看板犬シードとの出会い
2021/2/23 13:29
2017年12月クリスマスが近づく頃、2頭の犬が一緒に彷徨っていたところを警察によって保護され、岡山県動物愛護センターに収容されてきました。
保護される時に1頭の犬が警察官を咬んでしまい、咬み犬として「殺処分対象」になっていました。もう1頭の犬は大人しく、足が少し不自由な小さめの女の子でした。
一度人を咬んでしまった犬は、その先入観で「怖い犬」と思われ「殺処分決定」となってしまう可能性があります。
私たちはその犬が本当に「怖い犬」なのか確かめてみることにしました。
犬舎の中で固まって身動きもできない状態でいるその犬を見て「怖いのはこの子の方なんだ」と思いました。
一緒に彷徨っていた大人しい雌犬の足の状態をレントゲンで診る時に合わせて、その犬にスリップリードを付けて検査室に連れて行ってみました。その犬は、リードを付ける時抵抗はしましたが、決して噛みつこうとして暴れることはありませんでした。
犬は一緒にいた雌犬を見た途端、とても喜んで、また、とても心配そうでした。レントゲン室に連れて入られるその雌犬を庇ってキュンキュン鳴きながら縋り付くように舐めていました。また、雌犬も心配そうに、また、大丈夫だよとなだめる様にその犬に寄り添っていました。
その2頭の姿を見て「この子は、仲間を守ろうとして警察官を咬んだんだろうな。」と思いました。
大丈夫!大丈夫!何度もそう言いながら、オヤツをそっと差し出すと、その犬はひれ伏したままオヤツを食べに寄ってきました。
怖かったんだよね!仲間が心配だったんだよね!胸が締め付けられるように熱くなりました。
「怖い犬」その日からもう、そう呼ぶ人は誰一人いなくなりました。
もし、「怖い犬」と呼ばれる犬の犬舎に誰も入ってみなければ、
もし、先入観で決めつけて本来の姿を見たいと誰も思わなかったら、
今、ここには居なかった命です。
私たちはその犬に「シード」と名付けました。
シードは「怖い犬」どころか、本当に優しく気遣いさえできる賢い犬でした。
一緒にいた雌犬ちゃんは優しい里親様のもとで幸せに暮らしています。
そして、シードは当会の看板犬として、イベントに一緒に参加したり、ノーズワーク訓練や競技会に向けての訓練をしたり、家では毎日元気に保護犬たちと遊んでいます。
いつも笑顔満載の可愛いシード!その笑顔を見るたび、どんなに大変でも諦めなくて良かったと強く思うのです。
どの命も同じ、たった一つしかない尊い命…
決めつけない!諦めない!
代わりのないたった一つの命たちのために!
これからも活動を続けてまいります。
このキャンペーンも残すところ後6日となりました。
一度は殺処分とされた命たち…その命たちが今、こんなに輝く笑顔を見せてくれます。
この笑顔を守るために皆様のお力を少しだけお貸し下さい。
どうか応援宜しくお願い致します!
理事長 濱田一江
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