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【サードゴールに挑戦中!】殺処分される犬猫の命を救いたい!ワンコインから始める「種っこ応援団」50人募集!

寄付先

認定NPO法人 しあわせの種たち

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濱田 一江

支援者数

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  • 支援者数

    168人

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エルモが教えてくれたこと

2021/2/21 11:07

エルモが教えてくれたことのメインビジュアル

2015年2月…まだ私が個人ボランティアだった頃の極寒のセンター。私にとっては忘れることができない出会いとなった犬がいます。

その犬は犬舎の中で人恋しそうに吠えていました。

その声はまるで水に溺れているように籠った声で、呼吸が苦しそうに見えました。

フィラリアですか?職員さんに聞いたら、やはりフィラリア強陽性…収容数が多くなり犬舎の余裕もなくなってくる…しかし、その子はとても性格の良い子です。人間が大好きです。センターとしてもこの子の抱えたリスクはあってもなんとか里親募集をしてやろうとして下さっていたようです。

ですが、この子の苦しそうな様子を見ると一刻も早く詳しい検査をして治療してやりたいと思ったのです。

ただ、私も野犬ちゃんや人馴れが充分でない子達を抱え、お世話できる限界を越えてきています。

また、それに伴い、現実問題として、検査費用、不妊手術や診療費用などずいぶんと嵩んでいます。

しかし、そんなことを考えている間にこの子の命は蝕まれていく…

私はこの子にエルモと名を付けました。イタリア語で「愛する者」という意味です。

早急に引出して病院へ行きました。やはり診察結果は思わしくなく、心臓が肥大し肺を圧迫していて、肺には水が溜まっているようです。心臓はいつ止まってもおかしくないくらい悪いということです。沢山のお薬が出ました。

その時のエルモ、推定5歳、去勢手術もされてなく…ましてやフィラリアは飼主が予防してあげたらかかりません。こんなに苦しむことはないんです。

この子の付けていた黒い首輪はボロボロでした。

そんなに長い事彷徨っていたとは考えにくい。捨てられたばかりか迷子になったばかりかは分かりませんが、エルモは大切にはされていなかったようです。

くやしいなぁホントに。もっと早くもっと早く出会っていたかった!!

一緒に暮らすようになって、エルモは私のストーカーみたいについて回るので蹴飛ばしてしまいそうになります…猫に興奮しては息が苦しくなってしまう。遊びたいけどしんどくなってしまう。

本当はヤンチャな子なんだろうな。しんどいから大人しくなっちゃうよね。

夜も咳き込んだり息苦しそうに何度も目覚めます。そっと撫でていると少しは落ち着いてくれるのか、また眠ってくれます。

保護して2ヶ月が経った頃、ものすごく呼吸の状態が悪くなり、エルモの呼吸に合わせていると私が酸欠で倒れそうになるくらいでした。どれだけしんどいんだろうかと…横になってもしんどくて起き上がり、咳き込んで咳き込んで、座ったまま居眠りをして倒れそうになる。横から支えるように抱きかかえてみても、それがエルモにとって楽なのか?苦痛なのか?分からなくて、どうしてあげたらいいのか分からなくて、泣きました。

辛いのはエルモの方なのに、頼りないママでごめんね…

私は仕事も持っているし、他の犬や猫達もいるので、エルモにはお家で一緒にいられてエルモの事だけをみていて下さる優しい里親さんを探してあげたいと里親募集も考えてはいました…でも、こんな状況のエルモを手離すこともできそうにありません。こんな私ですができる限りのことをしよう!私の子として最後まで一緒にいたいと思いました。

エルモ…愛する者…本当に、この子は愛される為に生れてきたはず。この世に生を受けた命は、どの命も意味を持ち、どの命も尊い・・・人間だけでなく・・・

エルモはセンターで出会った時にはもうフィラリアに侵され末期の症状が出ていた。でも、だからこそ一日も早く治療したくて引出した。でも、手の施しようはない。心臓の肥大は尋常でなく肺水も抜けない状態でした。いつ何があってもおかしくない状態で、もし、引出していなかったらセンターで亡くなっていたでしょうと獣医師に言われました。絶対安静と投薬で少しでも延命出来たらという状態ですが、最後は血水を吐いて苦しみながら亡くなる事を覚悟しておいて下さいと言われました。それが、明日来るか、2ヶ月先かは分からない。ただ、半年、一年と言うとそれは持たないでしょうと。

この病の最後は本当に苦しいそうです。ここまでになって症状がでているエルモです。飼い主はきっと知っていたはず。それでも捨てた飼い主を私は憎みます。

エルモ、なにもしてあげられなくてごめんね・・・エルモが少しでも楽に、楽にいられますよう・・・そして、いつかくる最後の時を少しでも安らかに迎えてほしい。

息をするのも辛そうなエルモの為に酸素ハウスをレンタルしました。でも、エルモが入れる大きさがないので、小さめのサークルで酸素ハウスを作り機械だけをレンタルしました。

エルモと出会ってつくづく思うんですよね…私はホントに幸せだなぁって。そりゃエルモの病気の事を思うとホントに悔しくなったり不安になったり可哀そうで苦しくなったり、お金だって時間だってかかるけど、そんなことなんか吹き飛んじゃうくらいの愛おしさがある。大切な大切な時間がある。

オヤツを見たときのエルモの目の輝きや、ピョンピョン跳ねて飛んでくる姿や「絶対安静!」守らなきゃいけないことは分かってる。でも、サークルのなかでだけ過ごすのはそれもどうなんだろうって悩んで…悩んで…夜は、一番呼吸状態が悪くなるので酸素ハウスで寝てもらいます。朝は、出せ!という声でハウスからお部屋に出してあげます。でもエルモはやはりしんどいから、自ら安静にしているんです。サークルから出してあげても殆どは私の傍で横になってます。サークルの中でなく私の傍で…それでいいよねって思うんです。

エルモはいつ最後を迎えるかそれは分からない。でも、今エルモは生きている。少しでも楽しくいよう!

そして、4ヶ月が経った頃、なんと!フィラリアの治療ができるまでになったんです!薬を飲ませた2日間は目を離さずに、絶対安静で!と先生に言われてたのでもう、ホントに怖かった!

1日目、エルモはだるそうで一日中眠っていました。ミクロフィラリアが死んで血液に流れているのかな・・・どこかで詰まってしまったらと想像しては怖かった。エルモの身体が戦ってる!そう思いました。「勝て!エルモ!負けるな!エルモ!」何度も心で叫んでました。でも、ホントにホントに私にとってはエルモがフィラリア治療できるようになるなんて奇跡で!!一度傷つけられた臓器や血管はもと通りにはならないそうですが、それでも何もできないで苦しい最期を待つだけなんて耐えられなくて・・・エルモが可哀そうで仕方なかった。

いつ心臓が止まってもおかしくない状態と言われ、できることは絶対安静。フィラリアの治療は危険すぎてできない。苦しい最期を迎える事を覚悟していて下さいと言われ、一つの病院では安楽死の対象であると言われました。悩んで考えて、苦しい最期を迎えるくらいならと何度も頭をよぎりました。

でも、エルモは生きようとしてる。私を真っ直ぐ見つめてくれる。エルモを見てると出来る限りを尽くしてみようと思いました。そんなエルモがこうして治療できるまでになれたことは本当に嬉しい!あの時、諦めなくて良かった!

そして、センターから引き出してもうすぐ3年という月日が経った頃、フィラリア陰転!エルモがフィラリアに勝った!当初、一年はもたないと言われたエルモが3年!フィラリアもやっつけたんだ!

その喜びもつかの間、それから1月ほどして、後脚の浮腫が酷くなり、息も荒く苦しそうな状態が続くようになりました。

心臓の肥大がまたまた進み、臓器が悲鳴を上げてる。横になって休むこともできず、フラフラしながら立ったまま息苦しそうなエルモに何もしてやれない自分が本当に悔しかった…

私にも仕事があります。メンバーたちも皆、仕事や家庭があります。

本業は生活の糧であると同時に、私たちにとってはこの活動の源ともなっています。

でもこの活動は命あるものの命にかかわる現場になります。特に可愛い保護っ子たちが苦しい時、しんどい時、辛い時、困っている時、一番そばにいてやりたい!できる限り仕事場にも連れて行って傍にいました。

エルモは何度も山を越えてくれ、でも、その度に少しずつ元気が失われ...エルモの心臓には負担が大きすぎました。

フィラリアにさえかからなかったら本当はお茶目で明るい元気な子だったと思います。

3年経った寒い夜…エルモは私の腕の中で逝ってしまいました。

エルモは生きていたかったんです。本当に最期まで伝わりました。

最期の時、何度も私を見て、まだ生きていたい!一緒にいるよと言ってました。

でも、あまりに苦しそうなエルモに、もういいよ。楽になっていいよ。エルモの良いようにしてね。と言いました。

ずっと大好きだから、ずっと一緒だからエルモはお母さんの子だからね。エルモに会えてお母さんは本当に嬉しかった。エルモといられて幸せだよ、有難うね。と言いました。

大きく頭を頷くように二度振って、それからエルモは頑張るのをやめたように思いました。

ずっと無理をして頑張っていたんだと思います。

最期の最期までもっと一緒にいたいと伝わってきました。

エルモ、ごめんねは言ってはいけないと言うけれど、やはりごめんねと思う。でも、それより有難う。

エルモの純粋な愛を私は沢山もらいました。私はエルモに会えて一緒に時を生きれて本当に幸せでした。心から有難うエルモ。

エルモと共に生きた時間、一つ一つの仕草、表情、優しい瞳、キラキラした瞳…全て私の中で忘れることはありません。

永遠に愛するもの…エルモはその名のとおり、最期の最期まで愛に溢れる強く優しい素晴らしい子でした。

エルモはフィラリアに侵されなければ、本当に元気な健康な身体で生まれていて、もっと長い犬生を送れたはずです。

きっと神様とこの世で沢山のことを約束して生まれてきたんだと思う。

エルモが最後に教えてくれたこと...ワンコは純粋に生きるということを最後まで諦めない。

だから明日も元気に生きていられるはずの命を奪うことは何があってもしてはいけない。

寿命を迎えるその時は神との約束の時。

殺処分とはその神の領域を犯す最悪の罪だと思う。

絶対許されない人間の罪だと思う。

エルモの最後の瞳は私にそれを痛切に教えてくれました。

生きることを諦めない命たち…純粋にまっすぐに...

その命たちを人間の勝手で奪ってはいけない。絶対に。

お母さん、頑張るよ エルモ…


理事長 濱田一江

ハマダ家の保護っ子たちblog:https://ameblo.jp/shiawasenotanetachi/theme-10113484752.html


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代表:濱田一江

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