送りします。
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