民俗資料と現代アート「国讃めと屍」企画のさらなる創造にご支援を

寄付先

任意団体 瀬戸内アートコレクティブ

hisashi.katakura

支援総額

23,698円

/ 100,000円

24%
  • 支援総額

    23,698円

  • 支援者数

    9人

  • 残り

    終了

  • 開始日

    2021年8月6日

  • 終了日

    2021年12月31日

キャンペーンは終了しました

瀬戸内アートコレクティブでは、地域における現代アートシーン活性化に向けた取り組みとして、行政・地域コミュニティと連携した様々なアート企画を実施しています。

現在、瀬戸内海歴史民俗資料館様との共同企画として、二人の現代美術アーティストを迎え「民俗と芸術のコラボレーション企画」を実施中です。

このコロナ禍において、当初の予定より開催スタートが遅れましたが、10月1日よりオープン。たいへん充実したものとなったと自負しています。

しかしご時世柄、長距離の移動がむつかしく、現地に足を運ぶことができない人も多いことでしょう、今後の状況によってはまた展覧会が中断になる可能性もあります。

そこで本企画では、限られた予算ながら、マターポート(オンライン上での3D現場体験)作成や、充実した記録集の作成によって、現地に足を運ぶことができない方にも本企画を体感していただきたいと考えています。

みなさんのご支援の分だけ、創造の幅が広がります。ぜひご支援のほど、どうぞよろしくお願い致します。

ストーリー

【展示企画の概要】

- 沖つ波来よる荒磯を 敷きたへの枕とまきて 寝せる君かも -

 展覧会名である「国讃めと屍」は、飛鳥時代の歌人、柿本人麻呂が瀬戸内海に浮かぶ島、現在は埋め立てられて陸続きとなっている沙弥島(香川県坂出市)を訪れた際、岸の岩場に倒れた亡骸を見て詠んだ歌の反歌「沖つ波来よる荒磯を 敷きたへの枕とまきて 寝せる君かも」から、2人の現代美術作家が「瀬戸内の海と鎮魂」などをテーマに着想したものです。

 長歌では言葉を尽くして美しい讃岐を礼讃し、潮時の強風、沖の大波、岸に騒ぐ白波の描写がなされ、そして人麻呂は岩場に倒れ、荒波を枕にする亡骸を見て、その人の家や配偶者に思いを馳せています。鎮魂を意図し、人麻呂はこの歌を手向けの花としたのでしょう。

 讃歌的表現は当時、「言霊信仰に支えられ、願わしいことの実現を目論む予祝的な表現といえると同時に、権力者の心に叶う表現」であった(※1)ようです。その一方この時、人麻呂が訪れた島では荒波があり、強く風が吹き、そして目に見える死がありました。そのイメージはどこかこのコロナ禍における私たちの世界に重なって来るようです。本展の標題はこの歌からイマジネーションを広げた出展作家二人により提案しました。

 出品作家藏本秀彦(b1965)は、高松で教鞭を取り、次世代の教育に携わりながら精力的に創作・発表活動を継続して来たアーティスト。「TRUST」と題する、東日本大震災直後に描きあげた絵画により、現代における記憶や当事者性について言及します。

 もう一人の出品作家水谷一(b1976)は、瀬戸内国際芸術祭や粟島芸術家村等、これまで国内外の様々な土地に赴き、多様な文化の表れを見つめ活動を行って来ました。そこで得た知見を踏まえ、新作インスタレーションに取り組みます。

いまだ終息の目途の立たない新型コロナウィルス流行に端を発し、厳しい世情の続く昨今、人麻呂がかつて死を見つめた情景を表題に込めた二人が描き出す「現代表現の今」に是非ご期待下さい。

   (※1) 参考:寺川眞知夫『狭岑嶋の石中死人を視て作る歌』万葉古代学研究所年報 第8号(2010年3月), 奈良県立万葉

文化館

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 柿本人麻呂が瀬戸内の海岸で詠んだ、石中の死人。「玉藻よし」から始まる讃岐の地への礼讃。その長歌に対する反歌二首に、一人の歌人の圧倒的な無力感を感じるのは私だけだろうか。多々ある死の中の一つの死。そこに遭遇し、歌人は何も出来ない。だが歌を詠む。その歌は後に生きる人々に詠まれる限り息をし続ける。「国讃めと屍」の出展作家、藏本と水谷は何故この歌をテーマにするのか。私たちの多くは、死を意識しつつも未来を描かない。無力であるから。二人の作家もおそらくはそうであろう。だが、抗う。今回の展示作品を通して遠く先の世界を生きる人たちとの対話すら試みるのだろう。瀬戸内海歴史民俗資料館の展示物は今を生きる私たちが過去と交流する場。瀬戸内ギャラリーは今を生きる作家たちが未来へと問いかける場。それを鑑賞する者はこの国の悠久なる時間を現在(いま)として認識し、考える。その豊かさある場は、幸いまだ日本には少なからず残されている。

なタ書 藤井 佳之


【瀬戸内アートコレクティブからご寄付のお願い】

 私たちは地域における現代アートシーン活性化を目指し、各種アートプロジェクトの企画・推進を行っています。企画展の実施にはアーティストをはじめとして、様々な方々のご支援・ご協力により成り立っています。

 本企画は地域の学生・子どもたちを含めた幅広い人々に現代アートに親しんでいただくことを目的として、無償での公開を予定しております。制作にかかる経費の一部を皆様のご寄付により調達することができればと考え、本寄付ページを公開させていただきました。

ご支援のほどどうぞよろしくお願い致します。


【瀬戸内海歴史民俗資料館 館長から展示に寄せて】

 本企画は瀬戸内海歴史民俗資料館様のご支援を受けて実施しています。館長からのメッセージをぜひご覧ください。


【作家の紹介】

作家略歴

 筑波大学大学院芸術研究科修了。学生の頃より和歌山版画ビエンナーレ、西武版画大賞展、クラコフ国際版画トリエンナーレ、ブダペスト国際展など版画領域で独自な手法が注目される。その後「毎日現代展」に連続出品。「安井賞展」「VOCA」「ACRYLAWARD」「FACE」「ARTOLYMPIA」や「CROSSPOINT」(香川県立ミュージアム「高松市)美術館コレクション+木村忠太とこぼれる光の中で」(高松市美術館)などに出品。県内ではKinco.hostel+café、あーとらんどギャラリーなどで個展開催。その他、蝉丸(山海塾)、梅津和時(sax)、岩下徹(ダンス)、高橋芙美(渋さ知らズ)、usaginingen(artist)などコラボレーションも多い。

【​ウェブサイト】 

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作家​略歴

​ 定住化の影響、人や動物の認知過程、社会変化、死生観の変遷について思考し、国内外で滞在制作を行う等、様々な機会、状況との影響関係の中で表現の実態や実体を問う。2000年代始めに高速道路を思わせる鳥瞰的風景画でキリンアートアワード(奨励賞、2003年)等、コンペティションを中心に発表を重ね、INAXギャラリー(東京)での個展(2003年)を経た2004年、国際芸術センター青森において場を取り込むインスタレーション『襞(ひだ)』を発表。それ以降、多様な表現手法を用いながら2021年までに14のアーティスト・イン・レジデンス参加。2010年「VOCA新しい平面の作家たち」、2013年「瀬戸内国際芸術祭」、2020年「富士の山ビエンナーレ」、2021年「歓喜のうた(愛知県立芸術大学サテライトギャラリーSA・KURAでの個展)」他、展覧会に出展。2019年、文化庁新進芸術家海外研修制度によりベルリンに一年間滞在。また、2021年「イタリアの三日月」(AzumateiProject、神奈川)等、展覧会企画も行う。

【ウェブサイト】 

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【アート展示会場について】

昭和48(1973)年に竣工した瀬戸内海歴史民俗資料館は、昭和50(1975)年に「日本建築学会賞(作品賞)」を受賞し、建築雑誌『新建築』『建築文化』にも紹介され、昭和63(1988)年には「第一回公共建築賞優秀賞」も受賞しました。また平成10(1998)年には「公共建築百選」にも選ばれるなど、香川県を代表する建築物です。設計は当時、香川県建築課課長であった山本忠司氏。


【寄付に対する御礼】

最後まで興味を持ってご覧いただきありがとうございます。展示会の実現に向けて、作家を初めてとして関係各位鋭意努力して準備に取り組んでおります。

実施にあたっては様々な必要経費が生じますので、ぜひ寄付をいただき、本展の実現にご支援をいただけますと大変ありがたく存じます。

※いただいた寄付の御礼として、些細ではありますが、展覧会の様子を撮影した特製ポストカードをご提供させていただきます。

任意団体

瀬戸内アートコレクティブ

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