ストーリー
こんにちは。まずは自己紹介を。
ココルームの高橋亘です。今回の誕生日で、釜ヶ崎で誕生日を迎えるのは5回目です。僕が5歳年を取った分、周りの人も同じく5歳年をとりました(当たり前のことだけど)。釜ヶ崎5年生ですね。
どうして自分の誕生日にココルームに寄付をお願いするかというと、まず本当にココルームの経営が安定せず、継続して運営していくためには資金が必要なのです。経営不振でお金ください、というのも身勝手なことというのも重々承知です。一番の問題はコロナによる経営不振でもなくて、自分たちであったりもします。どうしても内向きになってしまったりするのも感じ、そこでの振る舞いをふりかえり、話し合ってきました。そうしたことが今の状況で浮き彫りになってきました。
それでもココルームは場を開いているので人はやってきます。いろんな事情でステイホームできない人、野宿状態の人、オーバーステイ外国籍の人。専門家がいないココルームでは、地域の支援団体と連携しながら、専門性がないなりにみんなで悩んで話し、試行錯誤を続けています。困難な状況やそうした人(時にはそれが自分ということもありえる)とであい、投げ出してしまうのではなく、そこでどう応答していくかは自分自身が問われ続けています。
◉ココルームという場
普段は喫茶店とゲストハウスのふりをしていたり、釜ヶ崎芸術大学という大学のふりをしていたり、そこにいる人の関わり方次第でその形が変わっていく場です。この「ふり」というのがミソなんですね。僕がココルームにであった時にはすでに「ふり」は始まっていました。僕も初めてココルームに来たときは、友人に教えてもらってやってきたひとりのお客さんでした。その場で巻き起こることに巻き込まれ身を委ねているうちに、ココルームのもつ力に引き寄せられるように、またやってきてスタッフとして働き始めました。ココルームがアートNPOであることをそのままに続けていたら、ココルームを訪れる人は限定されてしまうところを喫茶店のふりをしながら、訪れてくれてくれるハードルを下げながら場を開くことによって、ふらっとコーヒーを飲みに来た人と思いもよらぬであいが生まれて、おもしろくなる可能性を秘めています。
同時に「ふり」をすることは自身が外に自分という存在をひら(拓・啓)いていくことなんだと思います。
◉働きが生まれる場
僕にとってのココルームは、働く場所であることは間違いないです。最近自分の中ではひそかに、ココルーム「と」働くことを考えています。ココルーム「で」、ではなくココルーム「と」なんです。「まだできていないこと」の一つがまさにこれ。決められた枠組みではない、働きをしていくこと。それを生み出していくこと。それはお金になるかどうかではなくて、でもやはり最終的に今の資本社会の中では、そこにお金を生み出していくことは本当に重要なことでもあります。問いながら、同時に問われながら、働きを生んで活動していきたいと思います。
◉さいごに
「僕のことばはいつも後出しになってしまう」。そう思うことが日々の中で多いのも事実です。正直さ、ことばにすることを諦めず鍛錬を続けていこうと思っています。それがどれだけ大切で必要かということ、周りで一緒に働く人たちからもその背中を見せてもらっています。こうして皆様に、ご寄付のお願いをしていくことも自分のことばでココルームを伝えていく第一歩です。応援いただけますとうれしいです。