ロヒンギャの人々が直面する「今日一日を生き延びる」境地とは?
2021/12/24 07:49
メディカルコーディネーター木田のインタビューもいよいよ最終回。
現地の人々がどのようなことに直面しているのかについてのお話です。
*現地の人たちはどのような生活を送っているのでしょうか?
パーソナルスペースは一切なく、ビニールシートに竹材、トタン屋根といったような非常に簡素な作りの家で暮らしています。
山を切り開いた斜面に家を建てるため、夏は直射日光が当たりとても暑いですが、もちろん冷房といったものは一つもありません。
難民流入直後は共同だったトイレも今では男女別になりましたが、それでも何十人かで一つを共有するほかなく、決して衛生的であるとは言えない状況です。
年頃の女の子は当然おしゃれもできませんし、故郷(ミャンマー)が恋しくて仕方ないだろうと思います。
*現地の人たちが一番困っていること・心配していることは何でしょうか?
先ほどお話したことを含め、衣食住の不自由さは顕著です。
食糧は国連から支給されてはいますが、栄養素の観点からいえば十分とは言えず、生きていく上での必要最低限のものしか得られず、私たちのように楽しむための選択肢にはなりません。
そして何より現地の人たちが一番心配していることは、治安・安全面のことです。
生活水準も一定に満たない中、いつ危ない目に遭うかわからない不安を毎日抱えています。
*新型コロナウイルスの影響で現地に変化はあったでしょうか?
新型コロナウイルスの流行を境に、外国人によるキャンプへの立ち入りや、キャンプ内の警備にあたる軍、警察の人数も制限され、それらにともないロヒンギャ難民キャンプの治安は悪化しています。
麻薬のディーラーや銃を保持したギャングが潜み、人身売買なども多発しています。
以前は、私たちを含めた外国からの支援者が多く足を運んでいたため、ある程度けん制されていたのですが、今はその外部の目が少なくなっています。
また、難民キャンプが位置するエリアは地理的にサイクロンの通り道にもなっており、災害に遭うことも彼らの心配事です。
常に「今日一日をどう生き延びるか」という境地に置かれているのです。
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