多数のセクターとリレーションを取り支援活動を牽引するプロジェクトコーディネーターという仕事とは?
2021/12/28 16:13
前回に引き続き、中嶋にインタビューいたしました!
第二弾は中嶋が担うプロジェクトコーディネーターという役割についての内容です。
*プロジェクトコーディネーターとはどのような役割でしょうか?
コーディネーターという役割の特徴や、メディカルコーディネーターとの違いについては、先日の木田のインタビューを参照いただければと思います。
プロジェクト進行において、現場を回すポジションとプロジェクト全体を回すポジションとで2つ存在しますが、私が担当しているプロジェクトコーディネーターは後者を指しています。会社や事業で例えるところの「経営」にあたる役割と理解いただけると良いかもしれません。ロヒンギャ難民支援において必要となるヒト・モノ・カネの動きをマネジメントし、プロジェクト全体を推進していくことを求められています。
*具体的にはどのようなことをしているのでしょうか?
ロヒンギャ難民キャンプでの活動にあたり、私たちのようなNGOは100以上存在します。また、WFP(国連食糧計画)などの国連機関や外務省などの政府ドナーも動くため、とにかく多くの関係者との関係構築・維持が必要です。そのため、こうしたステークホルダーと難民支援に関する情報交換や議論を頻繁に行って、全体や各組織の動きを細かく把握しています。
コンソーシアムでは、国連の分野ごとに支援対象セクター(保健、水衛生など)が分かれているのですが、私たちはWHOが音頭をとる保健セクターに所属し、難民キャンプ内の保健課題・疾病やこれらへの対策の情報などを共有しあったりしています。NGO同士の会合では支援活動を行う上で課題となるような事項(政府の規制など)についてもやりとりしています。
時には、現場の課題・状況に応じて、「一緒にプロジェクトに作らないか」というような提案も行います。
私の日々の仕事は、そういった外部組織との会議・交渉、木田を含む世界の医療団内部での打ち合わせ、あとは会計・総務・安全管理、広報に関する業務など多岐にわたります。
*プロジェクトコーディネーターとしての難民問題の捉え方について教えてください
全世界で約8千万人の難民・国内避難民・庇護希望者がいると言われています。日本国内でも難民問題は発生していますが、皆さんがそのことについて考える機会はなかなか少ないのではないでしょうか。
難民問題はさまざまな構造的暴力の結果として現れたもので、決して当該国内の争いや差別だけで起こったことではないのです。私たちも日本にいながら、この構造的暴力に加担してしまっている可能性があります。その典型が経済活動ではないかと思います。日本の豊かな暮らしは、どこかの国の犠牲の上に成り立っていることかもしれない、無関係ではないのかもしれないと想像し、現地の人々に寄り添うことがまずは大事な一歩であると考えます。
そして、私自身プロジェクトコーディネーターとしてこの難民問題を構造的に捉えながら、ロヒンギャの人々が故郷へ帰れる目処をきちんとつけていかなければならないと感じています。
そのために今日も微力ながら尽力して参ります。
<ロヒンギャ難民を受け入れているコミュニティで村の人に質問>
<健康教育の後のボランティアとの振り返り>
<コミュニティ診療所での聞き取り>
キャンペーンも残り4日となります!
皆様からの温かいご支援、ご協力をお願いいたします。
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