ケニアの中でも特にHIVの感染状況が深刻な地域に住む子どもたちを守るために、コンドームの認知率向上を含めた保健教育を行っていますが、そのための教科書が不足しています。そのため、教科書400冊の調達を目標にマンスリーファンディングを行います。並行して、私たちの活動にたくさんの方に関わっていただくための、「寄付者グループ」の創設も行います。皆様の応援、ぜひよろしくお願いします!
ストーリー
みなさんこんにちは!ケニアでHIV感染予防に取り組む、任意団体Service Beyond Horizonです。
私たちは、2019年1月25日から2020年3月5日まで行ったクラウドファンディング「そうだ、プレステでエイズを防ごう!ケニアの島でいのちを守るテストを普及させたい!」の際に発足した団体です。HIV有病率がケニア平均の4倍にものぼる私たちの事業対象地、「ムファンガノ島」でHIV予防のためにコンドームの使い方や、性感染症の知識を学校の先生と一緒に生徒に教えています。
この度、事業に必要な教科書400冊調達と現地講師への給与、そしてマンスリーサポーターとして長期的に私たちと一緒に前に進んでいただける方を募集するためにマンスリーファンディングを始めます!
学校で学ぶ生徒たち
対象地の状況
ケニア国内の中でも、ムファンガノ島を含むケニア西部地域は国内でも非常にHIV感染率が高く、特に私たちの活動地域は国内で二番目に高い有病率(*ある一定の時点で、ある集団にHIV検査を行った際のHIV陽性者の割合)となっており(2018年)対策が急務となっています。
(ケニア国内のHIV有病率。対象地は左側の”Homa Bay”という赤い部分。“KENYA AIDS RESPONSE PROGRESS REPORT 2018” より。)
ご覧の通り、私たちの事業対象地であるHoma Bay群・ムファンガノ島は、HIVの有病率が最も高い地域の一つです。2018年のケニア政府発表のデータでは、国内有病率が4.9%であるのに対し、対象地では20.7%と、4倍近い数字になっています。
近年はそれでも下火になってきましたが、「昔はもっとひどかった」と現地パートナーのケビンは教えてくれました。「13歳くらいの頃、仲の良かった友達がエイズで亡くなったんだ。自分の生まれた場所で、たくさんの人がエイズで亡くなっていくのを見てきた。本当に辛かったよ。」と彼は遠くを見つめて、悲しそうに話していたのを覚えています。
エイズゼロの世代を創るために~私たちがやっていること~
私たちは、現地の学校の先生とともに学校で性に関する知識を学ぶ機会を作り、週一回、生徒に性教育を届けています。昨年にクラウドファンディングを開始し、324,000円の支援を86名の方から頂き、コロナに阻まれながらも、なんとか事業を開始することができました。
この事業を行う大きな目的は「若者のHIV感染率を減らすこと」にあります。特に私たちの事業を通じて「コンドームの使い方を正しく理解」してもらい、HIV感染リスクの高い行動を取らないようになることを理想の状態としています。
私たちが対象地の学校の生徒たち219人に対して行った基礎調査の結果、「性感染症を避けるためにはどうしたら良いか?」という質問に対して「性行為をしないこと」という回答がほとんどを占めました。
一方で「コンドーム」などの具体的な避妊法・性感染症予防法に言及した回答は9.1%に止まりました。言い換えれば、219人のうち「コンドームによって性感染症にかかるリスクを低下させることができる」と認識しているのはわずか20人ほどという結果です。
「性行為をしない」という選択肢のみでは、HIVの感染を防ぐことは非常に難しいです。大人になるにつれ、子どもたちにとって性の問題はどんどんと身近になっていきます。
また、性交渉による物品の売買慣習のある対象地では、性行為は若者にとって身近なものであり、自分の身を守る意味でもコンドームの使い方などの避妊法を知っておくことは重要です。
これに加えて、HIV感染予防以外にもHIV感染者に対する偏見・差別をなくすことや、性に関する悩みをどこに相談すべきか、などの幅広い内容を現地の学校の先生と協力のもと、提供しています。
一期目のプロジェクトでは、3校の344人に私たちの授業を届け、コンドームの認知率を向上させることができました。
しかしながらまだまだ事業を持続可能な状態にしていくには課題が山積しています。特に現場からは教科書が足りないとの声が上がっていますが、資金規模的に調達が厳しい状況です。
「このままでは、子どもたちが十分に学ぶことができない。」
毎週の現地パートナーとのミーティングでは、こう報告されました。
現在は3つの学校で344人の生徒たちに性教育を行っていますが、教科書の数は全部で88冊しかなく、生徒は複数人で一つの教科書を読んでいます。「生徒たちは教科書を取り合っている。みんな平等に学べていないんだ。」これも、現地パートナーから受けた報告の一部です。
こうした状態に対応するために、今回のマンスリーファンディングでは、9月までに教科書400冊の調達を目標にしています。一つの教科書の印刷にかかる費用は350円ほどなので、約14万円があれば十分な教科書の数を揃えられます。
使用中の教科書
実際の教科書、避妊法に関するページ
自分「ひとり」では何もできない。でも「みんな」となら。孤独を感じた一年で学んだこと
今回、マンスリーファンディングを行うのは教科書を調達するためだけではありません。私たちの活動により多くの人たちを巻き込んで活動を行うこと。それがもう一つ、自分が立てた目標の一つにあります。なので、寄付してくださった方々をfacebookのグループに招待し、寄付のみで終わらず、みなさんと共に活動を前に進めていける場所を作ります。
前回のクラウドファンディングで86名の方から支援を得た後、私たちを待っていたのはコロナウイルスによる、何もかもが止まってしまった世界でした。ケニア全土で2020年6月から2021年までの1月までの学校閉鎖が決定し、私たちは大幅に予定を変更することになりました。
止まってしまった間、僕は一人で考え込みました。「うまくやれるだろうか。」「お金をもらった分、ちゃんと成果を出せるだろうか。」誰に何を相談したらいいかわからず、パニックのような状態になるようなこともありました。
事業が始まってからもそれは続き、幾度となく「もう止めたい…」と思う時もありました。それでも、毎週のように現地パートナーとオンラインで話しました。今日はこんなことがあった、こういう課題がある、先生からは好評だから、やる価値がある。そんな話を聞くたびに、少しだけ勇気が出てきて、もうちょっと続けてみよう。そんな毎日でした。
そんな中でふと思い出したのは、昨年プロジェクトを始めるために行ったクラウドファンディングでした。たくさんのいただいた応援メッセージに目を通して、今、自分がやっていることは僕一人ではできなかったことだと、つくづく思わされました。
一人で始めたクラウドファンディングでしたが、寄付をしてくれた方々、広報のためのチラシを作らせてくれと申し出てくれた人、そのチラシをポストに配って歩いてくれた人、シェアをして広めてくれた人…気がつけばたくさんの人が関わってくれて、私たちはひとまず「事業を開始させる」というところまで辿り着く事ができました。
僕がこの一年で感じたのは「ひとり」では何もできないという無力感です。一人で抱え込んで前に進むのが怖くなったり、誰にも相談できない自分に情けなさを感じて、足を前に進ませる事が怖くなって、身動きできなくなって、それを身に染みて感じました。
だけれど、これまでを振り返れば、支えてくれた人はたくさんいました。そしてそれを思うと、自分はまだやれるという気がしてくるのです。私たちが掲げた目標を応援してくれる方々が集まって、そこから生まれる「何か」で、「ケニアのHIV」という遠く離れた国の大きな課題も、打ち砕ける気がしてくるのです。
「ひとり」ではなく、「みんな」で前に進んで、大きな課題に打ち勝つために。マンスリサポーターになって、ケニア・ムファンガノ島の子どもたちの明るい未来を創る一歩を私たちと一緒に踏み出しませんか?
みなさんのご協力心よりお待ちしております!
現地パートナー、ケビン・オクムからのメッセージ
寄付金の使途
皆様から頂いた寄付は、
・教科書代
およそ140,000円
・現地スタッフへの給与
およそ100,000円
などに大切に使わさせていただきます。なお、本マンスリーファンディングは活動資金調達の一つであり、予算が不足する分は単発寄付・イベント開催による収益などで補填します。
寄付方式について
このキャンペーンは「月額寄付」方式です。月500円のプランを選択した場合、500円×12ヶ月分の6,000円が年間でService Beyond Horizonに振り込まれます。月額寄付は途中で解除することができます。
単発のご寄付について
単発のご支援も受け付けております。下記Syncableの寄付フォームから弊団体へ単発寄付が可能です。「月額は厳しい」という方はこちらからぜひお願いいたします。