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猫もしあわせ、人もしあわせ。千葉から日本中に「猫と人のヨリドコロ」を一緒につくる「こちねこファミリー」50名募集!

寄付先

一般社団法人 こちねこ

猫もしあわせ、人もしあわせ。千葉から日本中に「猫と人のヨリドコロ」を一緒につくる「こちねこファミリー」50名募集!の画像

草切榮隆

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普段の保護猫の様子①

2020/12/6 17:46

普段の保護猫の様子①のメインビジュアル

一般社団法人こちねこの保護施設で、保護された猫の日常をお伝えしますね。


今回は特殊ですが、先天的に骨盤が小さく、足が麻痺してしまった子猫との日々を書きます。

10月27日に親猫を保護し、翌28日に保護した二匹の子猫です。依頼があり、捕獲したその時点で2ヶ月半くらいかなという大きさでした。

保護して施設に連れて帰ってきたのですが、怯えて動けないという風でもないのにあまり動かない。おかしいなーとずっと様子を見ていたら、一匹だけ下半身がペタンとなったままなんですよね。完全に動かないんです。抱っこしても足はただぶら下がったままでした。

野良猫で下半身麻痺の子をあまり見かけたことは無いと思いませんか?母親が障害のある育たない子を育児放棄したり、カラスに動けないところを狙われたりするからです。自然界では子猫は小さな生命。この子は更に崖っぷちに立たされた生命なのだなと思いました。

(これはなんとか守らないと・・・)

 

10月29日、行きつけの動物病院に連れていき、診てもらいました。

下半身麻痺の子、名前を仮に白キジちゃんと言います。(正式な名前は里親さんになられた方が付けるものと考えているのでみんな毛色で呼んでいます)

白キジちゃんの下半身麻痺の原因は、骨盤が小さくて筋肉が発達出来ないから。肉球はピンク色で血が通っているし、痛覚も少しある状態だからマッサージを毎日続けることによって神経も回復、改善するかもしれないとの事でした。

ただ、昨日連れてきたこの子達の親は猫白血病に感染しているから、この子達も感染している可能性が非常に高い。万が一の事も考えてねとの事でした。

下半身麻痺で、猫白血病。ただ一つの救いは兄妹で保護出来た事です。ひとりぼっちじゃない。きっと大きな力になるはずと思いました。

子猫たちと施設に帰り、早速ケージの設置です。普段は常に人がいる事務所にケージを設置してあり、そこで猫たちに邪魔されながら事務仕事等をしております。今回の子猫は二匹とも感染力が強い猫白血病の疑いがあるので一緒の部屋で育てるのは難しい状況です。普段あまり使わない部屋を専用の部屋にしました。

毎日朝晩それぞれのケージを掃除するのですが、まずは今までいた猫たちのケージ、その後に白キジちゃんたちのケージといった順番で掃除です。

掃除が終わったらマッサージタイムです。まずは固まった筋肉や筋をほぐす。次に足を伸ばしたり縮めたりするのですが、麻痺をしている子は大体足が伸び切っています。足を戻す力が無いんですよね。それを意識して伸ばしたり縮めたり、何回も何回も声をかけながら繰り返すのです(私はお坊さんなのでお経も唱えながら)。大きくなれよと骨盤あたりもマッサージします。途中少し嫌がったりもするのですが次第に身を任せてくれる状態になります。妹の白黒ちゃんは不思議そうに、また、遊びたそうに見ています。

マッサージを終え、白キジちゃんを離してあげると少しだけ足を動かそうとしている様に見えました。でも見間違えか、やはりペタンとなったままです。まだ初日だから効果が出なくても仕方ないね、でもきっと大丈夫と自分に言い聞かせました。

10月30日、この兄妹の部屋では夜以外基本的にケージから出しっぱなしにするように考えました。兄妹で遊ぶ事により、刺激されて麻痺が改善すればという気持ちです。

その日はその部屋になるべくいるようにして観察していました。

遊ぶ時も足はただの飾り物のようで、腕だけで動いている状態です。トイレはどうしているのかなと疑問に思いましたが、足を引きずって体ごとトイレに入り、そして上半身だけ外に出してしていました。いじらしくて、本当になんとかしてあげたいと思いました。

11月1日、手応えがありました。足の伸び縮みをさせている時、少しだけど足で抵抗している感じが手に伝わってきます。マサージを終え、試しに立たせてみると、少しの間だけ立つ事が出来ました。

これはいける。そう実感しました。

マッサージをする日が続き、白キジちゃんはふらつきながら、たまに倒れながらも歩けるようになってきました。

先生が教えてくれたマッサージのおかげ、そして白キジちゃんの妹のおかげ、少しでも歩けるようになってくれてありがとう。

その日、別の用事で病院に行った時に先生に報告しました。先生はものすごく喜んでくれ、ツボも押してあげるといいよと教えてくれました。

その夜マッサージと一緒にツボも押してあげました。効果はてきめんでした。

歩いている、しっかりと歩いているのです。歩ける時間は少しだけど、確実に足で歩いているのです。

当日のツイートを見比べて下さるとその違いに驚くと思います。

11月1日午前

https://twitter.com/noranekogundan_/status/1322586923815170048?s=20

11月1日午後

https://twitter.com/noranekogundan_/status/1322903749166211072?s=20

それからみるみる改善していき、走ったり小さなジャンプまで出来るようになりました。生命力とはいかに強いものなんだろう。心からそう思いました。

それでもまだ猫白血病の可能性が非常に高いという、重いものを背負っている子たちです。

でも私は希望を捨てていませんでした。足の麻痺を克服してくれたこの子達ならきっと大丈夫。

ツイッターを見てくれている人たちの応援も、見えない力で働いているはずと。

11月25日、意を決して白キジちゃんと白黒ちゃんを動物病院に連れていきました。現在の月齢は3ヶ月半くらい。母猫の抗体等も子猫たちの体から抜けきっているはず。もう検査をしても正確なものが出るはず。

そうです、猫白血病に感染しているかの検査です。

子猫たちをキャリーに入れ病院に向かう。子猫たちはあまり鳴くこともなく、リラックスしているようでした。大丈夫、大丈夫と子猫たちに語りかけながら。

病院に到着しました。いつも気にかけてくれる院長先生が診てくれ、大きくなったねと喜んでくれました。そして採血です。一つ一つの動作が私にとってはすごく長い時間で、検査を待つ時間もずっと落ち着きません。待合のベンチで子猫たちを撫でながら、きっと大丈夫、大丈夫だよと語りかけながら結果を待ちました。

先生が手に検査キットを持ってこちらに向かってきます。どうか陰性であってほしい・・・。

先生は言いました。

「子猫ちゃん、二匹とも陰性でしたよ。」

「いいい陰性ですか。」

私としたことが、少し声がうわずってしまいました。見慣れている検査キット、それを何度も見返し、そして本当に陰性である事に心が高まりました。何度もお礼をし、そして車に戻り少し泣きました。

よく頑張ったね、信じていたよ。たくさんの応援もあったからだねと子猫たちに語りかけながら。

その日のうちに、今まで別の部屋に設置していたケージを事務所に移し、他の猫たちとの共同生活が始まりました。先輩猫たちは「なんか変なのが来たぞ」というように遠回しに見ていましたが、どうやら可愛がってくれています。

現在、白キジちゃんの下半身麻痺だった足も完璧とは言いませんが、走り回ったり高い所に登ったりする分には申し分ないくらい改善しています。


良ければマッサージの動画など載せているのでyoutubeを見て下さいね!

https://www.youtube.com/channel/UC3YAqtfnh4SZ2347UgzlHQw

長文でしたが最後まで読んで下さいましてありがとうございました!

一般社団法人こちねこ代表 草切榮隆 拝


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