橋口さんとは、約1年強、同じ営業チームで働いておりました。

当時の彼女を思い出すととにかくパワフルで、良くも悪くも周囲への影響力は大、という印象です。

当時営業チームのリーダーをしていた私は、もちろんメンバーである橋口さんの病状やその影響は事前に把握した上で一緒に働く事になるのですが

結論から言うと疾患中だから、という理由で特別扱いした事は全くないと記憶しています。

と、いうのも彼女の働きぶりは、激務で有名(らしい)な弊社所属の周囲メンバーと比較した際

何かハンデがある、というものでは全くありませんでした。

本人からはよく「ハンデがあり、やり辛い自分を受け入れて貰った」という類の話を頂く事がありましたが、

私自身はハンデがあるので扱いづらい、と思った事も、特別扱いしようと思った事も、するつもりもありませんでした。

強いて思い出すのであれば、その圧倒的なパワーを持て余し気味だった事はあったかもしれませんが…(笑)

人には、それぞれ事情があり

その事情は決して他人に優劣をつけられるものでは無い、と私自身は考えております。

むしろ、「彼女は〇〇だから」と特別な対応をする事、これこそがコミュニティの中で壁を創る要因になってしまうとすら考えております。案

私のチームには橋口さん以外にもそういった事情を抱えているメンバーがおりましたが、

いずれのメンバーも我がチームにとっては主力であり、一つのエリアを一人が担当する、代わりの効かない状況下で

要望を下げるなどといった業務上の特別待遇はとうとうした事がありませんでした。

もし、そういう特別扱いをして欲しい！という事だったとしたら、私は橋口さんにとって特別やり辛い上司だった事でしょう。

この場を借りてお詫び申し上げます。あれこれ要望してすみませんでした(笑)

今回の癌、というテーマ自体が「日常的にとなりにあるもの」という感覚を持つ方というのは圧倒的にマイノリティだと思います。

しかしだからと言って、腫れ物を扱うように、遠ざけるように特別に扱う、というのは決して接し方として正しいとは思えません。

困っている人を助ける理由が「癌か否か」というような判断軸の人はいないと思います。

要はその人の病気とではなく、その人自身と普通に、日常的に接していく事こそ肝要だと思っています。

私自身は、橋口さんの癌やその患者に対する世間の無知や、偏見、無関心

こういった類のものを少しでもなくそうとしている活動を応援しております。